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chapter2 メビウスと猟奇的なキス
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「会社はコストがかかりすぎたり経営管理が
上手く行かないと悪化するわ・・・・
うちの会社はまさにその両方だったの・・・・ 」
「それは君のお兄さんに責任があるはずだ」
竜馬が言った
彼には自分を苛立たせる所がある
明らかにジェニの事を家族経営の甘い汁を
吸っている
役立たずと決めつけている
でもジェニは辛抱強く反論することなく
プレゼンを続けた
「それはもっともだけど
今うちの兄は見ての通りだから
今更誰を責めても仕方がないわ
問題はこれからどうするかよ
この会社がとても優秀なのは知っているわ
でも私達も良い仕事をしてるの
力を合わせたらもっと良くなると思わなくて?」
「ねぇ!クライアントのリストだけど・・・
「鳳凰堂」の案件はうちが君達と競って
負けてるよね、女性用日焼け止め
「ファンタスティック色白」のヤツ
大体的な広告キャンペーンになるはずだったのに
どうしてうちは負けたと思う?」
文也が好奇心満々の笑みを浮かべてジェニに聞いた
よかった・・
この人はなんだか話しやすい
「あなた達のプレゼンテーションは
私も見させてもらったわ
とても素晴らしいと思ったわ 」
ジェニが綺麗な弧の字型の眉を上げた
「でも私達の方がもっとよかったの」
ヒュー♪と文也が口笛を吹いた
「なんだその爪は?」
ジェニの自信に満ちた口調が
勘に触った竜馬が
今初めて気が付いたとでも言う様に
ジェニに言った
ジェニはマジマジと自分の爪を見つめ
おばけがバケて出てくる仕草をして
竜馬に言った
「ジェルネイルよ!見たことない?
会社勤めに軽薄だと
思っているんでしょうけど
これもクライアントの希望をいかに親の様に
汲み取れるかを試しているの
これは大手のマニキュア会社の案件を
今実験している所で― 」
「実験でもなんでも
わが社は派手なネイルは禁止だ!」
ジェニはため息をついて
両手を広げた
「ねぇ・・・一度でいいから
会社の規則を緩めてみるつもりはない?
曲りなりにもここは日本を代表する総合商社
なのでしょう?」
「会社の規則を変えたことは今まで一度もない」
ジェニがムッとして言う
「わかりました!落とします!
とにかく!
私はオフィスの荷解きにもどります
あとのプレゼンはデータに目を通して
もらえば分かるように作ってあるから
質問があったら呼んでくださいなんでも答えます
だから社員を解雇しないって約束してください」
「経営内容を分析しないうちは確約は出来ません」
宗一郎が答えた
ムカついたジェニは宗一郎にむかって
「いーっだ!」
と口を目いっぱい引き延ばしてヘン顔をし
くるりと振り返って
去って行った
面を食らった宗一郎は
目を丸くしてその場にかたまり
文也は腹をかかえてゲラゲラ笑った
上手く行かないと悪化するわ・・・・
うちの会社はまさにその両方だったの・・・・ 」
「それは君のお兄さんに責任があるはずだ」
竜馬が言った
彼には自分を苛立たせる所がある
明らかにジェニの事を家族経営の甘い汁を
吸っている
役立たずと決めつけている
でもジェニは辛抱強く反論することなく
プレゼンを続けた
「それはもっともだけど
今うちの兄は見ての通りだから
今更誰を責めても仕方がないわ
問題はこれからどうするかよ
この会社がとても優秀なのは知っているわ
でも私達も良い仕事をしてるの
力を合わせたらもっと良くなると思わなくて?」
「ねぇ!クライアントのリストだけど・・・
「鳳凰堂」の案件はうちが君達と競って
負けてるよね、女性用日焼け止め
「ファンタスティック色白」のヤツ
大体的な広告キャンペーンになるはずだったのに
どうしてうちは負けたと思う?」
文也が好奇心満々の笑みを浮かべてジェニに聞いた
よかった・・
この人はなんだか話しやすい
「あなた達のプレゼンテーションは
私も見させてもらったわ
とても素晴らしいと思ったわ 」
ジェニが綺麗な弧の字型の眉を上げた
「でも私達の方がもっとよかったの」
ヒュー♪と文也が口笛を吹いた
「なんだその爪は?」
ジェニの自信に満ちた口調が
勘に触った竜馬が
今初めて気が付いたとでも言う様に
ジェニに言った
ジェニはマジマジと自分の爪を見つめ
おばけがバケて出てくる仕草をして
竜馬に言った
「ジェルネイルよ!見たことない?
会社勤めに軽薄だと
思っているんでしょうけど
これもクライアントの希望をいかに親の様に
汲み取れるかを試しているの
これは大手のマニキュア会社の案件を
今実験している所で― 」
「実験でもなんでも
わが社は派手なネイルは禁止だ!」
ジェニはため息をついて
両手を広げた
「ねぇ・・・一度でいいから
会社の規則を緩めてみるつもりはない?
曲りなりにもここは日本を代表する総合商社
なのでしょう?」
「会社の規則を変えたことは今まで一度もない」
ジェニがムッとして言う
「わかりました!落とします!
とにかく!
私はオフィスの荷解きにもどります
あとのプレゼンはデータに目を通して
もらえば分かるように作ってあるから
質問があったら呼んでくださいなんでも答えます
だから社員を解雇しないって約束してください」
「経営内容を分析しないうちは確約は出来ません」
宗一郎が答えた
ムカついたジェニは宗一郎にむかって
「いーっだ!」
と口を目いっぱい引き延ばしてヘン顔をし
くるりと振り返って
去って行った
面を食らった宗一郎は
目を丸くしてその場にかたまり
文也は腹をかかえてゲラゲラ笑った
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