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chapter14 Versace On The Floor
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しおりを挟むジェニはツンッとそっぽを向いた
「兄がいたんじゃ嫌だわ
あなたのこと愛しているけど―」
竜馬は瞳をキラキラ輝かせて言った
「ずいぶん気楽に言うんだな」
「兄のこと?」
「僕を愛しているということ」
ジェニは思わずハッとした
その言葉は自然と息をするように出ていた
彼が熱くジェニを見つめている
まだ今日は出会って二人はキスをしていなかった
今は彼と二人きり・・・・
溶岩のように熱いキスが得意な竜馬さん
逞しくてセクシーな肉体の竜馬さん・・・
そして数々のピンチから私を救ってくれた
私のヒーロー・・・
私だけのスーパーヒーロー・・
「だってあなたを愛しているんですもの・・・
この気持ちが迷惑でなければいいけど・・・」
「迷惑だなんて・・・・
僕は感動しているんだよ
君みたいな子が僕を愛してくれているなんて・・・
君は若くて・・・綺麗で・・・・
そしてとても仕事を頑張っている」
「私の方こそ・・・・・
父の会社を救ってくれて感謝しているわ・・・」
彼が眉根を寄せて悲しそうに言った
「お父さんの事は・・・・大変だったね
もっと早く知っていたら
色々助けて上げれたのに
知ったのが遅すぎたんだ・・・・ 」
「メビウスはアメリカで経営をしていたのでしょう?
なぜ戻って来たの?」
竜馬はまっすぐにジェニを見た
「もう少しで向こうに根をおろすところだった
実際会社を買収して解体して
あっちの会社とこっちの会社をくっつけて
また他に売ることが楽しかったからね
その頃の僕は金や地位に目がくらんでいたから」
ジェニは同情を込めて言った
「どこで目が覚めたの?」
彼は黙ってしまった・・・・・
じっと何かを考え込んで
伏し目がちにピクニックシートの端に溜まった
草を外に払っている
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