【R18】堅物敏腕ボスと初恋の君の運命的な再会~父の会社を買収した憎いアイツは幼い頃に一緒に暮らした大好きなお兄ちゃんだった~

星キラリ

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Chapter21   Lost my way

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「ジャステーィン!!」





シカゴのナルシソ・カジノ・ホテルの
厳格ではあるが心優しい胴元締め
チャック・コンチネンタルの
一番末の一人娘


(ローズ・マリー・コンチネンタル)が
 



籠製の皿一杯に焼き立てのクッキーを
両手に持ってバラ園に佇む
ジャスティンに駆け寄った



ローズマリーはチャックが
もっとも愛した子供であり



また父の真実の姿など知る由もないローズマリーは
有名お嬢様ハイスクールに通う女学生で




輝くばかりに美しく
陽気さでいっぱいだった




そして世の中で純粋に
恋をしている少女ほど可憐なものはなかった





ジャスティンがサッとローズマリーの顔に
ロイヤルブルーの瞳を向けて来た



それだけでローズマリーは
天にも昇る気持ちになった






「あ・・・あの・・クッキー食べない?
沢山焼いたの!」





ジャスティンが辺りを睥睨へいげいしている仕草や
彼の動作のしなやかさを眺め
あまりの美しさに
ホォ・・・とため息をつく




初めて父チャック・コンチネンタルが
父の仕事場カジノに連れて来てくれた日



ルーレットを回すジャスティンを一目見て
ローズマリーは雷に打たれた



だってジャスティンは美術史で見た
ギリシャのヘルメス神そっくりだったからだ





そしてティーンエイジャーのローズマリーは
美しくて勇ましいジャスティンに
たちまち狂おしいまでの恋心を抱いた




しかしジャスティンはいつも
兄のようにいたわり深く
彼女に一歩距離を置いて接していた




ジャスティンは茶色と白の格子柄の
クッキーを一つ摘まんで
口の中へ放りこんだ





「・・・・上手いな・・・・  」  


「本当?」





ああ・・・・・
素敵な素敵なジャスティン・・・・




彼の頭上にはシカゴのレモン色の日光がさんさんと
降り注いで彼自身がオーラを放ち光っている・・・



どうしてこんなに素敵な人が存在するのかしら




ローズマリーのハシバミ色の瞳が輝き
頬がピンク色に染まった
風に肩までのパーマをかけた髪を揺らして言う





「ねぇ沢山あるからあっちで一緒に――」



「こういうの竜馬が好きなんだ」



ジャスティンは言った




「俺はいいから竜馬に持って行ってあげて
ローズマリー」


「・・・・わかった・・・・ 」





ジャスティンはとろけるような笑顔を浮かべた
文字通りローズマリーは芯からとろけてしまった




「ごっそさん」





そう言ってジャスティンはローズマリーを
一度も振り返らずに去って行った







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