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chapter15 スーパーシャイボーイPart2

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・・・・・



琵琶湖大橋近くにあるその病院は
滋賀県一のレベルの外傷医療センターで


水難事故にあった患者は必ずここに運ばれ
ほとんどの治療が施される
設備が整っている大病院だった



二人はボートの破片と共に
湖に浮かんでいて救助ヘリに救出され
直接ここへ運ばれて来たそうだ



医療センターの巨大な敷地に散らばる
建物の間を車で進みながら
豊のスマホのスピーカーから
宗一郎の声が再びした




「正面玄関横の駐車場に停めろ!」




シードベルトを外すと
豊にジェニの体を押さえられた




「ちょっとまて!
俺がちゃんと車を停めるまで飛び出すな!
危ない!」




豊が悲し気な声で言った



病院の正面玄関をくぐり抜けると
ジェニと藤子は小走りになり
宗一郎はその真横を大股で歩いた




受付で名前を言うと二階の
ショック外傷集中治療センターに二人がいる事を
告げられた



そこで分かったのは
二人は救助ヘリで無事にここに連れてこられ



患者二人は外傷蘇生チームの手に渡され
未だ治療は続いており

一人が意識を取り戻したということだけだった




ジェニ達はベージュの内装の待合室に案内されて
待つように指示を受けた



薄暗い待合室には陰気な水槽が置かれ
テーブルの上にはボロボロの雑誌が積み重なっていた




待合室は下界と隔離されたような
静けさで小さな薄型テレビが
地方のニュースを流していた




ジェニはぼんやりとテレビを見つめたが
そのテレビに琵琶湖が写るたびに
吐き気を催していた



宗一郎はじっとしていられないようで
檻に入れられた熊のように
待合室を行ったり来たりした




やがてジェニの隣に座っている
豊が宗一郎に隣に座るようにうながした






豊が宗一郎に何か囁きかけると
宗一郎は落ち着いて深呼吸を何回かし
観念して豊の隣にドカッと座った





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