274 / 700
chapter12 愛が止まらない
14
しおりを挟む
「さきほどお伺いしていた
メビウス広告マーケティング部の神崎ジェニです!
い・・今地下駐車場へ続くエレベーターの中に
一人で閉じ込められています!
み・・水が中に入ってきているの!
お願いだから私がここにいることを
誰かに知らせてください」
彼女の名刺をもらうか携帯番号を
聞いておけばよかった
なんたる失態
「け・・・警備会社って・・・何番? 」
パネルに表示してある電話番号を
震える指で打ち込む
水はもうくるぶしまで来ている
浸水する速度が速い
無駄な抵抗だと知りながら
なんとか片足ずつ立ってみる
警備会社はずっと呼び出し音が鳴っている
留守番サービスにも切り替わらない
らちがあかないのでもう一度和菓子会社に電話して
留守番サービスにこのエレベーターに
閉じ込められている旨を伝える
お願い・・・誰かがこの
メッセージを聞いてくれますように
スマホの充電が切れる警告の赤いアイコンが灯っている
こうなったら今のうちに打てる手は打たないと
lineアプリを開くとエレベーターの中は圏外だった
チッとジェニは舌打ちし
混乱で視界がぼやけ二重になるなか
水の音だけがあたりに響いている
「ひ・・・ひゃくとうばん?119?どっち?」
どちらともかけて見た
「・・・現在通話が集中して
非常にかかりにくくなっています・・
暫くしてから・・・ 」
「暫くってどのくらいよ!!」
この大雨なのであちこちに災害が起きている
どこも出払っているのだろうか?
ジェニは通話を切り着信履歴を見た
誰か選んでいる暇がなかった
直近で自分がかけた一番上に表示されている
番号にリダイアルする
プツッ・・・
「浜田です・・・ 」
繋がった!!
プププッと充電がいよいよ無くなっていることを
知らせるビーブ音が鳴る
水が足首まで上がってくると
これ以上冷静なふりを続けることなどできなかった
「そ・・・・宗一郎さん!ジェニです!!
た・・助けて!! 」
「どうした?」
やっと一人の世界から外界に繋がれた安心感から
舌がもつれる
「い・・・
今ビルのエレベーターの中にいるんだけど
と・・閉じ込められたのっっ!
水が中に入って来てるのよ!
さっきまで爪先が濡れる程度だったのだけど
今はふくらはぎまで水がきてて!私は一人で・・
ドアは開かなくて、くっ暗くて・・・
誰も来てくれなくてっっ―― 」
支離滅裂なジェニの説明に
彼はたたみかけるように言った
「どこにいるんだ?」
「八幡中町のグランドセンチュリービルよ
新規のお客さんなの!
宗一郎さん!!聞いてる?」
そこでまた充電が切れるビーブ音が鳴った
ジェニが悲鳴を上げた
「もう一度住所を言え」
ポンッ
宗一郎のスマホの画面録音の合図の通知が鳴った
「八幡中町二丁目のグランドセンチュリービルの
エレベータ―の中よ!!
閉じ込められたの!
地下駐車場が浸水してて
エレベータ―に水が入って来てて―― 」
ブツッと言う音と共にあたりが真っ暗になった
ジェニはスマホをパシパシ叩いた
「キャァ!!!
うそでしょ!!宗一郎さん!宗一郎さーーーーん!
沈黙と水が流れる音だけが広がる
充電が切れて死んだスマートフォンを握りしめて
ジェニはヒステリーを起こして叫んだ
メビウス広告マーケティング部の神崎ジェニです!
い・・今地下駐車場へ続くエレベーターの中に
一人で閉じ込められています!
み・・水が中に入ってきているの!
お願いだから私がここにいることを
誰かに知らせてください」
彼女の名刺をもらうか携帯番号を
聞いておけばよかった
なんたる失態
「け・・・警備会社って・・・何番? 」
パネルに表示してある電話番号を
震える指で打ち込む
水はもうくるぶしまで来ている
浸水する速度が速い
無駄な抵抗だと知りながら
なんとか片足ずつ立ってみる
警備会社はずっと呼び出し音が鳴っている
留守番サービスにも切り替わらない
らちがあかないのでもう一度和菓子会社に電話して
留守番サービスにこのエレベーターに
閉じ込められている旨を伝える
お願い・・・誰かがこの
メッセージを聞いてくれますように
スマホの充電が切れる警告の赤いアイコンが灯っている
こうなったら今のうちに打てる手は打たないと
lineアプリを開くとエレベーターの中は圏外だった
チッとジェニは舌打ちし
混乱で視界がぼやけ二重になるなか
水の音だけがあたりに響いている
「ひ・・・ひゃくとうばん?119?どっち?」
どちらともかけて見た
「・・・現在通話が集中して
非常にかかりにくくなっています・・
暫くしてから・・・ 」
「暫くってどのくらいよ!!」
この大雨なのであちこちに災害が起きている
どこも出払っているのだろうか?
ジェニは通話を切り着信履歴を見た
誰か選んでいる暇がなかった
直近で自分がかけた一番上に表示されている
番号にリダイアルする
プツッ・・・
「浜田です・・・ 」
繋がった!!
