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chapter3 シングルマザーの秘密兵器
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ベビーベッドに近寄ると
例のあの赤ん坊のベビーパウダーの香りがする
宗一郎はその香りを吸い込んだ
途端にあの子を抱きしめていた時の気持ちが蘇った
その時ベビーベットの下にあの子がくわえていた
おしゃぶりが落ちているのを発見した
彼女の電話番号は経歴書を見て暗記している
宗一郎は数字に強い
そしてあの子はこのおしゃぶりがないと寝ないと
彼女が言っていたのを思い出した
・・・・電話してみようか・・・・
宗一郎は首を振った
母親なんだからおしゃぶりのスペアぐらい
持っているだろうし
無かったらいくらでも買いに行けるだろうし
そもそもおしゃぶりが無いことぐらい
何でもないかもしれない
そっとデスクに置いてあれば
週末開けには見つける筈だ
自分はこのまま帰って風邪を治すべきだ
今度は宗一郎が檻に入れられた熊の様に
その場をウロウロする
そしてやっぱり彼女のスマホの番号を押した
そこでもう宗一郎は認めた
自分はただ単に彼女の声を聞きたいだけなのだ
「もしもし・・・・ 」
彼女の声が聞こえるなり
後ろで酷く泣いている赤ん坊の声が聞こえた
「あの・・・・浜田だけど・・・・ 」
そう言うと彼女は驚いているようだった
「まぁ!・・・どうしましょう?
私・・・何かしましたか?」
驚いて心配そうな彼女の声
そしてまだ電話の向こうでワンワン麗華は泣いている
「麗華ちゃん・・・ずいぶん泣いているね」
ゴジラ並みの鳴き声をスマホで
聞いていたら頭痛がしてきた
そして喉もどんどん痛くなっている
ここはさっさと帰って寝るに限るのに
自分はいったい何をしているんだろう
ぎゃ~お~・・ぎゃ~お~・・
「・・・すいません・・・
麗華のお気に入りのおしゃぶりを
失くしてしまって・・・
今機嫌が悪いんです」
きわめて冷静な声を出そうとしているが
明らかに彼女は困っている
宗一郎は手のひらに乗っている
ミッキーマウスのおしゃぶりをにぎりしめ
壁にもたれて言った
「・・・そういうことなら
俺が役に立てると思うんだが
今からそっちへ行ってもいいかな」
例のあの赤ん坊のベビーパウダーの香りがする
宗一郎はその香りを吸い込んだ
途端にあの子を抱きしめていた時の気持ちが蘇った
その時ベビーベットの下にあの子がくわえていた
おしゃぶりが落ちているのを発見した
彼女の電話番号は経歴書を見て暗記している
宗一郎は数字に強い
そしてあの子はこのおしゃぶりがないと寝ないと
彼女が言っていたのを思い出した
・・・・電話してみようか・・・・
宗一郎は首を振った
母親なんだからおしゃぶりのスペアぐらい
持っているだろうし
無かったらいくらでも買いに行けるだろうし
そもそもおしゃぶりが無いことぐらい
何でもないかもしれない
そっとデスクに置いてあれば
週末開けには見つける筈だ
自分はこのまま帰って風邪を治すべきだ
今度は宗一郎が檻に入れられた熊の様に
その場をウロウロする
そしてやっぱり彼女のスマホの番号を押した
そこでもう宗一郎は認めた
自分はただ単に彼女の声を聞きたいだけなのだ
「もしもし・・・・ 」
彼女の声が聞こえるなり
後ろで酷く泣いている赤ん坊の声が聞こえた
「あの・・・・浜田だけど・・・・ 」
そう言うと彼女は驚いているようだった
「まぁ!・・・どうしましょう?
私・・・何かしましたか?」
驚いて心配そうな彼女の声
そしてまだ電話の向こうでワンワン麗華は泣いている
「麗華ちゃん・・・ずいぶん泣いているね」
ゴジラ並みの鳴き声をスマホで
聞いていたら頭痛がしてきた
そして喉もどんどん痛くなっている
ここはさっさと帰って寝るに限るのに
自分はいったい何をしているんだろう
ぎゃ~お~・・ぎゃ~お~・・
「・・・すいません・・・
麗華のお気に入りのおしゃぶりを
失くしてしまって・・・
今機嫌が悪いんです」
きわめて冷静な声を出そうとしているが
明らかに彼女は困っている
宗一郎は手のひらに乗っている
ミッキーマウスのおしゃぶりをにぎりしめ
壁にもたれて言った
「・・・そういうことなら
俺が役に立てると思うんだが
今からそっちへ行ってもいいかな」
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