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chapter12 愛が止まらない
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しおりを挟む「とんだお騒がせね・・・私・・・」
「君は死ぬところだったんだぞ
彼らは僕達に訴訟を起こさないでほしいんだよ
でもそれなりのことはキチンとしてもらうつもりだ」
リードしてくれる男性は素敵だ
まぁ時と場合によるけど
今のジェニには「こうしろ」と
命じてくれる人が必要だった
竜馬はジェニをキツク抱きしめた
また涙が頬を伝う
「ああ・・・無事でよかった
まったく水に浸かっている君を見た時は
生きた心地がしなかった」
「竜馬さん!竜馬さん!
助けに来てくれて嬉しい・・・」
竜馬はジェニをきつく抱き寄せキスをした
二人は何処か土とエレベーターの中の
水の匂いがした
ジェニは夢中で彼のキスに応え
あの時エレベーターの中で感じた苦痛・・・悲しみ
絶望などのあらゆる感情が全身に押し寄せ
キスをしながら泣き続けた
彼は水で濡れたクシャクシャの髪の毛を
両手で後ろに束ね
ジェニの顔をマジマジと見つめた
真っ暗闇の中から車内の明るい場所で
見られて急にジェニは恥ずかしくなった
「あ・・・・あの・・・・
あんまり見ないで・・・
お化粧もとれてグシャグシャだし・・・・
ソバカスも・・・・ 」
「君のソバカスが大好きだよ」
竜馬の言葉にハッとしジッと彼を見つめた
彼は優しい声で続けた
「君を愛している・・・ジェニ
僕と付き合ってくれ 」
ジェニが問いかけるように見つめる
「で・・・でも・・・・
あなたは伊藤さんと・・・ 」
「彼女とは婚約を解消した
僕は堅物でつまらないそうだ」
二ヤッと笑った
彼はジェニの手を取り手のひらを優しく撫でた
「彼女のおじいさんには
多大な借りがあってね・・・
僕は彼に恩返しするには
孫の彼女と結婚して幸せにすることだと思っていた
でも・・・・
彼女のおじいさんには違う形で恩返しすれば
いいかと今は思っている」
竜馬は両手で優しくジェニの頬を包みこみ
その瞳を覗き込んだ
「ソバカスに・・・
茶色くてこぼれ落ちそうなぐらい大きな瞳の女性に
心を奪われたままでは誰とも結婚できない」
ジェニは手で口をおおった
それって・・・・わたしのこと?
「君は自由で・・・型にはまらない
予測がつかない人生を自力で歩んでいる
僕が君を幸せにしてあげられるかどうかわからない
僕は・・・・堅物で退屈な男だから・・・」
ジェニはハタと見つめた
ずぶ濡れで髪もくしゃくしゃで
濡れねずみのようになっているのに
ほほ笑むその顔はとびきりハンサムで
ジェニを狂おしいほど
燃え上がらせるこの男性を
「あ・・・あなたは堅物なんかじゃないわ・・・
そりゃちょっとそんな所もあるけど・・・
私が今まで出会った中で一番素敵な男性よ」
また彼がハハッと笑った
「お世辞でもうれしいよ 」
彼は本気にしていない
あとで嫌と言うほどわからせてあげないと
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