31 / 79
例えどんな理不尽な世界だとしても
水臭いですか?
しおりを挟む
マナツは早起きだ。まだ陽が出る前に一度起きる。そこから再び横になるか、そのまま起きるかは日によってまちまちだが、今日はそのまま起きていることを選択した。
ベッドから降りて、窓を開ける。冷んやりとした空気が部屋に流れ込み、火照った体を冷ます。大きく伸びをして、部屋を出ようとしたその時、誰かが廊下を歩く音が聞こえた。
こんな早くに誰だろうか。
昨日までエルフの大森林でクエストを受けていて、帰ってきたのも遅く、今日は休みにしようということになったので、こんな早くに起きるメンバーなどいなそうだが。
気にせず扉を開ければよかったのだ。なぜか聞き耳を立ててやり過ごす。本当、なんでそのまま出なかったんだろう。
どうにも足音はすり足、というかとりあえず音を立てないように静かに歩いているようだ。
階段を降りる音が聞こえ、こっそりと扉を開けて廊下を見回す。誰もいないことを確認して、廊下に出る。
ゆっくり、足音を立てないように一階に降りると、ガチャという音がして玄関の扉が閉まる。どうやら例の人物は外に出たようだ。
「うーん、誰かな……」
普段であれば真っ先に顔を洗い、眠気を完全に覚ますのだが、好奇心に駆られ、そのまま後を付けるように外に出る。
元が宿屋であった家の玄関は、この街では珍しい施錠付きだ。四人は一人ずつ一本、鍵を持っている。外から施錠し直されている形跡があったので、空き巣のような類ではないだろう。
「うえ、寒っ」
上着を着てくるべきだったかな、と思ったが、今から戻っていたら例の人物を見失ってしまう。
小走りで庭先を駆け抜け、小道を朝早くから疾走する。
なんでこんなことしてるんだろ、と不意に疑問を抱くが、今更やめられない。もしかして、自分にはそういう趣味でもあるのだろうか。
大通りまで出て、周囲を見渡す。例の人物はそこにいた。
猫背な後ろ姿。身長はきっと背筋を伸ばしたのなら百七十ちょい。髪は長いとまではいかないものの、ボサボサだ。腰先にマナツと同じ剣をぶら下げている。
「……ハルト?」
呟くように疑問が漏れた。今の顔は相当訝しげだろう。
何してんだろ……。
正直、ユキオかモミジのどちらかだと思っていた。休みの日、ハルトは四人の中では必ずと言っていいほど、最後に起きて来る。逆にクエストでディザスターなどに滞在しているときは、見張りを除いて一番先に起きる。実に怠惰なのか生真面目なのかわからない。
ハルトは大通りをのらりくらりとゆっくり歩き、南門をそのまま抜ける。
「ちょっと、あいつ街の外に出てるじゃない……」
今はディザスター外とはいえ、魔物が出現しないとは完全に言い切れない状況だ。冒険者とはいえ、魔剣士は弱い。四人揃っていない時に魔物と遭遇してしまったら、目も当てられない状況となることは必至だ。
しかし、それを言ってしまえば今のマナツも同じような状態。むしろ、ハルトは剣を携帯しているものの、マナツは薄着一枚で剣も防具もつけていない丸腰状態。
それでも、マナツはこそこそと南門を出た。街の外は一面の草原で、身を隠せそうな場所も少ない。あまり遠くまで行かれてしまうと、正直帰るのがめんどくさい。
しかし、ハルトは街を出てほどなくして歩みを止めた。急にあたりを見渡し始めたので、慌てて近くの細い木に身を寄せる。
周りに人影がないことを確認し、いや正確にはハルトから見える範囲でいないことを確認して、剣を鞘から引き抜いた。
素振り、素振り、素振り、素振りと軽く体を温めるように、それでいて一回一回力を込めて剣を振り抜く。
「自主練習みたいなものかな……」
でも、どうしてだろうか。
ハルトは五分ほど素振りをすると、休憩することなく、スキルの型を一通り試す。ちなみにスキルや魔法は同職業でも個人によって覚えるものに差があり、魔物を倒した際に、稀に頭の中にスーッと何かが入り込んで来る感覚で取得することができる。
スキルはどれも見たことのあるものだった。とはいえ、ハルトのスキルや魔法はパーティーバフのかかった時の凄まじい威力のものしか見ていないため、同じスキルであるかは曖昧だが……。
やはり、四人でいるとき以外の個々のスキルや魔法は、通常の魔剣士と同等レベルの言ってしまえば乏しいものだ。
ハルトはスキルを一通り試すと、再度あたりを見回す。そして、剣を地面に突き立てて魔法を詠唱し始める。
マナツはハルトが目を閉じている間に、その場を離れた。ついていけば、単純に自主練習だった。冒険者なら珍しいことではない。
スキルや魔法は、個人の力量や発動タイミング、体が半自動的に動くまでの型への入り具合で威力が変わって来る。練習して練度を上げておくに越したことはない。
