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chapter13 一人は嫌だ
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しおりを挟む「こんな姿になってしまって
申し訳ないんだけど・・・・」
ホールストリートにあるロックハウンドの
タトゥーショップの横に檻が設置されている
アリゲータークロコダイルの
ワニのマックスは
相変わらずその獰猛な姿で道行く人を驚かしているが
いたって本人は腹が減っている時しか
動くことをしなかった
太くて頑丈な鎖につながれてはいるが
左右に広げている肢体は恐ろしい程獰猛で
足はしっかりと地面に踏ん張っている
少し笑っているような口元には
刃物のような裂肉歯が並んで見え
噛みつかれたらひとたまりもないだろう
そして今マックスは相変わらず話しかけている
竜馬にまったく関心を向けずに
昇ってくる太陽の方角に向かって
大きく口を開けていた
竜馬はマックスの目の前に
カルロスから取り上げた
クロコダイルのブーツを二足置いた
「違うかったらごめんね
もしかしたら君の知り合いかもしれないと思って・・・」
竜馬はしゃがんでじっとマックスの様子を
うかがった
するとマックスが
その黒曜石のような瞳孔を「キュルッ」と縦線にし
ゆっくりズルズル動き
まるで卵を抱えるように
ブーツをお腹の下に入れて温めだした
竜馬はニッコリ笑って話しかけた
「よかった・・・・
これでもう一人じゃないね・・・・ 」
「ありがとよ」
とばかりにマックスは瞳孔をまたキュルッと縦線にした
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