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chapter17 世界の果てで君を想う

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・・・・・



ある日竜馬が学校の更衣室の
自分の身長ほどあるロッカーを開けると
一枚の封筒がヒラヒラ竜馬の足元に落ちた




その封筒はピンク色で封を閉じている所に
ハートのシールが貼られていた
竜馬は生まれはじめて「ラブ・レター」を貰った





ハハッ
「返事なんか書かなくていいだろ!
勝手にお前に恋して勝手にロッカー開けて
勝手に手紙入れてるんだから 」




竜馬が返事を書いた方がいいかと
ジャスティンに相談すると彼はそう言って笑った



今彼は逞しい筋肉の盛り上がった二の腕に刺青タトゥーを入れていた
ジャスティンの選んだデザインは
オールドイングッシュのロゴにそれは勇ましい
鷲イーグルだった



鷲は鳥の王者とされており
太陽・王権・神々の象徴として
「権威・強さ・勝利・自由」を表していると
ジャスティンは誇らしげに言った

しかし今彼は何度も顔をしかめている所を見ると
やはりそうとう痛むのだろうなと竜馬は思った




「そこの色男さん!マックスに餌をやってくれ!
冷蔵庫に入っている 」




彫師のロックハウンドさんが
ジャスティンの二の腕から目を離さずに竜馬に言った
デジタル針のシュィーンという音が店に響く



このホールストリートのタトゥーショップの
オーナーのロックハウンドは
歩くキャンバスと言っていいほど
彼は体中にタトゥーを彫り込んでおり
今や彼の体ではどこも彫る所が見当たらない
ほどだった



上半身裸のロックハウンドの背中に彫られている
マリア像が彼がしゃべるたびに不気味に動く



「マックスって?」



「今は外で日光浴をする時間なんだ
表につないでいるよ 
冷蔵庫の鶏をやってくれ 」


「うん!わかった」



竜馬は最後の仕上げに余念のない彫師の肩越しに
その作品を覗き込んだ



その鷲は綺麗にジャスティンの腕で羽を広げていて
鷲の目がまるで生きているかのようにこっちを見ていた


ふとロックハウンドが竜馬の腕を
ジロジロ見て言った



「おまえ・・・しっろいなぁ~・・・
彫りがいがありそうだな
モデルにならないか?
新しいデザインを試したいんだ」



ロックハウンドが目をキラキラして竜馬に言う



「ぼ・・・僕はいいよ・・
マックスに餌をあげてくるね」




慌てて竜馬はロックハウンドの言う通り
店の隅の冷蔵庫の場所へ向かってバカッと開けたら
そこになはんと羽をむしられた鶏が
一羽丸々入っていた



不思議に思いながらも
マックスは大型犬なのかもしれないと
竜馬はその鶏の首を持ってショップの表に出た



 


「うわぁ~~~~~!!!」






そこで見たものに驚いて
竜馬は腰を抜かして地面に座り込んだ


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