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chapter2 メビウスと猟奇的なキス

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「ではわが社を案内しよう
社長室をちょうど通る前にね」


エレベーターの扉が静かに開き
開発チーム室というフロアに二人は降り立った


ジェニは広々としたオフィスをぐるりと見渡し
思わず目を見張った



ここがメビウスホールディングスの心臓部なの?





「わが社は
フレキシブル・ワークスペースシステム
を導入している 」

「フレシキブル・ワークスペース?」




ジェニは目をまん丸にして聞き返した
竜馬が自慢気に話す




「昨今ではウィルス被害などでリモートなど
テレワークも増えて毎日社員全員に
デスクが必要というわけではなくなった
でもわが社はリモートは推奨していない
家などでは作業効率が落ちるからだ
従業員が毎日同じ席にいなければ
デスクの上にがらくたを積み上げることも無い
このシステムを導入してから
オフィス空間が節約できて
今は1階から20階まで賃貸や
レンタルスペースに使用できて
収入面でも一石二鳥だ 」



ジェニがキョロキョロして
すべてを把握しようという勢いで周りを見渡す


誰かがフロアに入って来ても
我関せず背を向けてデスクワークをしている人達を眺める

竜馬が手を後ろに組んでこれが仕事だと
小学生の子供に諭すように得意げに言った



「僕はいつでも効率化を好む」




ジェニがうつ向いて考え込む




「でも・・・・
誰も自分の机を持っていないなんて・・・
図書館みたいに毎日空いてる席を探すの?
なんだかかわいそう・・・ 」





ジェニはそんな環境で働くなんて
とても想像出来なかった




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