【R18】堅物敏腕ボスと初恋の君の運命的な再会~父の会社を買収した憎いアイツは幼い頃に一緒に暮らした大好きなお兄ちゃんだった~

星キラリ

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chapter9 がむしゃらロミオ

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竜馬はザッとジェニの資料を流し読んだ
そして三浦のここ半年の営業成績に目が止まった



「君がこれほど利益向上に頑張っているのに
彼の営業成績から見て
それほどいいヤツとは思えないんだが?」




竜馬にじっと見つめられ
ジェニは沈黙に耐えかねて言った





「それは・・・その・・・
これからだと思います・・
あなたは会社の収支しか見ていないかもしれないけど
私は人々の生活と家族を見ているの 」




「結果的に会社の収支が人々の生活と家族に
影響するんだぞ 」



「それはそうですけど!」





ジェニはムッとして言った





「いくら僕でも人員削減チームの決定した
事項を簡単に撤回することは出来ないよ
彼らの仕事を信頼していない事になる
この書類をチームに提出しておこう
タイムリミットだ
君の割り当て時間は過ぎた 」





彼はファイルを持って立ち上がり
早くもドアへ向かっていく
ジェニは慌ててタブレットをブリーフケースに押し込み
小走りで彼の後をついて行った
胃がキリキリする





「それじゃ困るんです!
あなたには発言権がおありじゃないですか!
あなたが一言おっしゃってくださればいいんです
せめてあと3ヶ月彼に猶予を下さい!
彼は先月子供が生まれたばかりなんです」



「だったら尚更頑張るべきだろう」



二人はジムから彼のオフィスへまでエレベーターに乗った
ジェニはさっきまで彼の視線を一身に浴びていたのに
今ではオフィスの一部になった気分だった




彼は艶消しの金属パネルにもたれて
スマートフォンを巧みに使い
目の前のことにすっかり集中している



エレベーターのドアが静かに開いても
竜馬はスマホから目を上げただけだった



彼の髪はすっかり乾いていて
さっきまで重いバーベルをかち上げていた
野性的な男性はすっかり消え

都会的で洗練された大会社のクールなCEOが現れた




竜馬のオフィスの階にエレベーターが開き
ズンズン歩く竜馬に最後の一撃ができないか
ジェニは必死で考え彼に着いて行った








その時社長オフィス前で誰かが大声をはり上げて
いるのが聞こえた





「あいつは俺達の生活をめちゃくちゃに
するつもりなんだ!
首切り社長をここへ出せ!」







ジェニは驚いてその場に固まった
叫んでいるのは三浦だった









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