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chapter13 スーパーシャイボーイ
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しおりを挟む「兄は?どこにいるのよ?」
「職探し、きっと見つからないけど 」
ジェニは怒りにまゆ根を寄せた
「何の職を探しているっていうのよ?
兄は神崎広告代理店の社長なのよ!
他のみんながどれほど苦労したか―」
「知っているよ!
でもメビウスはフェロモンの会社でしょ?
あんたもわかってるんでしょ?
役員のおかげで豊ちゃんが酷い目にあったことも
それをまだ引きずっていておかしくなってることも」
明美は真顔で答えた
「・・・・兄から何を聞いたのよ!」
「何もかもだよ
あたい達の間には隠し事は無いの」
ジェニは明美のキャバドレスの中から
一応シックな装いのドレスをマジマジと見つめた
「じゃぁ・・
あなたのクラブに兄が遊んで通いつめて
あなたを落としたっていうのね!
まったくその時は会社が大変だってのに
バカなんじゃない?」
そしてそのドレスを放りだした
やっぱり自分の服から選ぼう
「違うよ!豊ちゃんが来たのは一回きり
常連は役員連中だよ彼らに渋々連れられて来たって感じだったな」
明美はうっとりと
その時を思い出しているようだった
ジェニは三か月前に合同会社プレゼンで着た
パールの襟の紺のワンピースを着て鏡に立った
「どう?」
ジェニが明美に聞く
「まるで授業参観の母親ね!
そんなんじゃフェロモンを落とせそうにないわね」
「兄が来たのが一回きりってそれじゃあなた達
一目ぼれでもしたっていうの?」
「それに近いかな・・・
でもその時の豊ちゃんったら
ブスッとしちゃって女の子誰ともしゃべらなかったの」
明美は言った
「なんでそれで一目ぼれするのよ?
兄は決して見た目よくないわ 」
明美がクスクス笑っている
何が面白いのだろう
「そしたら豊ちゃんが倒れたんだ」
ジェニは目をパチクリさせた
「ええ?倒れた?なんで?」
「豊ちゃんは間違えて自分のグラスの横にある
私のカルーアミルクを飲んだの
あれはお酒を牛乳で割ってるんだ」
明美が平然と答える
「そしたらアレルギー反応が激しく出過ぎて
顔が膨れ上がって息ができなくなって
それであたいが救急車を呼んで
病院に連れて行ってあげたの」
ジェニは明美の肩をつかんで揺さぶりたくなった
「あのバカ!兄さんは牛乳アレルギーなのよ
自分でもわかってるくせに
忘れたっていうの?」
明美は肩をすくめた
「飲んでから思い出したんじゃない?」
「兄さんは10歳の時の死にかけた
夏休みの事件を忘れてたっていうの?」
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