でも、正直四人でいるときのスキルや魔法は、そういった個人の練度によって変わるほどの差ではない。もっと圧倒的なものだ。
もちろん、謎の力に慢心してはいけないことはマナツも重々承知であった。しかし、やはり怠惰になっていたのだろうか。パーティーを組んでから自主練習など、考えたこともなかった。ディザスターが封鎖されていた時でさえ、することはなかった。
「うーん、でも、あのハルトが……?」
少しして、歩みを止めた。大通りの真ん中で、既に見えるはずのない彼の姿を探すように振り向いた。
開いたばかりの露店で、果実を絞った飲み物を二つほど買い、ベンチでボーッと彼を待つ。
陽が徐々に出てきた。先ほどまでほとんどいなかった通行人も、ちらほら増えてきた。
ハルトが朝早く、皆に内緒で自主練習。似合わないといえば、似合わないが、彼は一応パーティーのリーダーである。何か思うところがあるのだろうか。
責任感? あー、少しだけありそう。
水臭いと思わないこともないが、ハルトからしても、やはり積極的に言うべきことでもないと考えているのだろう。
「うーん、似合わないなぁ……」
「何が?」
上の空、突然声をかけられて思わずビクついた。もちろん、彼だ。汗を服で雑にぬぐい、剣は……後ろに隠しているようだが、全然隠せてない。つくづく、ダサい。本当にダサい。あーダサいダサい。
「な、なんでもない。散歩! ハルトは?」
「あー、俺もそんなところかな……うん」
「へー……」
手に持ってた飲み物を片方、無言で突き出す。ハルトは受け取ってやはり疑問に思ったのか、首を傾げた。
「一人で散歩して、二つ買ったの?」
「バカなの? 剣見えてるよ」
返答を待たずに立ち上がった。
「ちょっ……、バレてた?」
後ろから慌てたような、恥ずかしがっているようななんともいえない抑揚の声が聞こえた。
振り向くことなく、言い放った。
「……ダッサ」
たぶん、顔は少しだけニヤついていた気がする。
ベッドから降りて、窓を開ける。冷んやりとした空気が部屋に流れ込み、火照った体を冷ます。大きく伸びをして、部屋を出ようとしたその時、誰かが廊下を歩く音が聞こえた。
こんな早くに誰だろうか。
昨日までエルフの大森林でクエストを受けていて、帰ってきたのも遅く、今日は休みにしようということになったので、こんな早くに起きるメンバーなどいなそうだが。
気にせず扉を開ければよかったのだ。なぜか聞き耳を立ててやり過ごす。本当、なんでそのまま出なかったんだろう。
どうにも足音はすり足、というかとりあえず音を立てないように静かに歩いているようだ。
階段を降りる音が聞こえ、こっそりと扉を開けて廊下を見回す。誰もいないことを確認して、廊下に出る。
ゆっくり、足音を立てないように一階に降りると、ガチャという音がして玄関の扉が閉まる。どうやら例の人物は外に出たようだ。
「うーん、誰かな……」
普段であれば真っ先に顔を洗い、眠気を完全に覚ますのだが、好奇心に駆られ、そのまま後を付けるように外に出る。
元が宿屋であった家の玄関は、この街では珍しい施錠付きだ。四人は一人ずつ一本、鍵を持っている。外から施錠し直されている形跡があったので、空き巣のような類ではないだろう。
「うえ、寒っ」
上着を着てくるべきだったかな、と思ったが、今から戻っていたら例の人物を見失ってしまう。
小走りで庭先を駆け抜け、小道を朝早くから疾走する。
なんでこんなことしてるんだろ、と不意に疑問を抱くが、今更やめられない。もしかして、自分にはそういう趣味でもあるのだろうか。
大通りまで出て、周囲を見渡す。例の人物はそこにいた。
猫背な後ろ姿。身長はきっと背筋を伸ばしたのなら百七十ちょい。髪は長いとまではいかないものの、ボサボサだ。腰先にマナツと同じ剣をぶら下げている。
「……ハルト?」
呟くように疑問が漏れた。今の顔は相当訝しげだろう。
何してんだろ……。
正直、ユキオかモミジのどちらかだと思っていた。休みの日、ハルトは四人の中では必ずと言っていいほど、最後に起きて来る。逆にクエストでディザスターなどに滞在しているときは、見張りを除いて一番先に起きる。実に怠惰なのか生真面目なのかわからない。
ハルトは大通りをのらりくらりとゆっくり歩き、南門をそのまま抜ける。
「ちょっと、あいつ街の外に出てるじゃない……」
今はディザスター外とはいえ、魔物が出現しないとは完全に言い切れない状況だ。冒険者とはいえ、魔剣士は弱い。四人揃っていない時に魔物と遭遇してしまったら、目も当てられない状況となることは必至だ。
しかし、それを言ってしまえば今のマナツも同じような状態。むしろ、ハルトは剣を携帯しているものの、マナツは薄着一枚で剣も防具もつけていない丸腰状態。
それでも、マナツはこそこそと南門を出た。街の外は一面の草原で、身を隠せそうな場所も少ない。あまり遠くまで行かれてしまうと、正直帰るのがめんどくさい。
