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chapter9 がむしゃらロミオ

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:*゚..:。:.   





樫木の床にパンプスがコツコツと響くのを
竜馬は黙って聞いていた




鏡越しにジェニが入って来たのが
映ったのを見て竜馬は心底驚いた



いったいどうやって入って来たのだろう?






だが冷静なフリをしてトレーニングを続けた




そして近づいて来るタイミングに合わせて
威嚇するようにバーベルをどさっとマットに落とした
案の定ジェニは仰天して飛び上がった


 


彼がゆっくりと振り向くなり
ジェニは目を丸くして足と息を止めた




口から心臓が飛び出そうだ
急に何も考えられなくなり
頭の中に濃い霧がかかったみたいだ
今の彼はジェニの知っているクールな彼ではなく




髪はボサボサで
息を荒げ・・・・
頬を染め・・・
シャワーを浴びたような汗まみれの彼は・・・




なんていうか・・・・・

こんなことを男性に思うのは
おかしいのかもしれないが
美しいと思った




筋肉質なのにしなやかな体・・・




髪をセットしていなかったら
こんなに前髪が長いの?



ビショビショの無造作の前髪が
目をチラチラ隠している
とてもセクシーだ



今彼を道端に放り投げると
きっと彼に見とれて街灯にぶつかる女性が
後を絶たないだろう





「あ・・あの松下社長・・・・」





ジェニはあわててとりとめもなく話し始めた





「うちの三浦の解雇を取り下げて頂きたいんです
彼は父の代から一緒に働いて来た
それは良い人で
今彼を辞めさせられたら困ります」







彼は激しいトレーニングに荒い息をハァハァ整え
じーっと無言でジェニを見つめ
一人で来たのか?と周囲を見回した





ハァ・・・ハァ・・
「・・三浦?・・・・・・・」





「ここには私の意思で来ました
失礼ですがどこかに腰を下ろして
この神崎の利益シュミレーション資料を見ていただけませんか?」
  



ジェニはキョロキョロあたりを見渡した
腰を下ろして資料を見てもらえる所はなさそうだ
ジムなのだから当たり前だろう



必要ならばトレッドミルの上で彼の隣で
一緒に走って熱弁してもいい





まただわ・・・・・

また竜馬があの目つきでじっとジェニを見る
じーっと見つめてくる




ジェニも思わず彼を見つめてしまう・・・・・






脚の長さや胸板の厚さ・・・・



そしてなんともすごい肩幅の広さを
確かめずにいられなかった






そう・・・
この手でつかみきれないほど
大きく、厚く、逞しい肩に・・・

思わずあの肩にしがみついたらどんな感じが
するのだろうと想像してしまう



そしてしかめっ面をしていてもハンサムな顔






ハァハァ苦しそうに息を荒げ
汗だくの彼はしゃべるのも辛そうに見える




そしてそれが・・・・
あ・の・時・の後を
思わず想像させる・・・




まるで女性と激しく愛を交わした直後のような・・・




って・・・・
何考えているのよ!あたし!




ジェニは心の中で自分を殴りたくなった








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