【R18】堅物敏腕ボスと初恋の君の運命的な再会~父の会社を買収した憎いアイツは幼い頃に一緒に暮らした大好きなお兄ちゃんだった~

星キラリ

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chapter12 愛が止まらない

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ジェニは愛車「鈴木君」を運転しながら
今日のアリスのファッションを
思い出していた



フリルリボンタイ付のブラウスにシャネルの
フレアスカート・・・・



高価なブランドを身に着けているが
嫌味は無く洗練されてとても
気品も溢れている


ハッキリ言って彼女はとても可愛らしい
それに性格もとても良くて素敵な人だ


社長である彼の婚約者なのに
少しも偉ぶる所もなくなんだか毎日一生懸命に
仕事を覚えようとしてくれている




ジェニはアリスに好感を持っていた
もう少し一緒に働くと
きっと彼女を好きになるだろう


だから余計に彼にした自分の行為は
恥ずかしく思えた



彼と二人で過ごしたあの素敵な夜を思い出す
そしていくらジェニが迫っても
彼が最後までしてくれなかったのもこれで納得がいく





アリスちんのような女性が
竜馬さんにはお似合いだ
*゚..:。:.   .:*゚:.。




セックスはしていなくても
彼とあれほど親密な夜を過ごしてから厄介な事に
ジェニは日々彼を恋しく思う心と闘っていた
 

どうやったら彼を忘れられるかわからなかった



しかしあんな可愛らしい婚約者を見てしまった今は
二度と彼とそんな関係になることはないと思った


自分は完全に負けているし
彼が自分を選んでくれるなんて考えられない



それでも今まで出会って来た
どんな男性の事を考えても彼と比べてしまう
そして結局誰も竜馬の代わりにはなれないと悟るのだ


このまま一人で生きていくことがひとつの
選択肢だとすれば


他にどんな選択があるだろう
竜馬の次に好きな人を作って
なんとかそれで満足すること?


そいうのって相手にも失礼ではないだろうか


でもきっと誰かいるはずだ
彼を忘れさせてくれる人が


傷つくのを恐れているうちは
恋人は見つけられないだろう
誰かを愛すれば当然のように
拒絶や裏切りや失恋もついてくるはずだ
  



ジェニは大きくため息をついた
  

自分だって以前は「お嬢様」と呼ばれていた
父が亡くなるまでは


父のことは愛していた
父に喜んでもらえることはなんでもした


兄は愛する人というか幼い頃から
一緒に暮らした(人)という感じだった


兄は一人の世界に閉じこもっているのが
好きな人間だった


部屋にはあらゆるゲーム機があった
放っておくと平気で3日も4日も
食事をしないでゲームに没頭するような人だった


なので
仕事で忙しい父の変わりに兄の面倒を
見るのが必然になった


そもそも自分には愛がどういうものか
わかっていなかった
だけど人が誰かを愛していると思う時


それが本物の愛かどうかなんて
どうすればわかるのだろう?




フと幼い記憶がよみがえって来た




たしか父や兄以外に自分には
もう一人年上で親しみを持っていた男性がいたはず・・・


父や兄に代わって無償の愛を注いでくれた存在が・・・




誰だった?
それとも私の思い違い?




信号待ちで何かを思い出しかけた
でも次にクライアントからの電話が鳴って
しゃべったらもうジェニはその事を忘れてしまっていた



夏の夕暮れは少しづつ秋を迎えるように早くなっていた



ジェニが得意先の会社についた頃にはあたりは暗く
どんよりとした雲で月は見えなかった





ジェニは空を仰いだ








竜馬さんを諦めよう・・・・・
*゚..:。:.   .:*゚:.。






そして息を吸って目を閉じた





きれいさっぱり忘れよう・・・・・
*゚..:。:.   .:*゚:.。










それから三日間雨が降り続いた






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