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chapter17 世界の果てで君を想う

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「アイスクリーム食うか?
サーティーワンで新しい
チョコミントの種類が増えてたぞ」



グスンッと鼻をならして
セドリックが言った



「・・・・食う・・・・」




「じゃ!行こうぜ!
ああ・・・それとコイツは竜馬!」




突然ジャスティンが竜馬に話題をふったものだから
セドリックの小さなグリーンの目が
竜馬を見据えた



思わずビクンッと竜馬の体に緊張が走った
竜馬はセドリックとしばらく見つめ合った





「え・・・と・・その大丈夫?」






本当ならセドリックが破壊した車の
持ち主に言う言葉なのだろうが
なんだかこの愚直な男が可哀そうになった


竜馬は尻のポケットからティッシュを取り出して
セドリックに渡した




「おまえ・・・やさしい・・・・」




セドリックが竜馬のティツシュを受け取って
豚が絞め殺されたような音を立てて
鼻をかんだ


竜馬は肩をすくめて言った




「ねぇ・・・セドリック・・・
いくら怒ったからといってあんなこと
しちゃいけないんだよ?」




コクン・・・・
「んだ・・・・  」





竜馬にもわかった
彼の小さなグリーンの目に一瞬
よぎったのは怒りではなく悲しみだった



あんな風に怒ると一瞬で車を破壊してしまう
セドリックの凶暴さは街の不良仲間から恐れられ
また彼のジャスティンに対する忠誠ぶりは
あまねく知れ渡っていた




後からジャステインに聞いたのだが
まだジャスティンがセドリックと
そんなに親しくない頃



乱暴者で街の嫌われ者の
セドリックが偶然川で泣いている所を
ジャスティンが見かけて彼を慰めたらしく
そこから懐かれたそうだ



そしてセドリックは
竜馬と同じ年だということにも驚いた

彼は高校に行っておらず
普段は家に引きこもりがちなんだが時々
こうして街に出て来るらしい



時として感情にコントロールが
効かなくなる自然災害のようなセドリックのことを




「人にバカにされることに敏感なんだ
でもいいヤツだよ」




ジャスティンはそう言った



あのセドリックをいいヤツだなんて言う
ジャスティンこそがいいヤツだと竜馬は思った
セドリックはこうも言った



「ダイナマイトと一緒さ
たとえダイナマイトでも
使い道さえ誤らなければ害はない」




その後三人でアイスクリームを食べたが
先ほどと打って変わって大人しく竜馬の隣で
ミントチョコを食べるセドリックの隣にいるのは
竜馬はなんとなく落ち着かなかった







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