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Chapter21 Lost my way
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しおりを挟む「君に礼を言わないといけないかもしれないな」
ジャスティンがゆっくりこちらを向き
ブルーの目を細めてじっと
アンドリューを見つめる
悪い冗談かどうかを見極めているようだ
「竜馬は・・・・知らないんだろう?
君が・・・その・・・・
なんだ・・・・ア・レ・だってことを・・・ 」
アンドリューにはまったく悪気はなく
むしろこの金髪の青年のことを
理解したいような気持ちが湧き上がって来ていた
いったい何のためにあんなことを・・・
なのでつい口に出してしまった
「今まで何人殺ったやったんだい?」
彼の美しい顔に血の気がゆっくりさしていく
体は微動だにしないが
頭の中は忙しく働いているのだろう
アンドリューはその様をうっとりと眺めた
次の瞬間アンドリューはひっくり返っていた
ジャスティンに足を引っかけられ
アンドリューは背中ごと地面に叩きつけられた
ジャスティンがアンドリューを踏みつけ
動けなくしてから
かがみ込んで覗いている
カチャ・・・・・
その時アンドリューの喉元に
冷たくて硬い金属が押し付けられた
はた目には長い袖で隠れて見えないが
たしかにジャスティンは銃をアンドリューの
喉元に突き挿していた
夕日と風を背に受けて金髪が白に近い色になる
顔が半分陰になり
ジャスティンの綺麗な弧の字型の眉毛が
片方吊り上がった
「女のようにおしゃべりがすぎるぞ
アンドリュー・・・
殺ってほしけりゃそう言いな
あの世でバーボンが待ってるぜ 」
アンドリューの顔にジャスティンの吐息がかかる
衝撃が大きすぎて馬鹿みたいに両手を降参の形に上げ
息を喘がせた
両手はわずかに震えていた
まるで小動物を食べるかどうか判断を下そうとする豹か虎の目つきで睨まれている感覚だ
アンドリューの口は乾き
肢体は凍り付いた
「ま・・・・・待て待て待て・・・・
俺は何も別に・・・・
き・・・君を助けたくて・・・ 」
アンドリューは慎重に言葉を選んだ
ジャスティンの瞳がビー玉のように光る
明け方の空のように明るいブルーだ
ドキン・・・・ドキン・・・
・・・殺される?・・・
アンドリューは目を逸らせなかった
遠くから物音が聞こえる
人々が動き回る音
子供の笑い声
こちらに誰かが歩いてくる気配
ふとジャスティンがアンドリューから離れた
体が軽くなった
すかさずアンドリューも立ち上がり
尻に着いた草を払った
「竜馬に少しでも余計なことをしゃべったら
貴様をハチの巣にする
顔の形がわからなくしてやるぞ」
素っ気ない言い方が本気だと思わせられた
そしてジャスティンは振り向きもせず
道路に向かって大股で歩いて行った
途中で鳩の大群を蹴散らしながら
ふぅ~~~・・・
「おっかね~~~~やっぱりヤバいな
アイツ 」
一瞬本当に殺されるかと思った
アンドリューはまだ騒がしく高鳴っている
心臓を落ち着けようと大きく
何回も深呼吸をした
ヒュ~♪っ・・・・と口笛を吹いた
「でも気に入った」
アンドリューはニヤリと笑った
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