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chapter6 あいつは可愛い年下の男の子

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「SNSは出会い系と同じでみんな
自分の最高の部分を見せようと躍起になっているのよ」



「そうだね・・・・
人と人とのコミニュケーション法も
段々変わって来てるよね
距離から・・・・なんていうか精神的に
繋がれるかどうかって感じで 」




文也もカップを口元に近づけた




「SNSなどを見れば完璧すぎる人ばかりよね
経済的な事や外見的な事・・・
ライフスタイルももちろん
その上にはもっと完璧な人がいて・・・
その人よりさらに完璧な人がいる」




特に最近は友人知人が結婚して
充実している生活や幸せアピールなどを
見てしまった時に虚しさのようなものを感じていた


それを見て自分はずっとこの人達に比べて
何か欠けているような気がする・・・
藤子はそう思っていた




「僕はそんなのを見てると
そいつの最悪な所をみたくなるな」



「誰にでも欠点はあるわ
大切な事は人に完璧を求めるのは
現実的じゃないってことよ」




「君の欠点は何?」



「そうね・・・・・
尽くし過ぎて男性をダメにしてしまう
所かしら・・・ 」





藤子はハッとした
つい本音を言ってしまった
頬を赤くしたまま
なんとか当たり障りのない他の会話の
流れを作りたかった




「ディナーをご馳走になったお礼に
私が洗い物するわね 」





そう言って藤子はキッチンを綺麗に片づけだした
すると文也もキッチンにやってきて
しつこくこちらを見ている




「最後に恋人がいたのはいつ?」



「10か月前よ」



「どうしてその彼氏と別れたの?」






―結婚してくれなかったからよ―







思わず彼にそう言いかけた
もちろんそんなことを話すつもりはない


打算的に結婚がゴールだと思って
彼の年齢の割には子供っぽく未熟な所を
見て見ぬフリしていた



自分の献身が結婚で報われると一生懸命尽くした
あげく安っぽい女を演じてしまっていた
愚かな自分を恥じていた



頬を染めて最後のお皿を拭いていても
彼の視線は藤子の頭の中を覗き込んで
考えを読んでしまったようだ




「ごめん・・・・
嫌な事を聞いてしまって・・・」




と彼は静かに呟いた





「まぁ!謝らないで!
私は全然気にしてないわ
だからあなたは謝ることは何もないのよ
本当にお料理もすっごく美味しかったし―
それじゃ私はこれで 」





文也の顔が曇った




「もう10時過ぎだよ
送って行くよ
こんなに遅く御堂筋を歩くのは危険だ」









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