上 下
393 / 700
chapter17 世界の果てで君を想う

しおりを挟む
その棚の一番左の上にあった
バーモントカレーのカレー粉が入った箱を
手に取って値段を確認した




「げっ!カレー粉10ドル?
たっけぇ~~~」




値札を確認した竜馬はがっかりした
しかし竜馬はずっとここに来てから
カレーライスが食べたかった




お母さんの作ったカレーライス・・・
あれなら自分でも再現できる・・・




生きていた頃の母はカレーをいつも大鍋で炊いて
それを2~3日かけて家族で食べていた

一日目はカレーライス、二日目は
それにトンカツをつけてカツカレーに
そして3日目はカレーうどんになるのだ



竜馬はクスクス思い出し笑いをした



「三日間もカレーなんて手抜きだ」



とよく父と一緒に母に文句を言ったものだった






途端に目にじわっ・・・と
涙が溢れて来た







・・・どうしてあんな
ひどい事が言えたのだろう・・・








ごめんね母さん・・・
:*゚..:。:.   .:*゚:.。










竜馬は手の拳で涙を拭き
心の中で温かい母の笑顔を思った
そしてやっぱりカレーライスを作る事にした




カレー粉と野菜そして真空パックの冷凍の
米を買ったら手持ちが無くなったので
肉は買うのをあきらめた


思ったより物価が高いので驚いた
ビニールの黄色い袋をカサカサいわせて
来た道を戻った




「カルロス!キッチン借りるよ!」




リビングにいるカルロスからは
いびきで返事が返って来た



薄汚い三口コンロの下に赤いホーロー鍋を見つけた
竜馬は鍋を丁寧に洗いカレーを作り始めた

じゃがいもの皮を剥く時に
包丁で指を少し切ったが
野菜を綺麗にカットして

全て鍋に入れて煮込みカレールーを投入すると
まずまずの出来のカレーが鍋一杯に出来た



冷凍の米をレンジで温め皿に盛り
その上にカレーをたっぷり乗せた



カレーライスときっと飲み続けたら
体を悪くするだろうと思うほどの風邪シロップの
ような色がしている炭酸飲料の瓶が乗ったトレーを

両手で持って足で部屋のドアを開ける
ベットの上であぐらをかいて
腹いっぱいカレーを貪り食った




そこで人間の三大欲が
生きるエネルギーになるのだと実感した



美味しいものを腹一杯に食べたら
明日学校でやる予習をしておこうという気になった
竜馬は良い成績で大学に進学したかった



そして沢山作ったカレーはまだ2~3日分は
たっぷりある





明日は良い日になると単純に竜馬は希望を持った



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

鬼上官と、深夜のオフィス

99
恋愛
「このままでは女としての潤いがないまま、生涯を終えてしまうのではないか。」 間もなく30歳となる私は、そんな焦燥感に駆られて婚活アプリを使ってデートの約束を取り付けた。 けれどある日の残業中、アプリを操作しているところを会社の同僚の「鬼上官」こと佐久間君に見られてしまい……? 「婚活アプリで相手を探すくらいだったら、俺を相手にすりゃいい話じゃないですか。」 鬼上官な同僚に翻弄される、深夜のオフィスでの出来事。 ※性的な事柄をモチーフとしていますが その描写は薄いです。

ぽっちゃりOLが幼馴染みにマッサージと称してエロいことをされる話

よしゆき
恋愛
純粋にマッサージをしてくれていると思っているぽっちゃりOLが、下心しかない幼馴染みにマッサージをしてもらう話。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

タイプではありませんが

雪本 風香
恋愛
彼氏に振られたばかりの山下楓に告白してきた男性は同期の星野だった。 顔もいい、性格もいい星野。 だけど楓は断る。 「タイプじゃない」と。 「タイプじゃないかもしれんけどさ。少しだけ俺のことをみてよ。……な、頼むよ」 懇願する星野に、楓はしぶしぶ付き合うことにしたのだ。 星野の3カ月間の恋愛アピールに。 好きよ、好きよと言われる男性に少しずつ心を動かされる女の子の焦れったい恋愛の話です。 ※体の関係は10章以降になります。 ※ムーンライトノベルズ様、エブリスタ様にも投稿しています。

冷徹上司の、甘い秘密。

青花美来
恋愛
うちの冷徹上司は、何故か私にだけ甘い。 「頼む。……この事は誰にも言わないでくれ」 「別に誰も気にしませんよ?」 「いや俺が気にする」 ひょんなことから、課長の秘密を知ってしまいました。 ※同作品の全年齢対象のものを他サイト様にて公開、完結しております。

昨日、課長に抱かれました

美凪ましろ
恋愛
金曜の夜。一人で寂しく残業をしていると、課長にお食事に誘われた! 会社では強面(でもイケメン)の課長。お寿司屋で会話が弾んでいたはずが。翌朝。気がつけば見知らぬ部屋のベッドのうえで――!? 『課長とのワンナイトラブ』がテーマ(しかしワンナイトでは済まない)。 どっきどきの告白やベッドシーンなどもあります。 性描写を含む話には*マークをつけています。

彼氏が完璧すぎるから別れたい

しおだだ
恋愛
月奈(ユエナ)は恋人と別れたいと思っている。 なぜなら彼はイケメンでやさしくて有能だから。そんな相手は荷が重い。

お見合い相手はお医者さん!ゆっくり触れる指先は私を狂わせる。

すずなり。
恋愛
母に仕組まれた『お見合い』。非の打ち所がない相手には言えない秘密が私にはあった。「俺なら・・・守れる。」終わらせてくれる気のない相手に・・私は折れるしかない!? 「こんな溢れさせて・・・期待した・・?」 (こんなの・・・初めてっ・・!) ぐずぐずに溶かされる夜。 焦らされ・・焦らされ・・・早く欲しくてたまらない気持ちにさせられる。 「うぁ・・・気持ちイイっ・・!」 「いぁぁっ!・・あぁっ・・!」 何度登りつめても終わらない。 終わるのは・・・私が気を失う時だった。 ーーーーーーーーーー 「・・・赤ちゃん・・?」 「堕ろすよな?」 「私は産みたい。」 「医者として許可はできない・・!」 食い違う想い。    「でも・・・」 ※お話はすべて想像の世界です。出てくる病名、治療法、薬など、現実世界とはなんら関係ありません。 ※ただただ楽しんでいただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 それでは、お楽しみください。 【初回完結日2020.05.25】 【修正開始2023.05.08】

処理中です...