しかし、ハルトは街を出てほどなくして歩みを止めた。急にあたりを見渡し始めたので、慌てて近くの細い木に身を寄せる。
周りに人影がないことを確認し、いや正確にはハルトから見える範囲でいないことを確認して、剣を鞘から引き抜いた。
素振り、素振り、素振り、素振りと軽く体を温めるように、それでいて一回一回力を込めて剣を振り抜く。
「自主練習みたいなものかな……」
でも、どうしてだろうか。
ハルトは五分ほど素振りをすると、休憩することなく、スキルの型を一通り試す。ちなみにスキルや魔法は同職業でも個人によって覚えるものに差があり、魔物を倒した際に、稀に頭の中にスーッと何かが入り込んで来る感覚で取得することができる。
スキルはどれも見たことのあるものだった。とはいえ、ハルトのスキルや魔法はパーティーバフのかかった時の凄まじい威力のものしか見ていないため、同じスキルであるかは曖昧だが……。
やはり、四人でいるとき以外の個々のスキルや魔法は、通常の魔剣士と同等レベルの言ってしまえば乏しいものだ。
ハルトはスキルを一通り試すと、再度あたりを見回す。そして、剣を地面に突き立てて魔法を詠唱し始める。
マナツはハルトが目を閉じている間に、その場を離れた。ついていけば、単純に自主練習だった。冒険者なら珍しいことではない。
スキルや魔法は、個人の力量や発動タイミング、体が半自動的に動くまでの型への入り具合で威力が変わって来る。練習して練度を上げておくに越したことはない。
でも、正直四人でいるときのスキルや魔法は、そういった個人の練度によって変わるほどの差ではない。もっと圧倒的なものだ。
もちろん、謎の力に慢心してはいけないことはマナツも重々承知であった。しかし、やはり怠惰になっていたのだろうか。パーティーを組んでから自主練習など、考えたこともなかった。ディザスターが封鎖されていた時でさえ、することはなかった。
「うーん、でも、あのハルトが……?」
少しして、歩みを止めた。大通りの真ん中で、既に見えるはずのない彼の姿を探すように振り向いた。
開いたばかりの露店で、果実を絞った飲み物を二つほど買い、ベンチでボーッと彼を待つ。
陽が徐々に出てきた。先ほどまでほとんどいなかった通行人も、ちらほら増えてきた。
ハルトが朝早く、皆に内緒で自主練習。似合わないといえば、似合わないが、彼は一応パーティーのリーダーである。何か思うところがあるのだろうか。
責任感? あー、少しだけありそう。
水臭いと思わないこともないが、ハルトからしても、やはり積極的に言うべきことでもないと考えているのだろう。
「うーん、似合わないなぁ……」
「何が?」
上の空、突然声をかけられて思わずビクついた。もちろん、彼だ。汗を服で雑にぬぐい、剣は……後ろに隠しているようだが、全然隠せてない。つくづく、ダサい。本当にダサい。あーダサいダサい。
「な、なんでもない。散歩! ハルトは?」
「あー、俺もそんなところかな……うん」
「へー……」
手に持ってた飲み物を片方、無言で突き出す。ハルトは受け取ってやはり疑問に思ったのか、首を傾げた。
「一人で散歩して、二つ買ったの?」
「バカなの? 剣見えてるよ」
返答を待たずに立ち上がった。
「ちょっ……、バレてた?」
後ろから慌てたような、恥ずかしがっているようななんともいえない抑揚の声が聞こえた。
振り向くことなく、言い放った。
「……ダッサ」
たぶん、顔は少しだけニヤついていた気がする。
2
お気に入りに追加
1,731
あなたにおすすめの小説

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。
応援本当に有難うございました。
イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。
書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」
から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。
書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。
WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。
この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。
本当にありがとうございました。
【以下あらすじ】
パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった...
ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから...
第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。
何と!『現在3巻まで書籍化されています』
そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。
応援、本当にありがとうございました!

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?
さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。
僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。
そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに……
パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。
全身ケガだらけでもう助からないだろう……
諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!?
頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。
気づけば全魔法がレベル100!?
そろそろ反撃開始してもいいですか?
内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

【二章開始】『事務員はいらない』と実家からも騎士団からも追放された書記は『命名』で生み出した最強家族とのんびり暮らしたい
斑目 ごたく
ファンタジー
「この騎士団に、事務員はいらない。ユーリ、お前はクビだ」リグリア王国最強の騎士団と呼ばれた黒葬騎士団。そこで自らのスキル「書記」を生かして事務仕事に勤しんでいたユーリは、そう言われ騎士団を追放される。
さらに彼は「四大貴族」と呼ばれるほどの名門貴族であった実家からも勘当されたのだった。
失意のまま乗合馬車に飛び乗ったユーリが辿り着いたのは、最果ての街キッパゲルラ。
彼はそこで自らのスキル「書記」を生かすことで、無自覚なまま成功を手にする。
そして彼のスキル「書記」には、新たな能力「命名」が目覚めていた。
彼はその能力「命名」で二人の獣耳美少女、「ネロ」と「プティ」を生み出す。
そして彼女達が見つけ出した伝説の聖剣「エクスカリバー」を「命名」したユーリはその三人の家族と共に賑やかに暮らしていく。
やがて事務員としての仕事欲しさから領主に雇われた彼は、大好きな事務仕事に全力に勤しんでいた。それがとんでもない騒動を巻き起こすとは知らずに。
これは事務仕事が大好きな余りそのチートスキルで無自覚に無双するユーリと、彼が生み出した最強の家族が世界を「書き換えて」いく物語。
火・木・土曜日20:10、定期更新中。
この作品は「小説家になろう」様にも投稿されています。

自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十数年酷使した体は最強になっていたようです〜
ねっとり
ファンタジー
世界一強いと言われているSSSランクの冒険者パーティ。
その一員であるケイド。
スーパーサブとしてずっと同行していたが、パーティメンバーからはただのパシリとして使われていた。
戦闘は役立たず。荷物持ちにしかならないお荷物だと。
それでも彼はこのパーティでやって来ていた。
彼がスカウトしたメンバーと一緒に冒険をしたかったからだ。
ある日仲間のミスをケイドのせいにされ、そのままパーティを追い出される。
途方にくれ、なんの目的も持たずにふらふらする日々。
だが、彼自身が気付いていない能力があった。
ずっと荷物持ちやパシリをして来たケイドは、筋力も敏捷も凄まじく成長していた。
その事実をとあるきっかけで知り、喜んだ。
自分は戦闘もできる。
もう荷物持ちだけではないのだと。
見捨てられたパーティがどうなろうと知ったこっちゃない。
むしろもう自分を卑下する必要もない。
我慢しなくていいのだ。
ケイドは自分の幸せを探すために旅へと出る。
※小説家になろう様でも連載中

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる