【R18】堅物敏腕ボスと初恋の君の運命的な再会~父の会社を買収した憎いアイツは幼い頃に一緒に暮らした大好きなお兄ちゃんだった~

星キラリ

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chapter8 チェリボーイの卒業式

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藤子は文也達を置いて店を出た
少し足早に二人を追いかけると
ズンズン歩く竜馬にジェニが追いついていた




「社長!クリーニング代をお支払います!
請求書を回してください 」



ズンズンと足を速めていた竜馬が
ピタリと止まってジェニをビシッと指さした




「いいか!社長命令だ!
半径1メートル以内!僕に近づくな!
君がいるとろくなことに巻き込まれない!」



「じ・・・純粋な正当防衛よ
あなたは警告もなしに突然私の背後にいたんだから」




くるりと踵を返し竜馬がまた歩いて行こうとする
その後をまたジェニが追いかける





「必ずクリーニング代をお支払いするわ!
ですから私を疫病神呼ばわりしたこと
撤回してくださいっ!」
 
 

「ついてくるなと言ってるだろう!
次はなんだ?
階段の上から降ってくるのか?」




「そして魂が入れ替わるの?
それもいいわね!
私があなたになったらこの会社の
規則を全部塗り替えてやる!」

 

「そんなことは僕が絶対許さない!」






「ちょ・・・ちょっと!
ジェニ・・・  」




藤子が追いかけているにもかかわらず
二人はギャーギャー言い争いをしながら
風の様に去って行った




「え~っと・・・・・」





藤子はどうしようかと思ったけど
とりあえず自分のオフィスへ戻ることにした


 



「おーい!藤子!」



声のしたほうに振り返ると
営業部の三浦が近づいてくるのが見えた
彼が親指を立てて身振りで背後を示す





「ちょうどそこでコーヒーまみれの社長と
言い争いしてるジェニを見たよ
ジャガーがどうのとかクリーニングが
どうのとか怒鳴り合っていたんだが
なんのことだかさっぱりわからなかった」

 


不思議そうに三浦が肩をすくめてる




「いったい何があったんだ?」




「う~~~ん・・・・
そうね・・・・まだわからないけど・・・・ 」




社長に喧々囂々と噛みつくジェニの頬は
うっすらと赤くなっていた



藤子は笑みを浮かべた


ひょっとしたらジェニの
(バッタリ運命の出会い大作戦)は
必要ないのかもしれない





その時キンコン♪と


藤子のスマホのラインが鳴った
きっと文也だろうと藤子は今見た光景を
文也に教えようと画面を見た








「え?」






藤子はその場に固まった








未読メッセージ
信二 「元気?」








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