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召喚される者、召喚した者
明日を迎えるために?
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涙は枯れてしまった。
たぶん、一ヶ月分くらいは泣いたんじゃないかな。
元々泣き虫な私の一ヶ月分の涙ともなると、それはもう大量だ。
風の音が耳を揺する。冷えるから早く家の中に入りなよ。そう言われてから、二時間くらい経っただろうか。
なんだか、悪いことをしてしまったかな。明日、マナツさんにはしっかり謝ろう。もちろん、ずっと抱きしめてくれたモミジさんにも、泣きながら喚いたにも関わらず、ずっと話を聞いてくれたユキオさんにも。
そして、もちろんハルトさんにも――。
でも、今はどうしても一人になりたかった。一人になれば、罪の意識も後悔も、悲しみも、怒りも全て受け止めて、理解できる。
この世界に来てから、毎日欠かさずに繰り返している。一人になり、頭の中を空っぽにする。そして、一日に起きた出来事を振り返り、受け入れる。紛れも無い事実なんだ、と。
正直、どうして私なんだ。そう思うことは多々ある。というか、この世界に来てからは常々思っている。
だって、ただの村娘だったんだよ? 剣とはいわず、鍬すら振るったことのないただの村人だよ? 物語に出てくるとしたら、いいとこ主人公の友達止まりだよ?
それが、いきなり目が覚めたら違う世界に来て、魔法とかいう摩訶不思議な文化があって、勇者になってて、命を狙われて……。
「意味わかんないよ……」
芝生に寝転がる。チクチクと肌を草が刺激して心地いい。
膝を抱えて、丸くなった。
毎日、受け止めている。この目で、体で感じる全ての出来事を。
だから今日も、一人になれば受け止められると思った。今日起こった全てのことを。現実を。結果を――。
でも、いつまで経っても夢うつつで、矛盾したように涙は流れるのに、いまだに実感が湧かない。
後ろの大きな家に目を向ける。向こうの世界で住んでいた家より、二倍も三倍も大きい。材質だって、木じゃなくて、レンガで出来ている。壁は綺麗に塗装がされていて、ほんの数週間前の自分には勿体無い寝床だ。もちろん、仮で住まわせてもらっているだけなのだけれど。
不意に見上げる視界に星が横切った。
それにしても、小雨がポツポツとしてきているというのに、星が煌々と輝いているのが見えるのは、不思議だ。
きっと、あの星からすれば今回の件は本当に些細な出来事にしか過ぎず、それこそ毎日数え切れないほど起きている件の一つでしかないだろう。
流れ星に呼応したように、再び涙が溢れ出した。熱く、熱く、流せば流すほど、心が冷え切っていく。
ハルトさん、明日には目を覚ますかな……。
起きたら、よし今日も行くぞって言ってくれて、二人でディザスターに行って、そこでは真剣に魔物と戦って、最近は魔法を使い過ぎて帰りはどうしても眠気に抗えなくてハルトさんにもたれかかって寝てしまう。いつも、ハルトさんが肩を揺すって起こしてくれて、何気ない会話をしながら帰路につく。
そんな生活が、明日もできるのだろうか。
出来たらいいな。
でも、そんな資格が私にあるのかな。
……きっと、聞けばあるって言ってくれるんだろうけど、少なくとも私の意思からすれば、そんな資格はない。
だから、どうしても受け入れなければいけない。覚悟を持って、現実と向き合い、悔やむのではなく、貪欲に未来への糧とする。
ここには父も母も、祖母も祖父も友達もいない。護ってくれる人はたくさんいる。でも、いつまでも護られ続けるわけにはいかない。そう考えるとすれば、今回の経験は自分の感情さえ抑え込めたのなら、確実に未来への貴重な経験になる。
