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chaputar18 ジャスティンの宝物
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しおりを挟むある日二人は街の外れの郊外の射撃場
「グレード・ガン・シューティング」に来ていた
二人は防弾ガラスを挟んで二人で
シューティング位置に並んでいた
透明ゴーグルとヘッドフォンをして
フラミンゴの的に向かって
真っすぐ銃を構えている竜馬を
ジャスティンは感心して見ていた
平和主義の竜馬は自分は銃については無知だし
不向きだと言っていたが
蓋を開けて見ればなかなかの射撃手と判明したからだ
銃弾を受けすぎて標的のフラミンゴが
ボコボコの穴だらけになるとそれを貰い
射撃場の入り口に飾った
その射撃場に来る客の射撃の腕前を
見せつけるのが目的だ
ジャスティンは竜馬を通して日本という国を感じていた
竜馬のあまりにも身を守る術がないのに
この無防備さを不思議と感じていた
竜馬は人を警戒するということを知らず
まるで生まれたての赤ん坊だった
何が恐ろしくて何が良いのかを
まったく分かっていなし
保護してくれる大人もいない(カルロスは論外だ)
そして18歳になるまでこんなに
無防備で生きてこれた日本という国は
お人よしのバカばかりが住んでいるに
違いないとも感じていた
シカゴの男ならみんな小学生の時から
銃には慣れ親しんでいるし
決して一人では街をウロウロしない
ジャスティンは19歳で
すでにそのへんの大人よりもずっと世間を知っていた
父親がいなかったから一家の主として責任を負う
ことを学び母や妹を養ってきた
ジャスティンは家族や自分が生き残れるために
懸命に働いてきたし人に言えない
汚い事もやって来た
一方親が亡くなるまで甘やかされ
大事に育てられてきた竜馬は
ジャスティンから見たら
危なっかしくてならなかった
せめて地元の小学生と対等にやりあえるようにと
射撃場に連れてきたが意外な好結果に喜んでいた
「こっちが鳥打ち銃でこっちがピストルだ
どっちも口径が違って
それぞれに威力が違う
お前は少し体も華奢だから
これがいいんじゃないか? 」
そう言ってジャスティンは
竜馬にベレッタ22口径を渡し
自分はワルサーのP35口径を使っていた
大きな白いヘッドホンを斜めにして
聞こえるようにして竜馬が言った
「今までどんな銃を使ったことがあるの?」
「ライフルも使ったことがあるよ
とにかく火花が散るものはなんでもかな?
ダイナマイトとかもな 」
竜馬がゴーグルを外しおしぼりウォーマーから
二つ温かいおしぼりを一つはジャスティンに渡し
もう一つで顔を拭き
火薬の染みを取り去った
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