【R18】堅物敏腕ボスと初恋の君の運命的な再会~父の会社を買収した憎いアイツは幼い頃に一緒に暮らした大好きなお兄ちゃんだった~

星キラリ

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chapter8 チェリボーイの卒業式

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・・・



「今夜は竜ちゃんのご両親の命日なんだ
毎年のことなんだけど

僕の家族と墓参りに行って夕食を取って・・・
竜ちゃんのご両親が交通事故に遭った日に
竜ちゃんが一人で過ごすことがないように・・・
だから今夜はそっちに行けないけど
食事が終わったら電話してもいいかな?」




花の金曜日の夜藤子はスマートフォンを握りしめ
うなずきながら言った

 

「もちろんよ」




今夜は一人で過ごすのも悪くない
なんせ韓国から帰ってから彼は
毎日のように藤子の家に来ていたからだ



「今夜はあなたのご家族と過ごして
そんな日も大切よ
明日うちに来ればいいわ 」





詳しくは聞いていないが
メビウスの社長はご両親を高校生の時に亡くしたそうだ


従兄弟と言えども文也にしたら
彼は兄のような存在なんだろう



「僕がいないから今夜は羽を伸ばそうと思っているんだろう」



「あら!どうしてわかったの?」





クスクス笑いながら彼がいないベッドで
今夜一人で過ごすのは寂しいだろうなと思った


でも考えることは沢山ある


 

「あなたのバカ高い腕時計と汗拭きシート
忘れているわよ」



「実は人質にわざと置いてるんだ
時計はいらないけど汗拭きシートだけは
返してほしい
サラリーマンの真夏の長袖ワイシャツは
脇汗が地獄事情を
2時間ぐらいかけて今度聞かせてあげる 」



クスクス
「それは壮大な物語ね」



「続編もあるよ」




彼のからかうような低い声が大好きだ
彼の電話の声は普段よりワントーン低くなる
それがたまらなくセクシーに聞こえる
男性の声を好きだと思ったのも初めてだった



自分は完全に色ボケしている
たとえ彼があの筋肉モリモリの体で
バニーガールの格好でウサギのカチューシャを
頭に付けていても素敵だと思うだろう

結局の所恋は盲目で彼が何をしても
涎を垂らすのだろう
恋とはそういうものだ



それから暫く彼の冗談攻撃に
藤子はお腹が痛くなるまで笑って

目に涙を溜めながら電話を切る際に
スマホの画面に外国人のように音を立ててキスをした









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