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例えどんな理不尽な世界だとしても
良いパーティーになりそうなんですが?
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「ぬぁああああッ!」
よだれの滴る牙をギラつかせ、脱兎のごとく飛びかかって来るバジリスクをテトラの大きな鋼の盾が受け止める。
まるで鉄の塊を受け止めたような激しい衝撃に、テトラは思わず体勢を崩す。ふらつくテトラに対して、蛇の尾が迫り来る。猛毒の牙に噛まれれば、体の自由を奪われて次の瞬間には大きなライオンの頭に食い殺されるだろう。
バジリスクの尾が、まさにテトラの首元に牙を突き立てようとしたその瞬間、刃こぼれをした大剣が尾を半ば叩くように斬りつけた。
「すまんロイン、助かった」
大柄なテトラと相反するように小柄な少年ロインは、返事をするのもしんどいようで、肩で息をしながら片手をあげる。
テトラたちパーティーがバジリスクに遭遇してから三十分が経過していた。
前線を保つテトラとロインは既に満身創痍。そして後方で魔法を放つアカメとシャンディも魔力の使いすぎで今にも意識を失いそうだった。
しかし、窮地なのはバジリスクも同じである。全身に斬り跡と数多の魔法を受けた傷が刻まれ、動きも十分鈍っていた。それでも、追い込まれた魔物程怖いものはない。もはやどちらが今まさに瓦解してもおかしくはない状況だった。
「テトラ、ロイン! 離れてください!」
この戦いにおいてもう既に数え切れないほど聞いた魔法の合図が、後方より放たれる。
次の瞬間、テトラとロインの間を鋭い稲妻が横切る。もはや避けるだけの気力もないバジリスクは、稲妻を正面から喰らい、その身を焦がした。感電したように体をビクつかせ、小さな声でギャアギャアと鳴き声を漏らす。
「これで終わりだ!」
アカメが魔法を放った数秒後、遅れてシャンディの魔法が発動する。周り草木が一同に介して、巨大な刃をつくりあげる。
シャンディが杖を振りかぶると同時に、草の刃は弓矢のように一直線にバジリスクの体を斬り裂いた。
刃はその強靭な皮膚を抉り、血しぶきを立てる。そして、同時にバジリスクの瞳から光が消えた。
バジリスクが完全に動かなくなったことを確認し、テトラは盛大に息を吐き出した。
「くはぁ……キツかった。お前ら、大丈夫か?」
その場に崩れ落ちるように座り込み、パーティーの状況を確認する。
「怪我はしてないけど、もう魔力がすっからかん。流石に今回はやばかったね」
女性らしさのカケラも見えないあぐら座りで、頭にかぶった大きなツバの帽子を取りながらシャンディが根をあげる。
「しかし、なんで中層のこの場所にバジリスクなんかが出たんでしょうか……」
木にもたれかかって体を支えるアカメが、暗くなりつつある空を仰ぎながら呟いた。
「魔物は活動エリアを変えることは滅多にないですけど、今回が特殊だったのか、それともこの森で何かがおきているのか……。どちらにしてもギルドに報告する必要はありそうですね」
大剣を地面に突き刺し、先端に柄に顎を乗せながら発するロイン。
テトラは今一度、自分のすぐそばに横たわり絶命するバジリスクを眺める。ランクCに上がり、初めての適正魔物。しかし、ランクCとして認められたのは五人パーティーだった頃の話であり、ハルトのいない今はまだまだランクCだとは言えない。
流石に生きた心地がしなかったと内心深々と思った。
「そういえば、ハルトに渡したクエストも確か中層でのクエストだったな。あいつがバジリスクに出会ってなければいいんだけれど……」
しかし、今は自分たちの身の安全が第一だ。この瞬間にも他の魔物が現れないとは限らない。
まるで棒のように言うことの効かない両足に喝を入れ、テトラは勢いよく立ち上がった。
*
「うーん、二頭目……」
