【R18】堅物敏腕ボスと初恋の君の運命的な再会~父の会社を買収した憎いアイツは幼い頃に一緒に暮らした大好きなお兄ちゃんだった~

星キラリ

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chapter16 LAST STAGE 竜馬

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「コントローラーの↑のボタンと
AとBのボタンを一緒に押すと
必殺技が出るよ 」



「こう? 」



「そうそうもう一回やってみて 」




ゲームが出来なくて
てんで豊に相手してもらえないジェニに
竜馬がゲームのコツを教えていると


意外にもジェニは根気よく技を学び
ジェニと同じ年頃の女の子にしては
達人レベルの域に達するようになっていた




最近ではそうやってリビングで
竜馬とジェニが二人でゲームをしていたが

豊も入ってくるようになって
いつの間にか二人の後ろのソファーで
豊が指導してくるようになっていた



竜馬は豊は不器用なヤツだけど
とっつきにくいだけで決して思いやりが無いわけ
でもないと彼をそう評価していた



豊が言った



「そんな所に隠しアイテムはないよ
西の占い師と話をするんだ
そしたら隠しアイテムの扉が開くよ 」



竜馬が驚いて豊に言った




「何でわかったんだ?」



「このゲームを作ったヤツの気持ちになるんだよ!
ユーザーが考えそうなシナリオを
描いてどうするんだよ!」




ゲームの事を語る豊の目は乱々と輝いていた
豊のいい所はいつも率直に話してくれる所だと
竜馬は思った




更に豊が語る

 

「ユーザーの感情を振り回すんだ!
夢中にさせるんだよ!
とにかく物語を先に進めずにはいられないように!
何が何でもラストを見とどけたいって思わせるんだ」




「へぇ~・・・・・ 」


 

竜馬は感心した
小学生でこんな風に制作者側の視点で
ゲームをプレイしている子供も珍しい




「もっと聞かせてよ!豊! 」



へへんっ!
「しょう~がね~な!
いいか!良い物語ってのは冒頭が大事だ!
よく最初に
「死体を転がせ!」
という言葉があるぐらいだ 」




「死体を転がせ?」




竜馬は豊の方に体を向けあぐらをかいた




「何か事件を起こすんだよ
例えば小説なんかでも100ページ目から
読むヤツなんかいないだろ?
最初でつまらないと思われれば一生読まれない!
だから一番最初に事件を起こして
ユーザーの感心を一気に引き込むんだ!」



「フムフム 」



「次に「ヘイトを溜める」んだ!」  




「ヘイトって何だ?」



「(憎しみ)とか(怒り)の感情だよ!
よく(ヘイトスピーチ)って言うだろ?
物語には必ず主人公を脅かす存在がいるんだ
その敵役に対してヘイトを溜めさせるんだよ
敵役が鬼畜であればあるほどいいんだ
みんなソイツがやっつけられるのを期待するだろ?」




竜馬はかがみ込み微笑んでみせた




「なるほど!
フリーザとかダースベイダーみたいな感じか?」



「ああ・・・そうだな!
それで最後は「孔雀の羽を広げる」だ!」




ハハッ
「めちゃくちゃな比喩だな!」



竜馬は声をあげて笑った
しかし豊は真剣な顔つきで言った




「何を言うんだ
本当にこの比喩はあるんだよ、いいか、
動物園で孔雀を見つけたとするだろ?
そうしたら誰もが羽を広げる所を見たいだろ?
だからみんないつ羽を広げるかって
ワクワクしながら孔雀について行くんだよ
みんな羽を広げる所を見たいんだ・・・
言わば一番物語が盛り上がる所さ!
そこを見たいからユーザーは長い話について来るんだ!」


竜馬は顎を指で押さえて宙を見た



「そう言えばそうだな~・・・
この先に何があるんだって思うもんな」




「「最初に死体を転がせ」「ヘイトを溜める」
最後に「孔雀の羽を広げる」
良い物語の構成はどれもこの「黄金ルール」
が当てはまっているんだ」




そう言いながら

豊は竜馬の隣に来てコントローラーを持ち
テレビ画面の女ゾンビの大群を
見事な必殺技で一掃した






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