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chapter10 寂しいジュリエット

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しかしメビウスは良い買い手企業だった


給料や福利厚生など今までの役員の
取り分が ないだけに純利益から
社員の能力に見合った人件費が新たに予算組みされ




メビウスの傘下に入れたことは結果的には
良い人材しか残らない快適な職場環境になった
 



株式譲渡を実施したメビウスは
株式の過半数を取得しているため
株主総会の決議により
神崎広告代理店の役員連中を全員解任した
  



そして会社に残るにしても新たにメビウスとの
厳しい雇用契約を結ばされるため
役員達は妥当な勤続年数分の
退職金を手にし退職した




竜馬が率いるメビウスはそれだけの
資金力がある優良企業だった



正直ジェニの手を持て余していた社員の三浦も
結局は良い形で自主退職した





 
みんな彼のおかげだ

   



 
今では認めざるを得ない
鬼の首きり屋と呼ばれて恐れられていた
松下竜馬は実は良い経営者だ
 

今では神崎の従業員のボーナスもUPし
ジェニも働きに見合った給料をもらっているし
快適な環境の中で仕事が出来て
ジェニ自身も責任が軽くなった





そんな事に比べたら
自分にはデートする相手がいないなど些細な問題だ





けれども運命の女神がジェニの恋愛面で
ひとつふたつご褒美をくれるというのなら
ぜひともお願いしたいなと思った
特に親友二人に素敵な相手がみつかったこの頃は







「あっ!・・・・流れ星・・・・ 」






綺麗な夜景の頭上にキラキラ輝く
星空を眺めていると
一つの光の筋が走った


 

ジェニはすかさずさっと両手を前に組んで
目を閉じて願い事をした





手を組む早さに必死さを我ながら感じた


 











神様・・・・・お願いします・・・
:*゚..:。:.   .:*゚:.。







背が高くて、ハンサムで、私にだけ優しくて、
お金持ちで、ファッションセンスが良くて・・・





できれば・・・・
ここが一番大事です





27歳で処・女・の私を
気持ち悪がったり笑ったりしない人で・・・
 






そんな素敵な恋人を
私の目の前にお与えくださいますように・・・・
:*゚..:。:.   .:*゚:.。












:*゚..:。:.   










    .:*゚:.。



























「靴フェチ野郎は来なかったのか?」





その声に驚いてジェニはハッと目を開けた



なんと目の前に松下竜馬が
夜景を背負って座っていた





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