戸惑いと呆れが混ざった覇気のない声を発するハルト。魔法を放った直後で、多少の気怠さが体を襲うが、もちろんそのせいではない。
眼前には蟷螂のような鋭い鎌を持つCランクの魔物――『エコーイノセント』が丸焦げの状態で横たわっている。
「クエスト目標のリザードマンが見つからないのに、深層部にいるはずのCランクの魔物に二度も出くわすなんて異常中の異常ね」
「でも、今回のこいつも魔法一撃であっさり倒せたね」
前衛でエコーイノセントの鎌を軽々と受け止めていたマナツとユキオが、討伐証である部位を採取する。
「それよりも、このパーティーの謎の強さの方が異常……だと思います」
「そうだよなぁ。明らかにSランク魔導師の魔法の火力だし、身体能力もやたらと強化されてるっぽい……。一体、何が起きてるんだ?」
四人はしばし各々唸るが、もちろん結論は出てこない。
Sランクの魔法職にも匹敵する魔法を放ち、重タンク職業以上のフィジカルを持つ魔剣士など聞いたこともなかった。
「パーティー全員が同様に強化されてるとなると、魔剣士が複数人揃うことで何らかしらの特殊能力が発動する的なやつかな?」
「パーティーの職業構成によっては若干、能力が強化されるという話は聞いたことがある……と思います」
「だとしたら、私たちすごいパーティーになれるんじゃない!? Sランク冒険者も夢じゃないわね!」
あぶれ者同士で組んだ中途半端職の魔剣士パーティーが、まさかこんな風に化けるなんて誰が想像できただろうか。
改めて新パーティーの面子を見つめ直す。はしゃぐマナツに、なぜかオロオロするモミジ、そしてそれを微笑ましそうに見つめるユキオ。
案外、良いパーティーになりそうだなと、ハルトは心の中で口にする。
「よーし、Cランクの魔物二頭も倒したんだ! もうクエストやめて帰ろーぜ、面倒くさい」
「「「さんせーい」」……だと思います」
意気揚々と街に引き返す四人。
しかし、もちろん街に帰って自分たちが倒しましたといっても、誰にも信じてもらえない残念な魔剣士パーティーであった。
よだれの滴る牙をギラつかせ、脱兎のごとく飛びかかって来るバジリスクをテトラの大きな鋼の盾が受け止める。
まるで鉄の塊を受け止めたような激しい衝撃に、テトラは思わず体勢を崩す。ふらつくテトラに対して、蛇の尾が迫り来る。猛毒の牙に噛まれれば、体の自由を奪われて次の瞬間には大きなライオンの頭に食い殺されるだろう。
バジリスクの尾が、まさにテトラの首元に牙を突き立てようとしたその瞬間、刃こぼれをした大剣が尾を半ば叩くように斬りつけた。
「すまんロイン、助かった」
大柄なテトラと相反するように小柄な少年ロインは、返事をするのもしんどいようで、肩で息をしながら片手をあげる。
テトラたちパーティーがバジリスクに遭遇してから三十分が経過していた。
前線を保つテトラとロインは既に満身創痍。そして後方で魔法を放つアカメとシャンディも魔力の使いすぎで今にも意識を失いそうだった。
しかし、窮地なのはバジリスクも同じである。全身に斬り跡と数多の魔法を受けた傷が刻まれ、動きも十分鈍っていた。それでも、追い込まれた魔物程怖いものはない。もはやどちらが今まさに瓦解してもおかしくはない状況だった。
「テトラ、ロイン! 離れてください!」
この戦いにおいてもう既に数え切れないほど聞いた魔法の合図が、後方より放たれる。
次の瞬間、テトラとロインの間を鋭い稲妻が横切る。もはや避けるだけの気力もないバジリスクは、稲妻を正面から喰らい、その身を焦がした。感電したように体をビクつかせ、小さな声でギャアギャアと鳴き声を漏らす。
「これで終わりだ!」
アカメが魔法を放った数秒後、遅れてシャンディの魔法が発動する。周り草木が一同に介して、巨大な刃をつくりあげる。
シャンディが杖を振りかぶると同時に、草の刃は弓矢のように一直線にバジリスクの体を斬り裂いた。
