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召喚される者、召喚した者
学ばないんですか?
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シェリーが住み込みで冒険者としての知識、技術を学ぶことになってから一週間が経過した。
当初の目的であったスライムを倒せたのは、四日目だ。そこからは要領をつかめたのか、シェリーはぐんぐんと成長していった。
暴君の草原にはスライムの他にも、Fランク・Eランクの魔物がいるが、一週間経った今ではシェリーに倒せない敵はいない。
そろそろ次のステップへと進もうかどうかと考えていたところである。明日辺りにでも、新しいディザスターでまた一から教えるとしよう。
また、昨日は彼女の特殊能力である魔力吸収の実験を試みた。むろん、受け手となる実験台はハルトだ。一応、何が起きるかわからないため、ユキオにも同席してもらった。
シェリー曰く、魔力を奪いたい生物に手を触れて、そこから魔力を吸い出すイメージで簡易的な詠唱をすることで、相手の魔力を奪い取ることができるらしい。
シェリーがハルトに対して魔力吸収を使用した瞬間、ハルトは急激な魔力欠乏の症状に襲われた。頭痛、嘔吐感、眩暈、意識障害など様々な身体的外傷が起きてしまい、思わず意識を失いそうになった。
たったの一瞬である。彼女が能力を発動してから、一秒と立たないうちに決して少なくないハルトの魔力は根こそぎ奪い取られたのだ。
ハルトの体調が悪化しすぎたため、実験は中止。今度、魔物相手でも通用するのかどうかの実験もしなければならない。
シェリーの持つ魔力吸収は、想像していた以上にとんでもないスキルかもしれない。
魔力欠乏はどんなに精神を鍛えていようと、抗いようのない苦痛を伴う。そして、魔力欠乏による行動不能状態に陥るのは魔物も同じだ。それを意図して発動させることのできる魔力吸収という能力は、頭の中に浮かんだ言葉をそのまま述べるとすれば――強すぎ、である。
なんにせよ、ひとまず七日目の今日は、これまで通り暴君の草原で魔物との実践、魔法の熟考を行った。
この日も彼女は魔法を連発したため、帰り道はハルトの肩を特等席としてかわいらしい寝息を立てている。
もちろん、ハルトまでつられて眠るわけにはいかない。何度も言うが、この世界は今、本当に安全なところなどないのだ。
今こうしている瞬間にも、空からあの龍が舞い降りてくるかもしれない。考えただけで恐ろしい話だ。
夕暮れに誘われ、街が見えてきた。シェリーをいつも通り起こし、眠い目をこする彼女と共に街の門をくぐる。
「あー、今日も無事帰ってきた!」
「……うー、眠いです」
この一週間で彼女はようやく、年頃らしい仕草や言動を隠すことなく見せてくれるようになった。
「今日は早く帰れたから、夕食前に少し仮眠するくらいの時間はあるだろ」
「むー……」
聞いているんだが、聞いていないんだか。
そんな彼女を見て、ハルトは心の中でほほ笑む。本当に親になった気分だ。それにしてはシェリーはかなり大きいんだけども。
「たぶん三人はまだクエストから帰ってきてないと思うから、先に少なくなっている食材だけ買い足しておこう」
徐々に店を閉めかけている露店で、野菜やら肉類などを買い足して、帰路に着く。
大通りを抜け、細道を通る。細道とはいえ、人が横並びで四人は歩けるような道幅だ。それにしては人通りがかなり少なく、街灯もないため、この時間帯はずいぶんと薄暗い。
「あの、私明かりつけられる魔法使えないでしょうか?」
いつの間にかシェリーがすぐ後ろまで寄り添い、ハルトの服の裾をつかんでいた。
「いつも思うんだけど、シェリーって暗いところとか苦手?」
「うっ、苦手、です。村にいた時も夜は外に出れませんでした」
「なるほどね。明かりの魔法か……。見たことはあるし、いつかは使えるようになるかもね」
夕暮れの空を背にした彼女の顔が少しだけ輝いた。
「本当ですかッ!? 私、絶対に覚えたいです! あっ、もちろん私用だけじゃないですよ。魔物にだって目くらましとして使えるでしょうし、便利だと思います!」
「言ってることはわかるが、なんかしっくりこないなぁ」
互いに見合い、笑った。
なんか、いいなぁ。こんな生活。
ハルトは失敗から学ばない。いや、学んだことを今、目の前のささやかな幸せのせいで忘却したのである。
――穴だ。
不意に振り返ったハルトの視線に、茜色の空を反射させる小さな何かが映った。
瞬間、心臓が飛び跳ねた。息が詰まり、反応も一瞬だけ遅れた。
同時に、一瞬でも周囲への警戒を怠った自身を深く罵った。
バカだ! 本当にバカだ!
