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chapter11 I NEED YOU

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【メビウス広告マーケティング部オフィス】





書き終えた企画書を読み直したジェニは
内容にまったく筋が通っていない事に愕然とした



昨日の夜から朝にかけて
彼と過ごした場面がポラロイドのように
カシャカシャ脳裏に溢れて
まったく仕事に集中できずにいる



今朝彼の隣で目覚めた時の記憶が
ぐるぐる回っているし

彼の腕はジェニに巻き付き
寝ている間も彼にホールドされていた



タワマンの窓から見える昇りたての朝日から
放たれた光がネイビー色のシーツに
横たわるブロンズ色の彼の肉体を
照らし出していた



長めの前髪が顔にかかり
眠っている時の彼は息を呑むほど美しかった



もちろん起きているときだって悪くない




彼にあんな所を舐められて
あんなことをされて・・・
私はあんなことを彼にして



彼の感じている顔は
どんな映画スターよりセクシーで




立ち上がって伸びをしようとしたが
立つのが早すぎたらしい
頭から血の気が引いてめまいがした


ずっと吸われていた唇はジンジンしているし


股間はどんな座り方をしても
どれほど考えないようにしても
この感覚からなんだか逃れられない




なのに男性とあそこまで親密な事をして
なぜか私は今だバージンのままだ




バカなんだろうか?






今度いつ彼は私とセックスするつもりなのだろうか



それとももうしてくれるつもりはないのかな?




う~ん・・・わからない・・・・
私はこのまま一生寸止めバージンなのだろうか?





恋愛経験値ゼロのジェニはこういう時の
スキルは持ち合わせていない
そしてこんな事誰にも相談できない



だって自分は高校を卒業して
仕事しかしてこなかったから
仕事ならアポイントを断られてからが営業の始まりだ



そこで夕べのスマホの着信履歴を眺め
メビウスの財務部長で真紀の旦那の
浜田宗一郎からのメッセージを初めて聞いた



いけない!
彼に損益計算書を提出しなければいけないのを
忘れていた!


ジェニはパンパンと頬を叩いた
私にはやらねばならない事があるんだから!


そう言い聞かせて宗一郎のいる
社長オフィス階の財務部に向かった



宗一郎はやり手の財務部長だ
初めは敵だと思っていた彼は
今や同じ会社を成長させる同士と
思えばとても心強い味方だ





そして今では彼は神崎の会社を
実質的に引っ張っていたのが
ジェニだとキチンと理解していくれているし




たしかに今までの神崎の経営姿勢にプロ意識
があまり感じられていなかったことも




丁寧な彼の指導の元でジェニは理解し
メビウスの経営理念にも賛同していた





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