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chapter19 Baby Don't Cry
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しおりを挟む「あらためて・・・思うんだけどさ
僕・・ほら・・テレビ見ないから
知らないんだけど
ルビーさんって・・・すごい人なんだね~」
バーテンダーの制服のまま
竜馬がジャスティンに言う
つい一緒に持って来てしまっていた
グラスを拭く布巾を前でぎゅっと握っている
なんだか知らないけど
竜馬も場の興奮に圧倒されていた
「ああ・・・国際的な映画スターだか何だか
知らないけどな・・・
チャックが俺達に手を出さないように
してくれたのはありがたいぜ 」
ジャスティンが蝶ネクタイを苦しそうに
引っ張って言う
「まぁ!あのショタ趣味の淫乱癖さえなかったら
良い人なんじゃないか?気前も良いし
俺は歳がいってるからもういらないらしい
助かったぜ」
ハハハとジャスティンが笑った
黒塗りのリムジンが到着し
カメラのフラッシュと共にルビーの綺麗な脚が
開いたドアからヌッと現れ
すっと出てきたときの群衆のどよめきはすごかった
そこに立っているルビーは
すべての活動の拠点だった
ここにやって来ている誰もが見たがっている存在
人垣がルビーを取り囲み
パパラッチは写真を撮ろうと慌てて走り寄り
ファンは熱狂的で彼女の名を叫んでいる
しかしルビーはこんな喧騒の中でも超然としており
目もくらむようなカメラのフラッシュを炊かれても
動じずに平然としている
「うわ~~~~~きれ~~~~~」
竜馬がもっとよく見ようと背伸びしている
彼女に部屋に連れ込まれて襲われた時は
恐怖で彼女が獰猛な野獣に見えたが
今夜のルビーはちゃんとした人間で
やっぱり美しかった
ルビーは羽のショールを翻し
そしてよく躓かずに歩けるなと思うほど
ドレスの長い裾をひきずって
美しく正面玄関まで続くレッドカーペットを歩いた
大騒ぎの群衆の中
ゆっくり腰を振って自分を見せびらかしていた
ルビーが竜馬とジャスティンのいる前に来て
振り返り
百万ドルの笑みをパッと浮かべた
彼女は指をピストルの形にして
竜馬とジャスティンにウィンクをして
2発「BAN!BAN!」と撃つマネをした
二人同時に「ウッ!」と胸を押さえて
ふざけて倒れた
ルビーが「ホホホホホッ」と
声を上げて去って行った
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