【R18】堅物敏腕ボスと初恋の君の運命的な再会~父の会社を買収した憎いアイツは幼い頃に一緒に暮らした大好きなお兄ちゃんだった~

星キラリ

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Chapter21   Lost my way

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ジャスティンはさびれた
最上階のビジネスホテルにいた


熱めのシャワーを浴びて
バスタオルを腰に巻いて
マルボロのタバコに火を付ける




朝から頭痛がする


ジャスティンは鎮痛剤のアスピリンを二錠
口に入れてかみ砕き
薬が早く聞いてくれるのを待っていた




赤い夕陽が大きな窓からジャスティンの肌を
赤く染めていた



そこから黒のTシャツに黒のジーンズに着替え
ホテルに入る時に着て来た服を
丸めてダッシュボードに放り込む





部屋の灯りを消し



そこから長い時間待った



じっと窓枠に腰かけ



石のように動かず



ただひたすら赤い太陽が地平線に沈んで行くのを待った




午後10時



辺りに銃声の音が激しく鳴り響き出しだ


下を見ると
マフィア同士の抗争が起こっていた
この地域一帯に良くある光景だった



誰も火の粉がかかるのを嫌がって
警察さえもこの界隈には近寄らない



人々は一歩も家から出ず
ただひたすらおかしなチンピラ達が
どこかへ消えてくれるのを待っていた



しかし今日は例外だった
激しく打ち合っている中心に
バジリスト・フランシーノがいた
二人の構成員に包囲されて怯えもせず壁際に立っていた



もちろんこの打ち合いは酔っ払ったチンピラが
バジリスト達に絡んで始まったことだが



実はこれがコンチネンタルが仕掛けた
この場所にバジリストを誘い込むためだけのものとは
誰も知らなかった




ジャスティンの目はバジリストを捉えた

大柄でロングコートを着て
我が物顔で銃を撃ちまくっている
その風貌はいかにも悪党に見える
チャックとは大違いだ





もう頭痛は消え
ジャスティンの頭は冴えていた


ありがたいことにバジリストの動きは鈍かった
止まっている的を撃つようなものだ




自分の心臓の音が聞こえる


何度か深呼吸をし


反動に備えて腕を伸ばした



遥か数十メートル下の地上で
派手に抗争相手に銃をぶっぱなしている
バジリストの頭に焦点を定めて
ジャスティンは反射神経よりも素早く引き金を引いた








ズガ―――――ンッ







弾丸は数メートル下にいる
バジリストの眼の横を綺麗に貫通し
反対側に目玉が飛び出した




バタリと倒れたバジリストの周辺には
血だまりができ
激しく打ち合う中、部下が駆けつけた時は
バジリストの命の灯は消えていた




仕事は終わった
ジャステインは素早くカーテンをサッと引き
エレベータ―を使わず
駆け足でホテルの裏側に出た





誰も後を付けていないし
誰もジャスティンの事を気にしていなかった





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