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chapter19 Baby Don't Cry

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力ではジャスティンにかなわない
何とかジャスティンから逃れようと必死に
身体を捻ったり弾き飛ばそうをしているが
ジャスティンはびくともしない




「お前は愛をなんだと思っているんだ?
女に惹かれる男だけに許されたものだというのか?」




竜馬は顔を真っ赤にして
何とかジャスティンの拘束から逃れようとしている




「ならば教えてやるよ・・・竜馬
お前をベッドに連れて行って悲鳴を上げさせること
なんかいくらでも出来るんだぜ」





次の瞬間怒りで真っ赤になっていた
ジャスティンの腹に衝撃が走った



気が付いたら道路に仰向けに倒れていた




竜馬に渾身の力で腹を蹴られて
ジャスティンは吹っ飛んだ



息が出来なかった
溺れかけた人のように口をパクパク
させたが息が吸えない
竜馬の蹴りはジャスティンのみぞおちの
急所にクリーンヒットした




地面に腹を押さえて丸くなり
つばを何回か吐いて
なんとか息が出来るようになった




ジャスティンは何度もゴホゴホ言って
ハァハァ息を吸った
視界がかすむ







「日本にいた頃!!!」






竜馬が叫んだ








「とても好きな娘がいたっっ!!」






視界が晴れ
見上げると怒りに髪を逆立てた竜馬が
涙目でジャスティンを睨んでいた








「良く聞けっっ!!
僕は彼女の傍にいるのがとても幸せだった!」






一気に戦闘意欲が失せたジャスティンは
地面に座り直して竜馬を見あげた
真っ赤になって全身怒りに震えている竜馬が叫ぶ







「彼女をこの命よりも愛していたし
男として逞しく彼女を守ることで
人間としての尊厳を保てたんだっっ! 」





口に出したことで
竜馬の脳裏に彼女が一気に溢れかえった





笑った顔・・・・
泣いた顔・・・・
鼻にシワを寄せてこっちを睨んでいる顔・・・



どれもこれも可愛くてたまらなかった



彼女の声が心の底から聞こえる・・・・
これをどうして忘れることができよう






「彼女の事を想い!
彼女の幸せを願った!!!
毎日!毎日!毎日!毎日!
今!この瞬間さえもっっ」












大きいお兄ちゃん・・・・・
:*゚..:。:.   .:*゚:.。













「彼女の嫌がることなんか絶対に出来なかった!
こんな風に力づくで言う事を
聞かせようとするなんて!
人を馬鹿にするのもいい加減にしろッ! 」







大きいお兄ちゃん・・・・・
:*゚..:。:.   .:*゚:.。








怒りを絞り出すかのように言葉を一言づつ
ジャスティンに向ける

悔しくて泣けてくる
どうして自分はこんな所にいるのだろう
どうしてこうなってしまったんだろう








「竜馬・・・・ 」





「愛は神からの贈り物だ!
自然と心に湧いてくるものだ!
君のは愛じゃないっっ!    」





竜馬がくやし涙を一粒流した






「ただの支配だ・・・・ 」








ガクリとジャスティンが肩を落とした

竜馬は踵を返して
そのままハーレーに乗って行ってしまった








ジャスティンはこの時悟った
何もかも自分が壊してしまった



自分の横で美しい身体を横たえ
無防備に眠る少年を






もうこれで二度と見ることが出来なくなったと・・・・







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