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chapter17 世界の果てで君を想う

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「案内してくれて申し訳なかったんだけど・・・
友達いなかった・・・ 」


「帰るのか?家どこだ? 」


「・・・サーリンジ通りのカルロスってヤツの
所でホームステイしてるんだ 」




その名前を聞いてジャスティンが弓状の
綺麗な眉をぐっとひそめた



「カルロス?あのトレーラーハウスの大家か?」



「うん・・・カルロスを知ってるの?
すっごいヤなヤツだよ」



「その通りだな!」



ニヤリとジャスティンは笑った




「どうしてカルロスを知ってるの?
他にカルロスの何を知ってる?
教えてよ! 」



「アイツはトレーラーハウスの他にも
いくつか畑や工場を月貸しでやってるんだ
アイツの親がここらへんの地元の有権者でね
親が生きていた頃は良かったんだが
アイツは怠惰なヤツで気まぐれで賃上げしたりさ
ここらへんの地元の人間はみんな
あんなチンケなヤツ相手になんかしないからな
だから仕方がなくスペイン人や
外国人相手に賃貸しをしてるのさ」



「やっぱりそうなんだ・・・・ 」




竜馬は考え込むように言った
カルロスはやはり竜馬が観察して
評価している通りの人間だったとこれで確信が持てた




地元の人間に相手にしてもらえないから
自分のような英語もろくにしゃべれない
外国人相手に法外な家賃をせしめたり
無力な外国人の子供を預かって
その生活費をピンはねしていたのだった

そう考えたらやはり頭にきた



竜馬とジャスティンはしばらく考えこんだまま
マウンテンバイクが置いてある
交差した道まで戻って来た




もうピットブルはいなかった




その時ジャスティンが竜馬に道に停めている
古くて青いコンバーチブルのオープンカーを
親指で指して言った





「俺アイス食いに行くけどお前行く?
ルート66にサーティーワンが出来たんだ 」




竜馬は驚いてじっと
彼を見上げてそのまま棒立ちになった




「・・・・なんだよ?
ダメなのか?帰らないといけない? 」



ジャスティンは訝し気に竜馬を見た



ダメなことなんてない
ただ・・・自分を誘ってくれる人間なんて
この街にはいないと思っていたから
竜馬はびっくりして固まっていただけだった






「・・・・行く・・・ 」







竜馬は初めてこの街に来て
ほほ笑んだ








この少年との出会いを・・・・
:*゚..:。:.   .:*゚:.。




偶然と呼ぶにはあまりにも意味があり過ぎて







神様の仕事は完璧なのだと思わずにはいられずに







彼こそが
:*゚..:。:.   






竜馬の人生を大きく変えていく人物だなんて








この頃はまだ二人とも
想像もしていなかった・・・・・・
:*゚..:。:.   .:*゚:.。











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