プププッと充電がいよいよ無くなっていることを
知らせるビーブ音が鳴る
水が足首まで上がってくると
これ以上冷静なふりを続けることなどできなかった
「そ・・・・宗一郎さん!ジェニです!!
た・・助けて!! 」
「どうした?」
やっと一人の世界から外界に繋がれた安心感から
舌がもつれる
「い・・・
今ビルのエレベーターの中にいるんだけど
と・・閉じ込められたのっっ!
水が中に入って来てるのよ!
さっきまで爪先が濡れる程度だったのだけど
今はふくらはぎまで水がきてて!私は一人で・・
ドアは開かなくて、くっ暗くて・・・
誰も来てくれなくてっっ―― 」
支離滅裂なジェニの説明に
彼はたたみかけるように言った
「どこにいるんだ?」
「八幡中町のグランドセンチュリービルよ
新規のお客さんなの!
宗一郎さん!!聞いてる?」
そこでまた充電が切れるビーブ音が鳴った
ジェニが悲鳴を上げた
「もう一度住所を言え」
ポンッ
宗一郎のスマホの画面録音の合図の通知が鳴った
「八幡中町二丁目のグランドセンチュリービルの
エレベータ―の中よ!!
閉じ込められたの!
地下駐車場が浸水してて
エレベータ―に水が入って来てて―― 」
ブツッと言う音と共にあたりが真っ暗になった
ジェニはスマホをパシパシ叩いた
「キャァ!!!
うそでしょ!!宗一郎さん!宗一郎さーーーーん!
沈黙と水が流れる音だけが広がる
充電が切れて死んだスマートフォンを握りしめて
ジェニはヒステリーを起こして叫んだ
10
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
タイプではありませんが
雪本 風香
恋愛
彼氏に振られたばかりの山下楓に告白してきた男性は同期の星野だった。
顔もいい、性格もいい星野。
だけど楓は断る。
「タイプじゃない」と。
「タイプじゃないかもしれんけどさ。少しだけ俺のことをみてよ。……な、頼むよ」
懇願する星野に、楓はしぶしぶ付き合うことにしたのだ。
星野の3カ月間の恋愛アピールに。
好きよ、好きよと言われる男性に少しずつ心を動かされる女の子の焦れったい恋愛の話です。
※体の関係は10章以降になります。
※ムーンライトノベルズ様、エブリスタ様にも投稿しています。
鬼上官と、深夜のオフィス
99
恋愛
「このままでは女としての潤いがないまま、生涯を終えてしまうのではないか。」
間もなく30歳となる私は、そんな焦燥感に駆られて婚活アプリを使ってデートの約束を取り付けた。
けれどある日の残業中、アプリを操作しているところを会社の同僚の「鬼上官」こと佐久間君に見られてしまい……?
「婚活アプリで相手を探すくらいだったら、俺を相手にすりゃいい話じゃないですか。」
鬼上官な同僚に翻弄される、深夜のオフィスでの出来事。
※性的な事柄をモチーフとしていますが
その描写は薄いです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
冷徹上司の、甘い秘密。
青花美来
恋愛
うちの冷徹上司は、何故か私にだけ甘い。
「頼む。……この事は誰にも言わないでくれ」
「別に誰も気にしませんよ?」
「いや俺が気にする」
ひょんなことから、課長の秘密を知ってしまいました。
※同作品の全年齢対象のものを他サイト様にて公開、完結しております。
昨日、課長に抱かれました
美凪ましろ
恋愛
金曜の夜。一人で寂しく残業をしていると、課長にお食事に誘われた! 会社では強面(でもイケメン)の課長。お寿司屋で会話が弾んでいたはずが。翌朝。気がつけば見知らぬ部屋のベッドのうえで――!? 『課長とのワンナイトラブ』がテーマ(しかしワンナイトでは済まない)。
どっきどきの告白やベッドシーンなどもあります。
性描写を含む話には*マークをつけています。
お見合い相手はお医者さん!ゆっくり触れる指先は私を狂わせる。
すずなり。
恋愛
母に仕組まれた『お見合い』。非の打ち所がない相手には言えない秘密が私にはあった。「俺なら・・・守れる。」終わらせてくれる気のない相手に・・私は折れるしかない!?
「こんな溢れさせて・・・期待した・・?」
(こんなの・・・初めてっ・・!)
ぐずぐずに溶かされる夜。
焦らされ・・焦らされ・・・早く欲しくてたまらない気持ちにさせられる。
「うぁ・・・気持ちイイっ・・!」
「いぁぁっ!・・あぁっ・・!」
何度登りつめても終わらない。
終わるのは・・・私が気を失う時だった。
ーーーーーーーーーー
「・・・赤ちゃん・・?」
「堕ろすよな?」
「私は産みたい。」
「医者として許可はできない・・!」
食い違う想い。
「でも・・・」
※お話はすべて想像の世界です。出てくる病名、治療法、薬など、現実世界とはなんら関係ありません。
※ただただ楽しんでいただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
それでは、お楽しみください。
【初回完結日2020.05.25】
【修正開始2023.05.08】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる