上 下
537 / 700
chapter13 一人は嫌だ

14

しおりを挟む

炎と煙の向こうにチャックや他の兵士たちが
銃を船に詰め込むのが見えた

 

「ジ・・・・ジャスティンは・・・
ジャスティンは何処?? 」

 

竜馬は必死でフェンスにしがみ付いて目を凝らす
まるでまったく違う世界からこの光景を覗いているようだ



 

ジャスティンは最前線にいた
ルビーもクーパーもチャックも銃を乱射していた



銃を撃って疾走するジャスティン達の周りに
何発もの弾丸が超高速で飛んでくる




ゼレンスキーはずんぶんと念入りに
このために準備をしていたに違いない
SWAT達の連隊に押されどうみても多勢に無勢
ジャスティン達に勝ち目はない
  

SWAT部隊の後方でゼレンスキーは
高みの見物ときていた





「マフィアのクソ集団野郎どもが
国際的なテロリストと武器取引を
行おうとしているんだ
これを機にイリノイのマフィアを一掃する!
殺しても構わん!一人残らず捉えろ!」





ゼレンスキーはそう叫びSWAT部隊に激を飛ばした
  



激しい銃の攻防戦でなかなかチャックの兵士達は
ウクライナの貨物船に乗り込めない
波止場は戦場と化していた




SWAT達はこれでもかと非情に銃弾をばらまいた



チャックも所かまわずに撃ちまくっているが
この手詰まり状態に腹を立てている




ルビーの投げた最後の手榴弾が当たった
パトカーが大爆発を起こして
巨大な火の玉になった



宙に飛んだパトカーはねじ曲がった
焦げた鉄の塊と化した



現場は火の海となって
何がどうなっているのか
誰が無事なのかわからなくなっていた

 
チャックも顔は青ざめていた
大儲けができる秘密兵器の取引どころか
自分達が生き残れるかどうかの問題になってきている


 

「みつけた!!ジャスティン!! 」







竜馬はジャスティンの金髪を見つけた
兵士を三人従えて最前線で銃を発砲しまくっている

ジャスティンの撃つ銃で
SWATの連隊は次々に総崩れになっていた



竜馬はこんな時なのにジャスティンに見惚れてしまった
なんて彼は勇敢で猛々しいのだろう






お願いっ!逃げて!ジャスティン!








ズガ―ンッ!!





「ジャスティーーーーーン!!!」







ジャスティンが肩から血を噴き出した


それはまるでスローモーションのように
暗闇でも綺麗な金髪がのけぞった




そしてゆっくりと弧の字をかいて地面に落ちた
 




ジャスティンは仰向けに倒れた




撃ったのはゼレンスキーだった






すかさずジャスティンはSWATに囲まれた





竜馬は声の限り叫びながら
気が狂ったようにフェンスをガチャガチャやった

よじ登ろうとしたが上には
高圧電線が流れていて登れない

こんな所に自分を閉じ込めた
ジャスティンが憎らしかった




ジャスティンの傍に行きたかった
体当たりでフェンスが破れないかと
何回かやったが無駄だった


   


「ジャスティン!
ジャスティン!! 」







竜馬は指が真っ白になるぐらい
フェンスを握りしめた



そしてルビーもクーパーも捕まり
チャックとアンドリューは逃げようと
船に乗り込んだ時にSWATに
撃たれ海に落ちた




他のコンチネンタルの兵士も
次々と拘束された





ジャスティンはまだ息があるのか
わからないが血を流している腕を縛られて
そのまま現行犯逮捕でSWATに抱えられ護送車に乗せられた


ジャステインを乗せた護送車のライトが
青く回転している

サイレンがけたたましく鳴り響き
去って行く姿を茫然と見送った




ジャスティンは捕まった






涙と嗚咽が溢れる
何も出来なかった
現場は壮絶となっていた






誰も竜馬がそこにいることを気にしなかったし
気にもかけなかった







「・・・ジャスティン・・・ 」







そして事件は終わった









しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

【R-18】私を乱す彼の指~お隣のイケメンマッサージ師くんに溺愛されています~【完結】

衣草 薫
恋愛
朋美が酔った勢いで注文した吸うタイプのアダルトグッズが、お隣の爽やかイケメン蓮の部屋に誤配されて大ピンチ。 でも蓮はそれを肩こり用のマッサージ器だと誤解して、マッサージ器を落として壊してしまったお詫びに朋美の肩をマッサージしたいと申し出る。 実は蓮は幼少期に朋美に恋して彼女を忘れられず、大人になって朋美を探し出してお隣に引っ越してきたのだった。 マッサージ師である蓮は大好きな朋美の体を施術と称して愛撫し、過去のトラウマから男性恐怖症であった朋美も蓮を相手に恐怖症を克服していくが……。 セックスシーンには※、 ハレンチなシーンには☆をつけています。

