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chapter10 寂しいジュリエット
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しおりを挟む「よし・・・・大丈夫だろ?」
竜馬の目にはいつものしかめっ面ではなく
さっきのレストランでリラックスしていた
彼の時の様に楽しげな輝きがあった
ジェニは後部シートにまたがり
掴まる所はないかとキョロキョロ探る
「どこにつかまればいいの?」
「僕だ」
なんて適切なのだろう
「あ・・あの・・・・
やっぱりタクシーで帰るわ・・・
電車もまだある時間だし・・・ 」
「もう遅い」
竜馬はミラーにかけてあった
フルフェイスのヘルメットを取った
「試してみないとわからないだろう?
意外に気に入るかもしれないぞ」
そう言う彼にスポっと青いヘルメットを被せられた
そしてボディに釣ってあったもう一つの
黒いヘルメットを被った彼は
轟音と共にエンジンをかけた
途端にジェニの心臓がドキドキ言い出した
思わず彼の腰に手を回し
振り落とされないようにつかまろうと
前方にすり寄った
走り出したら話せなくなるだろうからと
ジェニはバシンッとヘルメットのサンバイザーを
上げて身を乗り出し
バイクのエンジンにかき消されないように
大声を張り上げた
「ちょっとあなた!
シャンパン飲んでたんじゃない?」
竜馬が振り向き自分のヘルメットの
サンバイザーを上げて大声で言った
「グラスに注いだだけだ
あれを空けないとカッコつかなかっただろう?」
そういえば彼はシャンパンには口をつけず
食事の時も水を飲んでいた事を思い出した
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