【R18】堅物敏腕ボスと初恋の君の運命的な再会~父の会社を買収した憎いアイツは幼い頃に一緒に暮らした大好きなお兄ちゃんだった~

星キラリ

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chapter13 スーパーシャイボーイ

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明美がトイレで席を立った時に
兄と二人っきりになったジェニは兄に聞いた



「本気なの?明美さんのこと!」



ジェニは切り出した

兄は怪訝そうに目を細め
ジェニを見た




「ああ・・本気だ・・
俺はあの子を愛している」





驚いたことにいつも怒りっぽい兄が
穏やかな顔で言った

 

「いや・・・もっと良い事だな
彼女が俺のことを愛しているんだ
このゲームしか取り柄のない男を・・・・
明美は俺がどこの大学へ行ったとか
どれぐらい金を稼ぐとか、何人部下がいるとか
エグゼクティブ専用の会員だとかそんなこと
は関係ないんだ 」




明美のことを語っている兄の表情は
とても穏やかだった
ジェニは兄にこんな顔をさせている明美を
凄いと思った




「あの子はそんなことこれっぽっちも気にしない
明美が興味を示すのは
俺がどのゲームを好きかとか
チョコレートフォンデュでどの具が好きかとか
そういうことなんだ
明美は俺が金がないことも
金を稼ぐ当てがないことも知っている
それなのに俺の事を軽蔑しないんだ 
あいつが俺を好きになった理由を知ってるか?」



「ううん・・・・ 」




「牛乳アレルギーでぶっ倒れた俺をみて
面白かったんだとよ
あいつはカリスマキャバ嬢だった
アイツのお客はみんな億を稼ぐ社長ばかりだった
実際にあいつも数千万稼いでキャバを引退した 」





豊ちゃんがやりたいことを見つけるまであたいが
食べさせてあげるの・・・・




ジェニは明美の言った言葉を思い出していた
彼女の言った言葉は真実だったのだ





「そんな子が俺のそばで笑ってくれているなんて
俺にとっては奇跡みたいなものなんだ
俺はあの子を幸せにしてやりたい
そのために・・・・今色々考えている」




兄は顔をあげたところで
やたら感傷的になっているのに
気づいたらしく真顔に戻った




「お前に俺を説教する権利はないぞ!ジェニ!
竜馬とよろしくやってるんだからな!」



「分かってるわよ・・・・ 」




しばらく無言のあとこれで最後だとばかりに
兄が話し始めた




「明美の姿勢がすごく好きなんだ
あいつ・・常にゆったり構えてるだろ?
俺にもあーしろ、こーしろなんて指図しないんだ
あなたがそれでよかったらいいんじゃない?
好きにすれば?って感じだ
自分に起こることすべて
たとえ刑務所にぶち込まれたって
これも良い経験だって受け止めるんだ
くよくよ悩んだりしない女なんだ
お前には悪かったと思ってる・・・・
これからの俺を見ててくれ・・・・」






ジェニもここ数日明美と付き合って
兄の言わんとしていることがよくわかった




ただ・・・・
今まで気づかなかったのは
兄がどれほど明美のような人を
求めていたかってことだ





お会計で明美がアメックスのグレードの高い
カードを出していた

たしかに明美はお金には困っていないらしい





「あの・・・・ありがとう・・・
ご馳走してくれて・・・  」




明美が入り口に立って
じっとジェニを見つめた




「それと・・・・
今まで兄がお世話になって感謝しているわ
よかったら・・・これからも兄の
傍にいてあげてくれる?  」




明美の少し切れ長の目が笑ったような気がした


そして
「別にかまわないわよ」とばかりに
彼女は肩をすくめた





こうして奇妙な三人の同居生活が始まった





夜中にジェニがお水を飲みに
キッチンに降りて行くと
リビングのソファーで豊と明美が抱き合っていた


二人はお互いの唇を吸うのに忙しく
ちっともこっちの気配に気づかない






そんな時ジェニは心の中で叫び
月に向かってドラミングをしたい気分になるのだった








「私だって竜馬さんとキスしたい
竜馬さーーーーーーーーーーん!!」





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