刃はその強靭な皮膚を抉り、血しぶきを立てる。そして、同時にバジリスクの瞳から光が消えた。
バジリスクが完全に動かなくなったことを確認し、テトラは盛大に息を吐き出した。
「くはぁ……キツかった。お前ら、大丈夫か?」
その場に崩れ落ちるように座り込み、パーティーの状況を確認する。
「怪我はしてないけど、もう魔力がすっからかん。流石に今回はやばかったね」
女性らしさのカケラも見えないあぐら座りで、頭にかぶった大きなツバの帽子を取りながらシャンディが根をあげる。
「しかし、なんで中層のこの場所にバジリスクなんかが出たんでしょうか……」
木にもたれかかって体を支えるアカメが、暗くなりつつある空を仰ぎながら呟いた。
「魔物は活動エリアを変えることは滅多にないですけど、今回が特殊だったのか、それともこの森で何かがおきているのか……。どちらにしてもギルドに報告する必要はありそうですね」
大剣を地面に突き刺し、先端に柄に顎を乗せながら発するロイン。
テトラは今一度、自分のすぐそばに横たわり絶命するバジリスクを眺める。ランクCに上がり、初めての適正魔物。しかし、ランクCとして認められたのは五人パーティーだった頃の話であり、ハルトのいない今はまだまだランクCだとは言えない。
流石に生きた心地がしなかったと内心深々と思った。
「そういえば、ハルトに渡したクエストも確か中層でのクエストだったな。あいつがバジリスクに出会ってなければいいんだけれど……」
しかし、今は自分たちの身の安全が第一だ。この瞬間にも他の魔物が現れないとは限らない。
まるで棒のように言うことの効かない両足に喝を入れ、テトラは勢いよく立ち上がった。
*
「うーん、二頭目……」
戸惑いと呆れが混ざった覇気のない声を発するハルト。魔法を放った直後で、多少の気怠さが体を襲うが、もちろんそのせいではない。
眼前には蟷螂のような鋭い鎌を持つCランクの魔物――『エコーイノセント』が丸焦げの状態で横たわっている。
「クエスト目標のリザードマンが見つからないのに、深層部にいるはずのCランクの魔物に二度も出くわすなんて異常中の異常ね」
「でも、今回のこいつも魔法一撃であっさり倒せたね」
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「それよりも、このパーティーの謎の強さの方が異常……だと思います」
「そうだよなぁ。明らかにSランク魔導師の魔法の火力だし、身体能力もやたらと強化されてるっぽい……。一体、何が起きてるんだ?」
四人はしばし各々唸るが、もちろん結論は出てこない。
Sランクの魔法職にも匹敵する魔法を放ち、重タンク職業以上のフィジカルを持つ魔剣士など聞いたこともなかった。
「パーティー全員が同様に強化されてるとなると、魔剣士が複数人揃うことで何らかしらの特殊能力が発動する的なやつかな?」
「パーティーの職業構成によっては若干、能力が強化されるという話は聞いたことがある……と思います」
「だとしたら、私たちすごいパーティーになれるんじゃない!? Sランク冒険者も夢じゃないわね!」
あぶれ者同士で組んだ中途半端職の魔剣士パーティーが、まさかこんな風に化けるなんて誰が想像できただろうか。
改めて新パーティーの面子を見つめ直す。はしゃぐマナツに、なぜかオロオロするモミジ、そしてそれを微笑ましそうに見つめるユキオ。
案外、良いパーティーになりそうだなと、ハルトは心の中で口にする。
「よーし、Cランクの魔物二頭も倒したんだ! もうクエストやめて帰ろーぜ、面倒くさい」
「「「さんせーい」」……だと思います」
意気揚々と街に引き返す四人。
しかし、もちろん街に帰って自分たちが倒しましたといっても、誰にも信じてもらえない残念な魔剣士パーティーであった。
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