どうして街の中が安全だと思ったんだ!
どうして敵は魔物だけだと思っていたんだ!
銀色に鈍く輝く投擲物は、一直線にシェリーに向かって空を切っている。先端から液体が滴っていた。おそらく、毒だ。
ハルトは身を強引によじり、足よりも先に上半身をねじって手を伸ばした。
伸ばした手はかろうじてシェリーの肩に触れ、そのまま彼女を右に押しのけた。
「――えっ?」
シェリーの口から戸惑いめいた吐息が漏れる。
何とかシェリーに直撃は免れたが、ハルトの足はまだついてこない。
ふいに視界がスローモーションになった。いつしか味わった、恐怖が目の前に迫っている感覚。
デッドリーパーのときと同じだ。
既にハルトの胸をとらえようとしている小さな銀ナイフは、まるで止まっているようにさえ見える。
揺らめく視界の奥に、フードを被った三人組の姿が映った。
深く被られたフードから覗く、髭の生えた口元はニヤリとひん曲がっていた。
――ドスッ!
胸にナイフが突き刺さった瞬間、スローモーションが解ける。
刹那、体が燃えるように熱く、胸部から広がる激痛に一瞬、意識を飛ばした。
「ハルトさぁぁぁぁんッッッッッ――――!」
シェリーの叫び声がひたすらに細い路地を反響した。
当初の目的であったスライムを倒せたのは、四日目だ。そこからは要領をつかめたのか、シェリーはぐんぐんと成長していった。
暴君の草原にはスライムの他にも、Fランク・Eランクの魔物がいるが、一週間経った今ではシェリーに倒せない敵はいない。
そろそろ次のステップへと進もうかどうかと考えていたところである。明日辺りにでも、新しいディザスターでまた一から教えるとしよう。
また、昨日は彼女の特殊能力である魔力吸収の実験を試みた。むろん、受け手となる実験台はハルトだ。一応、何が起きるかわからないため、ユキオにも同席してもらった。
シェリー曰く、魔力を奪いたい生物に手を触れて、そこから魔力を吸い出すイメージで簡易的な詠唱をすることで、相手の魔力を奪い取ることができるらしい。
シェリーがハルトに対して魔力吸収を使用した瞬間、ハルトは急激な魔力欠乏の症状に襲われた。頭痛、嘔吐感、眩暈、意識障害など様々な身体的外傷が起きてしまい、思わず意識を失いそうになった。
たったの一瞬である。彼女が能力を発動してから、一秒と立たないうちに決して少なくないハルトの魔力は根こそぎ奪い取られたのだ。
ハルトの体調が悪化しすぎたため、実験は中止。今度、魔物相手でも通用するのかどうかの実験もしなければならない。
シェリーの持つ魔力吸収は、想像していた以上にとんでもないスキルかもしれない。
魔力欠乏はどんなに精神を鍛えていようと、抗いようのない苦痛を伴う。そして、魔力欠乏による行動不能状態に陥るのは魔物も同じだ。それを意図して発動させることのできる魔力吸収という能力は、頭の中に浮かんだ言葉をそのまま述べるとすれば――強すぎ、である。
なんにせよ、ひとまず七日目の今日は、これまで通り暴君の草原で魔物との実践、魔法の熟考を行った。
この日も彼女は魔法を連発したため、帰り道はハルトの肩を特等席としてかわいらしい寝息を立てている。
もちろん、ハルトまでつられて眠るわけにはいかない。何度も言うが、この世界は今、本当に安全なところなどないのだ。
今こうしている瞬間にも、空からあの龍が舞い降りてくるかもしれない。考えただけで恐ろしい話だ。