止まらない涙を流し続けながら、今度は声に出してみる。
「今日は、朝起きて昨日の晩にマナツさん、モミジさん、ユキオさんに習った魔法構築の原理を軽く復習して、朝ごはんをいただき、いつも準備に遅れるハルトさんを退屈に待って、家を出た。いつもの草原に着いたらまずは軽く準備体操。
そして、ハルトさんが引き連れて来たスライムやらマッドフロッグを相手に、ひたすらスキルと魔法の練習。ちょっと動きを誤るたびに、ハルトさんがすっ飛んで来て魔物を勝手に倒しちゃって、私のミスを修正する。人によっては厳しすぎると感じる人もいるかもしれないけれど、命がかかっているんだから、私はしっかりと心の底から毎回ありがとうございますって言うの。
それで、夕方になって馬車の中ではやっぱり眠くなっちゃって、ハルトさんに寄りかかって眠った。最初は無意識に寄りかかってたけど、安心できるからこの頃はわざと寄りかかっちゃうの。ごめんなさい。ハルトさん。
街に帰って、眠い目をこすりながら食材を買って、いつもの帰り道で暗いのは怖いからハルトさんの服の裾を掴んだ。問われたけれど、ハルトさんは拒まなかった。正直、嬉しかった。それで……」
言葉に詰まった。
臆病風に吹かれるな。そう自分に言い聞かせ、震える口を開いた。
「急に……ハルトさんが私を突っ撥ねて、正直意味がわからなかった。……だけど、そのすぐ後にハルトさんが突然倒れて、よくわからないけれど、とても苦しそうに見えた。そしたら、涙が溢れて来ちゃって、止まれ! 止まれ! って叫んでも止まらなくて……。
そしてハルトさんに逃げろって言われてようやく自分が襲われたことに、そしてハルトさんは私を護って苦しんでいるって気が付いて、瞬時に絶望した。怖くて、悲しくて、それでも逃げたいとは微塵も思わなかった。
死ぬのは怖かったけど、ハルトさんが死ぬのはもっと怖かった。それで剣を握ったけど、足は動かなくて、腕はガクガクに震えて、私はなんてダメで、弱くて、情けないんだ。そう思ったら、また涙が溢れ出して来ちゃった。
そして、襲って来た人が大きな炎の球を飛ばして来て、死んじゃったと思った時に、ハルトさんが俺の魔力を使えって言って、それで魔力吸収を思い出したの。
自分の気持ちに正直に向き合ったら、死にたくないって思って、それでハルトさんの魔力を吸い上げた。胸の奥が溶けるくらいに熱くなって、怒りとか悲しみとか、よくわからないごちゃ混ぜの感情に任せて、思いっきり魔法を使った。
そして。………………そして――
私は人を殺した」
たぶん、一ヶ月分くらいは泣いたんじゃないかな。
元々泣き虫な私の一ヶ月分の涙ともなると、それはもう大量だ。
風の音が耳を揺する。冷えるから早く家の中に入りなよ。そう言われてから、二時間くらい経っただろうか。
なんだか、悪いことをしてしまったかな。明日、マナツさんにはしっかり謝ろう。もちろん、ずっと抱きしめてくれたモミジさんにも、泣きながら喚いたにも関わらず、ずっと話を聞いてくれたユキオさんにも。
そして、もちろんハルトさんにも――。
でも、今はどうしても一人になりたかった。一人になれば、罪の意識も後悔も、悲しみも、怒りも全て受け止めて、理解できる。
この世界に来てから、毎日欠かさずに繰り返している。一人になり、頭の中を空っぽにする。そして、一日に起きた出来事を振り返り、受け入れる。紛れも無い事実なんだ、と。
正直、どうして私なんだ。そう思うことは多々ある。というか、この世界に来てからは常々思っている。
だって、ただの村娘だったんだよ? 剣とはいわず、鍬すら振るったことのないただの村人だよ? 物語に出てくるとしたら、いいとこ主人公の友達止まりだよ?
それが、いきなり目が覚めたら違う世界に来て、魔法とかいう摩訶不思議な文化があって、勇者になってて、命を狙われて……。
「意味わかんないよ……」
芝生に寝転がる。チクチクと肌を草が刺激して心地いい。
膝を抱えて、丸くなった。
毎日、受け止めている。この目で、体で感じる全ての出来事を。
だから今日も、一人になれば受け止められると思った。今日起こった全てのことを。現実を。結果を――。
でも、いつまで経っても夢うつつで、矛盾したように涙は流れるのに、いまだに実感が湧かない。
後ろの大きな家に目を向ける。向こうの世界で住んでいた家より、二倍も三倍も大きい。材質だって、木じゃなくて、レンガで出来ている。壁は綺麗に塗装がされていて、ほんの数週間前の自分には勿体無い寝床だ。もちろん、仮で住まわせてもらっているだけなのだけれど。
不意に見上げる視界に星が横切った。
それにしても、小雨がポツポツとしてきているというのに、星が煌々と輝いているのが見えるのは、不思議だ。
きっと、あの星からすれば今回の件は本当に些細な出来事にしか過ぎず、それこそ毎日数え切れないほど起きている件の一つでしかないだろう。
流れ星に呼応したように、再び涙が溢れ出した。熱く、熱く、流せば流すほど、心が冷え切っていく。
ハルトさん、明日には目を覚ますかな……。
起きたら、よし今日も行くぞって言ってくれて、二人でディザスターに行って、そこでは真剣に魔物と戦って、最近は魔法を使い過ぎて帰りはどうしても眠気に抗えなくてハルトさんにもたれかかって寝てしまう。いつも、ハルトさんが肩を揺すって起こしてくれて、何気ない会話をしながら帰路につく。
そんな生活が、明日もできるのだろうか。
出来たらいいな。
でも、そんな資格が私にあるのかな。
……きっと、聞けばあるって言ってくれるんだろうけど、少なくとも私の意思からすれば、そんな資格はない。
だから、どうしても受け入れなければいけない。覚悟を持って、現実と向き合い、悔やむのではなく、貪欲に未来への糧とする。
ここには父も母も、祖母も祖父も友達もいない。護ってくれる人はたくさんいる。でも、いつまでも護られ続けるわけにはいかない。そう考えるとすれば、今回の経験は自分の感情さえ抑え込めたのなら、確実に未来への貴重な経験になる。
止まらない涙を流し続けながら、今度は声に出してみる。
「今日は、朝起きて昨日の晩にマナツさん、モミジさん、ユキオさんに習った魔法構築の原理を軽く復習して、朝ごはんをいただき、いつも準備に遅れるハルトさんを退屈に待って、家を出た。いつもの草原に着いたらまずは軽く準備体操。
そして、ハルトさんが引き連れて来たスライムやらマッドフロッグを相手に、ひたすらスキルと魔法の練習。ちょっと動きを誤るたびに、ハルトさんがすっ飛んで来て魔物を勝手に倒しちゃって、私のミスを修正する。人によっては厳しすぎると感じる人もいるかもしれないけれど、命がかかっているんだから、私はしっかりと心の底から毎回ありがとうございますって言うの。
それで、夕方になって馬車の中ではやっぱり眠くなっちゃって、ハルトさんに寄りかかって眠った。最初は無意識に寄りかかってたけど、安心できるからこの頃はわざと寄りかかっちゃうの。ごめんなさい。ハルトさん。
街に帰って、眠い目をこすりながら食材を買って、いつもの帰り道で暗いのは怖いからハルトさんの服の裾を掴んだ。問われたけれど、ハルトさんは拒まなかった。正直、嬉しかった。それで……」
言葉に詰まった。
臆病風に吹かれるな。そう自分に言い聞かせ、震える口を開いた。
「急に……ハルトさんが私を突っ撥ねて、正直意味がわからなかった。……だけど、そのすぐ後にハルトさんが突然倒れて、よくわからないけれど、とても苦しそうに見えた。そしたら、涙が溢れて来ちゃって、止まれ! 止まれ! って叫んでも止まらなくて……。
そしてハルトさんに逃げろって言われてようやく自分が襲われたことに、そしてハルトさんは私を護って苦しんでいるって気が付いて、瞬時に絶望した。怖くて、悲しくて、それでも逃げたいとは微塵も思わなかった。
死ぬのは怖かったけど、ハルトさんが死ぬのはもっと怖かった。それで剣を握ったけど、足は動かなくて、腕はガクガクに震えて、私はなんてダメで、弱くて、情けないんだ。そう思ったら、また涙が溢れ出して来ちゃった。
そして、襲って来た人が大きな炎の球を飛ばして来て、死んじゃったと思った時に、ハルトさんが俺の魔力を使えって言って、それで魔力吸収を思い出したの。
自分の気持ちに正直に向き合ったら、死にたくないって思って、それでハルトさんの魔力を吸い上げた。胸の奥が溶けるくらいに熱くなって、怒りとか悲しみとか、よくわからないごちゃ混ぜの感情に任せて、思いっきり魔法を使った。
そして。………………そして――
私は人を殺した」
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