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chapter13 一人は嫌だ
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しおりを挟む部屋の時計が午後11時を告げると
ジャスティンは読んでいた本を置き
目を擦った
傍らには乱雑に積み上げられた
聖書の山があり
眠気を払うために飲んだコーヒーの
カスが溜まったカップを見つめた
洗おうかと思ったが
そのままにしておくことにした
次にこの部屋に戻った時には
竜馬が洗って食器棚に置いてくれている
ジャスティンは竜馬に口うるさくても
身の回りの世話をしてもらうのが好きだった
なんだかんだ言いながらも
竜馬が自分の服を勝手に着るのも気に入っていた
自分の領域の中で竜馬が楽しくしているのが
好きだった
多分アンドリューは場数を踏んだ策士では
ないなと考えていた
そして暗殺者としても場数を踏んでいるようには見えない
多分チャック寄りの良いマフィアなのだろう
もっともチャックが良いマファなのかどうかも
分からないが・・・・
彼には敵が多すぎる
そして殺し屋じぶんは絶対単独で動く
仲間はいらない
そもそもマフィアに良いも悪いもあるのだろうか
分かっていることは
自分はもう逃れられないってことだけだ
アンドリューは今の所竜馬に
何か危害を加えるようなそぶりは
見せていなかった
自分の所のファミリーのボスを殺されたのにも関わらず
奴からは報復の印象はまったく受けない
むしろ竜馬を守っているようにも感じた
しかし安心してはいけない
常に警戒は怠ってはいけない
乱雑に積まれている聖書をじっと見る
今更神に許しを乞うてもしかたがない
地獄で罪はすべて清算する
全うに生きることなぞすでに望んでいない
ミシガン湖に眠る死者たちに背中を向け
こうして生きている自分にも憤りを感じていた
きっとどこかで撃たれて
野垂れ死ぬのがお似合いだ
それでも慰めは欲しかった
ジャスティンが部屋から出て
リビングのソファーに目をやった
そこには竜馬が花が咲くように眠っていた
月明かりに黒髪を広げて
両手を胸に引き寄せ
胎児の格好が
何の穢れも無い幼さと純粋さを思わせる
涙が出てきそうだ
どうしてこうなったんだろう
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