夕暮れに誘われ、街が見えてきた。シェリーをいつも通り起こし、眠い目をこする彼女と共に街の門をくぐる。
「あー、今日も無事帰ってきた!」
「……うー、眠いです」
この一週間で彼女はようやく、年頃らしい仕草や言動を隠すことなく見せてくれるようになった。
「今日は早く帰れたから、夕食前に少し仮眠するくらいの時間はあるだろ」
「むー……」
聞いているんだが、聞いていないんだか。
そんな彼女を見て、ハルトは心の中でほほ笑む。本当に親になった気分だ。それにしてはシェリーはかなり大きいんだけども。
「たぶん三人はまだクエストから帰ってきてないと思うから、先に少なくなっている食材だけ買い足しておこう」
徐々に店を閉めかけている露店で、野菜やら肉類などを買い足して、帰路に着く。
大通りを抜け、細道を通る。細道とはいえ、人が横並びで四人は歩けるような道幅だ。それにしては人通りがかなり少なく、街灯もないため、この時間帯はずいぶんと薄暗い。
「あの、私明かりつけられる魔法使えないでしょうか?」
いつの間にかシェリーがすぐ後ろまで寄り添い、ハルトの服の裾をつかんでいた。
「いつも思うんだけど、シェリーって暗いところとか苦手?」
「うっ、苦手、です。村にいた時も夜は外に出れませんでした」
「なるほどね。明かりの魔法か……。見たことはあるし、いつかは使えるようになるかもね」
夕暮れの空を背にした彼女の顔が少しだけ輝いた。
「本当ですかッ!? 私、絶対に覚えたいです! あっ、もちろん私用だけじゃないですよ。魔物にだって目くらましとして使えるでしょうし、便利だと思います!」
「言ってることはわかるが、なんかしっくりこないなぁ」
互いに見合い、笑った。
なんか、いいなぁ。こんな生活。
ハルトは失敗から学ばない。いや、学んだことを今、目の前のささやかな幸せのせいで忘却したのである。
――穴だ。
不意に振り返ったハルトの視線に、茜色の空を反射させる小さな何かが映った。
瞬間、心臓が飛び跳ねた。息が詰まり、反応も一瞬だけ遅れた。
同時に、一瞬でも周囲への警戒を怠った自身を深く罵った。
バカだ! 本当にバカだ!
どうして街の中が安全だと思ったんだ!
どうして敵は魔物だけだと思っていたんだ!
銀色に鈍く輝く投擲物は、一直線にシェリーに向かって空を切っている。先端から液体が滴っていた。おそらく、毒だ。
ハルトは身を強引によじり、足よりも先に上半身をねじって手を伸ばした。
伸ばした手はかろうじてシェリーの肩に触れ、そのまま彼女を右に押しのけた。
「――えっ?」
シェリーの口から戸惑いめいた吐息が漏れる。
何とかシェリーに直撃は免れたが、ハルトの足はまだついてこない。
ふいに視界がスローモーションになった。いつしか味わった、恐怖が目の前に迫っている感覚。
デッドリーパーのときと同じだ。
既にハルトの胸をとらえようとしている小さな銀ナイフは、まるで止まっているようにさえ見える。
揺らめく視界の奥に、フードを被った三人組の姿が映った。
深く被られたフードから覗く、髭の生えた口元はニヤリとひん曲がっていた。
――ドスッ!
胸にナイフが突き刺さった瞬間、スローモーションが解ける。
刹那、体が燃えるように熱く、胸部から広がる激痛に一瞬、意識を飛ばした。
「ハルトさぁぁぁぁんッッッッッ――――!」
シェリーの叫び声がひたすらに細い路地を反響した。
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