【R18】堅物敏腕ボスと初恋の君の運命的な再会~父の会社を買収した憎いアイツは幼い頃に一緒に暮らした大好きなお兄ちゃんだった~

星キラリ

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chapter19 Baby Don't Cry

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竜馬が見たがっていた映画の内容は
難病に侵された小さな少女の物語だった




少女は生まれつき難病で
何度も入退院を繰り返し
辛い治療を続けるにも関わらず
一度も弱音を吐くこともなく
常に周囲を笑わそうと奮闘する物語だった





ジャスティンと竜馬も少女の明るくて
難病にも関わらずユーモアたっぷりの
性格にすぐに魅了された




そして彼女を取り巻く看護師や医師まで
彼女の明るさで彼らの悩みを救っていくのだった




そしていよいよクライマックス
彼女が天国に旅立つ時
母や家族・・医師や関係者に囲まれて
今までの感謝を一人一人に伝えるシーン
の山場が来た






ジワ・・・・
あっ・・・・ダメだ・・・・





案の定泣き虫が発動した竜馬は
なんとか泣かないようにこらえた



目をパチパチして
必死に泣かないように努める




こんなだからジャスティンに
バカにされるんだ・・・
絶対に泣かないぞ・・・




ふとなにげなく隣のジャスティンの様子を見ると
竜馬はギョッとして
目を見開いた



ジャスティンが顔をくしゃくしゃにして
ボロボロ涙を流して泣いていた





誰もいない映画館


流れているのは自分達だけのために
上映されている物語


横には無言でハラハラ涙を流して泣く
男らしい大切な親友





「グスッ・・・・ヒック・・・」



「・・・・・・  」





ジャステインは忙しくこぼれる涙を
手の甲で拭いているし
涙がついた手でさらに鼻水も拭いている



そしてまたその手で涙を拭くものだから
顔中涙と鼻水だらけだ




え~と・・・・




竜馬はゴソゴソして尻のポケットに
入っていたバーで拝・借・してきた
グラスを拭く用の布巾を
なにげなくジャスティンにかざした



すかさずジャスティンがサッとそれを
ひったくって自分の鼻に押し当てた





彼があんまり泣くものだから
それから竜馬は彼の右手を
そっとジャスティンの胸の前に出した




しばらくジャスティンは
じっと竜馬の手のひらを見た


竜馬は(ほらっ)とばかりに
指をヒラヒラした





そっとジャスティンが竜馬の手を握ってきた
竜馬はギュッと強く握り返してやった



もし他の誰かがいたら竜馬はこんなことは
絶対しなかっただろう




そこには嫌らしい感情などなにもなかった






ただ子供のように泣いている彼に
慰めを与えてあげたかった





ジャスティンも竜馬の手をギュッと握りかえしてきて
繋いだ手を自分の膝の上に置いた







そして二人はそのまま


映画が終わるまで手を繋いだまま泣いた







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