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chapter4 シングルマザーの初恋

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・・・・・・




キンコン♪
「もう四日も会っていない」





宗一郎からラインが来た
他の男性なら女々しい泣き言に聞こえるが
彼の場合は単なる指摘だった



それは複雑な事情はすべて真紀の側にあった



彼だけではなく大抵の男性はシングルマザーとの
付き合いは一定の距離を置き
慎重になるものだろうけど
彼の場合は違った



デスクの上のノートパソコンと冷蔵庫に
張り付けている保育園の今月の行事予定を見て
真紀はため息をついた




クライアントの納期が3件
麗華の保育園の行事
自分の歯医者の予定
休みの日も、掃除、洗濯、食料や
日用品の買い出し、そこには男性とデートする時間など盛り込めるわけがない





これが現実だ





彼との素晴らしい愛の一夜の夢のような思い出が
こんな風に日常で色あせてくことは
わかっていた




しかし仕事と恋愛を上手く
永遠に分けることはできない
二つの事を同時にこなすのは真紀は得意ではない




麗華が真紀の人生の一部となった今
この子のいない生活はもはや想像がつかない



どう言うわけか真紀はこれから彼と麗華を
近づけないように精いっぱい
努力しなければいけないと思った




ヘンに麗華が彼に懐いたら
後々可哀そうな事になる
彼は結婚や家族を持つつもりはないだろう




誰もが羨む今をときめく
メビウスセクシートリオ(藤子情報)
の財務部長は
きっと恋のお相手もよりどりみどりなはず 


  

片やこちらは赤ん坊を抱えたシングルマザーだ

浅ましく父親を探しているなどと
思われるのは絶対に嫌だった





宗一郎のような男性にとって
「父親」という肩書きはどこか
似合わないような気がした





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