【R18】堅物敏腕ボスと初恋の君の運命的な再会~父の会社を買収した憎いアイツは幼い頃に一緒に暮らした大好きなお兄ちゃんだった~

星キラリ

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chapter12 愛が止まらない

12

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・・・・



信じられない事に真っ暗闇の中
どこか近くで蛇口を捻ったように
ザァーザァー水が流れている音がする




ハァ・・ハァ・・・
「お・・・・落ち着いて・・・
慌てたって何も良い事ないんだから・・・
そ・・・そうよ・・・
非常ボタン・・・    」




こういう所には必ず緊急連絡の
電話か呼び出しボタンがあるはずだ




パニックを起こさないように懸命に自分に言い聞かせ
カバンを肩にかけ壁づたいに蜘蛛のように体を摺り寄せ
ボタンパネルまで来た





「こ・・・ここを押せば・・・
すぐに誰か来てくれるんだからっっ!」





あえて大声で言って
自分を勇気づけた



真っ暗なので何とか手探りで壁に埋まった
非常ボタンをぐっと押した



・・・何も起こらない




「ちょっと!どういうこと?」




ジェニは何回も非常ボタンを押し
そしてもう全部のボタンを押した
何も反応がないボタンパネルをグーで殴った




閉所恐怖症ではないが
トラウマには十分なりそうだ
心臓のドキドキが耳まで聞こえる




さらに深呼吸をしてカバンの中を漁り
スマートフォンを取り出した



充電が3%だがすぐに
画面の光でエレベーターを見回した





しかし・・・
その時冷たい何かがつま先に当たった





それはすぐにジェニのパンプスに侵入してきた
ジェニは足もとをスマホで照らして
再び悲鳴をあげた




エレベータ―の中に水が浸入してきてた
水はあっという間にジェニのパンプスを呑みこみ
今では水がくるぶしまで来ていた





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