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chapter14 新たな仲間達
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しおりを挟む「Hiハイ竜馬! 」
「Hiハイオリビア!」
竜馬と同じ授業を取っている
赤毛のオリビアが頬を染めて
キャンバスを歩いている竜馬を呼び止めた
「経済学のグレッチェン教授の論文もう仕上げた?」
首席で丸い眼鏡をかけた
赤毛のカーリーヘアの
オリビアが息を弾ませて言った
「苦戦してるよ」
竜馬は肩をすくめて言った
「あのね!去年の卒業生の論文なんだけど
グレッチェン教授からトリプルAを貰った
学生のコピーが手に入ったの!
これに少し手を加えれば余裕かなって思って」
竜馬は目を見張って感心したように言った
「えー?そいつはすごいね! 」
「見せてあげてもいいわよ 」
「本当? 」
そしてオリビアは蛇のようにはにかんで
体をクネクネしだした
「ねぇ・・・よかったら
こ・・・今夜・・一緒に・・・・ 」
オリビアが何か言いかけて竜馬を見た
すると竜馬の後ろに背後霊のように宗一郎がいた
竜馬の後ろでこれでもかと宗一郎が
妖気を発しながらオリビアを睨む
「・・・どうしたの?オリビア? 」
竜馬はオリビアの人相を見て
心配したように顔色をうかがった
「あ・・・うん・・・・
また・・・時間がある時・・・・
いつでも言って・・」
まるで宗一郎がオリビアをズタズタに
引き裂いてやりたいと思っているように
宗一郎はオリビアを睨んでいる
本当にそうされるのではないかと
オリビアが不安になるほどの目つきだ
そそくさとオリビアはワケのわからないことを
ごにょごにょ言って退散した
「あのさ・・・宗一郎・・・・」
「なんだ? 」
背後からえも知れぬ妖気を醸し出している
宗一郎に竜馬は言った
「そんなに誰でも彼でもあんなに睨んだら
僕に女の子が寄ってこないじゃないか 」
宗一郎は眉根に皺を寄せて言った
「睨んでいない
恐ろしく目つきが悪いだけだ
こればっかりは俺のせいじゃない
文句を言うなら母親に言ってくれ 」
シカゴの大学生は
なぜか男女みんなぽっちゃりとしてて
小麦色に日焼けしている
いわゆる「オタク」が多い
服装もそんなにおしゃれではなく
いたって地味なビジュアルの学生だらけだ
その中でも引きしまって色白の竜馬と
長身の宗一郎はひそかに女の子の間で人気があった
「それにまだ英語が聞き取れないんだよ
アイツら早口で何を言ってるかわからないんだ
だからこんな顔になるんだ 」
「へーへー・・・ 」
日本語が喋れてうれしいのか
あれから竜馬はすっかり宗一郎に懐かれた
「なんだよ!お前オリビアが好きなのか?」
宗一郎が眉間にシワを寄せて言う
だからその顔やめろって
「好きじゃないよ
でもせっかく論文を見せてくれるっていうのに
僕は留年なんかする余裕は全くないんだ 」
それから間もなく毎日の習慣ができた
竜馬が授業に出ると宗一郎が
必ず後ろの席を二人分取ってくれている
竜馬はそこに座るだけでよかった
大学の教授陣はそれはのんびりしていて
話口調も眠くなる人ばかりだ
この頃になると竜馬はキャンパスや大学の教授陣に
何も期待しないようになっていた
竜馬は明らかにこの人達よりも
自分の方が100倍忙しいと思っていた
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