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chapter13 一人は嫌だ
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しおりを挟む荒い息を整えそっとジャスティンが
竜馬を見つめ頬を触る
青い目が忙しく竜馬の体を這いまわり
無事を確かめている
竜馬はあまりのショックに息も絶え絶え
頭はフラフラだった
よろけないようにジャスティンが腕を掴んでくれた
「ゼレンスキーに・・
・・・つけられたんだな・・・」
ジャスティンはアンドリューさんの
弟さんを・・・殺したの?
「ジャ・・・・ジャスティン・・・
じ・・・自首しようよ・・・
事情を話せばわかってくれるよ」
ジャスティンは喉を鳴らした
あざけっているのか
面白がっているのか
そこで竜馬の手を離した
竜馬はぐらっとし
倒れまいと慌てて手を付きだした
やはりジャスティンはすかさず竜馬を抱きしめて
竜馬の頭頂部に口を付けた
ジャスティンの胸は暖かく、硬かった
そして彼は震えていた
暫く二人はそうしていたが
やがて竜馬はぐいっと背中の服を持ち上げられ
力任せに目の前のフェンスの向こうにある
地面に突き飛ばされた
竜馬はたちまちコンクリートの地面に
腹這いに倒れた
ガシャーンッッ
そしてフェンスの扉を閉められ
ジャスティンが鍵をかけた
「ジャスティン!!」
竜馬は弾けるように立ち上がり
ガシャンッと咄嗟にフェンスに張り付いた
動物園のゴリラのように竜馬は
フェンスをガチャガチャやったが
フェンスはビクともしない
「ことが全て終わるまで!
そこにいろ!
いいか!絶対出てくるな 」
フェンスを挟んで向こう側に
ジャスティンがいる
これじゃ一緒にいられない
「開けて!!ジャスティン!嫌だよっっ!
これからどうする気なんだよ!」
竜馬はまだフェンスをガチャガチャやりながら尋ねた
答えを知りたくなかったが
尋ねずにはいられなかった
「もうすぐここは戦場になる
仲間がいるから見捨てられない・・・
これから警察から逃げられるように俺は援護する」
ジャスティンはそこで黙り込んで
持っている銃を見つめている
まるでそこで計画が終わっているかのように
「死ぬのも怖くない・・・
つかまるのも・・・
でもお前になにかあったら・・・俺は・・・ 」
竜馬はフェンスにむしゃぶりついた
手も顔もフェンスに食い込む
ジャスティンの顔をもっと見たかった
「僕も一緒に行く!」
「何を言い出すんだっ! 」
ガシャンッ!とジャスティンが
フェンス越しに竜馬の手を握った
フェンスを挟んで二人はまた見つめ合った
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