イケメンエリート軍団の籠の中

便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC” 謎多き噂の飛び交う外資系一流企業 日本内外のイケメンエリートが 集まる男のみの会社 唯一の女子、受付兼秘書係が定年退職となり 女子社員募集要項がネットを賑わした 1名の採用に300人以上が殺到する 松村舞衣(24歳) 友達につき合って応募しただけなのに 何故かその超難関を突破する 凪さん、映司さん、謙人さん、 トオルさん、ジャスティン イケメンでエリートで華麗なる超一流の人々 でも、なんか、なんだか、息苦しい~~ イケメンエリート軍団の鳥かごの中に 私、飼われてしまったみたい… 「俺がお前に極上の恋愛を教えてやる 他の奴とか? そんなの無視すればいいんだよ」

【R18・完結】蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない〜

花室 芽苳
恋愛
契約結婚しませんか?貴方は確かにそう言ったのに。気付けば貴方の冷たい瞳に炎が宿ってー?ねえ、これは大人の恋なんですか? どこにいても誰といても冷静沈着。 二階堂 柚瑠木《にかいどう ゆるぎ》は二階堂財閥の御曹司 そんな彼が契約結婚の相手として選んだのは 十条コーポレーションのお嬢様 十条 月菜《じゅうじょう つきな》 真面目で努力家の月菜は、そんな柚瑠木の申し出を受ける。 「契約結婚でも、私は柚瑠木さんの妻として頑張ります!」 「余計な事はしなくていい、貴女はお飾りの妻に過ぎないんですから」 しかし、挫けず頑張る月菜の姿に柚瑠木は徐々に心を動かされて――――? 冷徹御曹司 二階堂 柚瑠木 185㎝ 33歳 努力家妻  十条 月菜   150㎝ 24歳

冷徹上司の、甘い秘密。

青花美来
恋愛
うちの冷徹上司は、何故か私にだけ甘い。 「頼む。……この事は誰にも言わないでくれ」 「別に誰も気にしませんよ?」 「いや俺が気にする」 ひょんなことから、課長の秘密を知ってしまいました。 ※同作品の全年齢対象のものを他サイト様にて公開、完結しております。

孕むまでオマエを離さない~孤独な御曹司の執着愛~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「絶対にキモチイイと言わせてやる」 私に多額の借金を背負わせ、彼氏がいなくなりました!? ヤバい取り立て屋から告げられた返済期限は一週間後。 少しでもどうにかならないかとキャバクラに体験入店したものの、ナンバーワンキャバ嬢の恨みを買い、騒ぎを起こしてしまいました……。 それだけでも絶望的なのに、私を庇ってきたのは弊社の御曹司で。 副業がバレてクビかと怯えていたら、借金の肩代わりに妊娠を強要されたんですが!? 跡取り身籠もり条件の愛のない関係のはずなのに、御曹司があまあまなのはなぜでしょう……? 坂下花音 さかしたかのん 28歳 不動産会社『マグネイトエステート』一般社員 真面目が服を着て歩いているような子 見た目も真面目そのもの 恋に関しては夢を見がちで、そのせいで男に騙された × 盛重海星 もりしげかいせい 32歳 不動産会社『マグネイトエステート』開発本部長で御曹司 長男だけどなにやら訳ありであまり跡取りとして望まれていない 人当たりがよくていい人 だけど本当は強引!?

【R18】豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網〜策士な後輩から逃げられません!〜

湊未来
恋愛
「ねぇ、本当に陰キャの童貞だって信じてたの?経験豊富なお姉さん………」 30歳の誕生日当日、彼氏に呼び出された先は高級ホテルのレストラン。胸を高鳴らせ向かった先で見たものは、可愛らしいワンピースを着た女と腕を組み、こちらを見据える彼の姿だった。 一方的に別れを告げられ、ヤケ酒目的で向かったBAR。 「ねぇ。酔っちゃったの……… ………ふふふ…貴方に酔っちゃったみたい」 一夜のアバンチュールの筈だった。 運命とは時に残酷で甘い……… 羊の皮を被った年下オオカミ君×三十路崖っぷち女の恋愛攻防戦。 覗いて行きませんか? ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ・R18の話には※をつけます。 ・女性が男性を襲うシーンが初回にあります。苦手な方はご注意を。 ・裏テーマは『クズ男愛に目覚める』です。年上の女性に振り回されながら、愛を自覚し、更生するクズ男をゆるっく書けたらいいなぁ〜と。

上司と部下の溺愛事情。

桐嶋いろは
恋愛
ただなんとなく付き合っていた彼氏とのセックスは苦痛の時間だった。 そんな彼氏の浮気を目の前で目撃した主人公の琴音。 おまけに「マグロ」というレッテルも貼られてしまいやけ酒をした夜に目覚めたのはラブホテル。 隣に眠っているのは・・・・ 生まれて初めての溺愛に心がとろける物語。 2019・10月一部ストーリーを編集しています。

処理中です...