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chapter13 一人は嫌だ

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月夜の夜 竜馬はカルロスの家の
自分の部屋の窓から月を眺めていた





大きくて青白く斑点のある日本では絶対に見れない雪花石膏アラバスターのような輝く月のおかげで

街灯が無い遠くのメインストリート
まで明るく照らしている






もうジャスティンは三日三晩夜中に外出している


どこへ行くのか聞くといつもはぐらかす
その時のジャスティンは冷たく
まるで他人のような雰囲気を醸し出す


そして今日の昼間ジャスティンとアンドリューが
話していることを偶然聞いてしまった



竜馬が三階のディーラー室に
チップの補充を取りに行った時に
見てしまったあの光景



ジャスティンとアンドリューの
怒鳴り声を聞くまで

二人が最近カジノにいないことなど不思議にも
思わなかった



しばらく竜馬はウィスキーの棚に隠れて
口論する二人の姿を見守った




「だから俺の言う事を信じろ
アイアンウッドの港は穴場だ
今夜の0時に出荷する
俺達はそのままウクライナに行くつもりだ
でもサツに漏れてるかもしれない」




アンドリューはそう言ってゆっくり
部屋の中を歩き回っていた




「ドンの命令だ!二人一組でやれってことだ
0時にあっちのマフィアの連中に引き渡すまで
お前と俺は一チームになるんだ」



「俺はひとりでやる主義だ仲間は作らん 」




ジャスティンが言った



「今回だけはそうはいかない―」





アンドリューの声は低く憤りを感じているようだ




「仲間を守るんだ状況があまりよくない」




アンドリューはテーブルに身を乗り出し
さらにジャスティンに凄んだ

ジャスティンが長い脚を組んで
優雅に座って鼻で笑った




「今じゃお前がドンの右腕となって
この組織を動かそうとしているかのよ
ご大層なこったな!
バーボンの所で役立たずだった癖に」




アンドリューがジャスティンの頬に平手打ちし
ジャスティンが吹っ飛んだ

しかしすぐにジャスティンが
アンドリューに襲い掛かった


二人は服が破れるぐらい
胸ぐらをつかんであちこちの壁に
お互いをぶつけ合った


まるでゴジラとキングギドラが
暴れているようだった





「仲間割れしてる場合じゃないんだよ」





やがてハァハァ息を切らし
アンドリューが言った




「ドンがそう言ったんだ
それにいくらお前が不服かわからんが
作戦中は俺の命令にしたがってもらう 」





ドンって誰のこと?・・・・





竜馬はウイスキーが並んでいる棚に隠れ
声を出さないように口を押えた


二人が話している事を理解しようとしたが
まるで見当もつかなかった





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