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chapter6 あいつは可愛い年下の男の子
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しおりを挟む「あら!人通りが多い所を歩いた方が
安全だって知らないの?
大丈夫よ以前に護身術のお稽古に通っていたの
私こう見えても強いのよ 」
そう明るく言って
キチンと洗った食器を棚に直し
シンクの水回りを拭いて綺麗にしてから
バッグを持って逃げるように
エレベーターに向かった
メビウス住居用正面玄関を抜けると
ムワッと生暖かい湿った夏の
夜の空気が藤子の体を包んだ
藤子は真夜中前のハイブランド店が隣接する
御堂筋をそぞろ歩いた
閉店している「ティファニー」の
巨大なショーウィンドウは
明るいターコイズブルーのライトが蜘蛛の巣の様に
ウィンドウを包みデコレーションのきらめきが
藤子の顔と体をターコイズ色に染めた
藤子はウィンドウに一番近い宝石を見つめた
つい10か月前
世界一ロマンティックな宝石店の
ウィンドウを毎日眺めに来ていた
いつか信二がプレゼントしてくれると
信じ切っていたからだ
「藤子ちゃん!」
ルイヴィトンの巨大なショーウインドウの前で
文也に腕を掴まれた
「あら?あらららら?文也君!」
なんの前触れもなく藤子の左目から涙が溢れ
頬を流れ落ちた
「いやいや・・・藤子ちゃん
それは反則・・・ 」
そう言って文也が藤子を抱きしめた
「泣かせちゃって・・・・
ごめん・・・ 」
この数時間で彼女の明るい笑顔の奥に
傷つきやすい一面があるのを知ってしまった
そして日中は大勢の人に囲まれている
彼女がどれほど孤独かも・・・・
こんなに惹かれる女性も初めてだ
「ごめんなさい・・・
気にしないでコンタクトがずれただけだから・・・ 」
「藤子ちゃんコンタクトなの?」
「違うけど
そこは黙って流してもらったほうがいいわ」
まるで感情が膨れ上がって
止めようとしている自制の壁を突き破って
溢れてくるようだ
「本当に大丈夫だから―」
藤子が文也と自分の間に無理やり
カバンをねじ込み距離をはかった
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