3 / 61
第1部
【3】一人スローライフの始まりだ!?
しおりを挟む
ついに力なく地面にへたり込んですすり泣く裸の少女と、目をそらさずにじっと見つめる二十二歳の男。さて、どちらが悪者でしょうか。
聞くまでもない。たとえ、この状況がほとんど事故のようなものだとか、いつ少女が文字通り光速で剣を突き立ててくるか分からないから目が離せないとしてもだ。
「いや、もう俺が悪かったよ。とりあえず、これ着てくれ」
脱いだローブを少女の肩にかける。
「……私が悪いの」
「そんなことはない。事故だよ。あんな状況じゃ、敵意だって出るさ」
「いいえ、私が弱いから。裸を見たあなたを殺せなかった」
「そっち!?」
ため息が白く零れて、空へ昇っていく。
「とりあえず、落ち着いて話さないか?」
俺の問いかけに少女はうつむきながら静かにうなずいた。剣を手から離したところを見るに、もう戦意は無いらしい。そこでようやく、俺は構え続けた二本指をほどく。
「俺の名前はロア。家名はない。あんたは?」
「……ユズリア・フォーストン」
名前を聞いた途端、冷や汗がどばっと出た。
家名持ち。つまり、貴族だ。それもフォーストン家といえば、十年暮らしていたパンプフォール国で知らぬ者はいない名家だ。
「き、貴族様でいられましたか」
引き攣る口角を必死に抑える。貴族に手をかけたとなれば、重罪どころの話ではない。即刻、打ち首ものだ。
スローライフ、終わっちゃったな……。あ、始まってすらいなかった……。
ユズリアが不貞腐れたように顔を上げる。
「今さら、そんな扱い意味ないから」
「デ、デスヨネー」
土下座か!? それとも、俺も脱げばいいのか!?
「せめて、妹だけは……」
そうだ、妹だけは何としても護らなければ。兄が貴族様の裸を見たせいで共に殺されたとなれば、あまりに不憫すぎる。ただでさえ、最近はずっと冷たいというのに。死んで地獄でもなお変態と蔑まれたら、きっと俺はどうかしてしまう。
「別にどうもしようと思ってないわよ。それより、私が命乞いする方が正しいでしょ」
確かにこの場所には俺とユズリアの二人だけ。目撃者がいないのだから、ここでユズリアをどうにかしてしまえば、事件は闇に葬り去られるというわけだ。
赤くした鼻をすんっと鳴らし、彼女は潤いの残る瞳で俺を見つめる。
「そんなこと、出来るわけないですよ。こんな精霊のように美しく、可愛らしい貴族様に」
「なっ……! とりあえず、敬語やめて! あと、その貴族様ってのも!」
温情か、照れ隠しか、ユズリアは顔を真っ赤に染めて顔をそらす。
とりあえず、お咎めなしということでいいのだろうか。
「それでは失礼して。この森にいるってことは、ユズリアもS級冒険者なのか?」
自分のギルドカードをユズリアに見せながら問う。
「……そうよ。といっても、S級になったのはつい最近。今回だって、依頼を受けてここに来たわけじゃないの。ちゃんと自分にその資格があるのかどうか、試しに来たのよ」
「なるほど。自分の力を過信しないのは良いことだ。S級の依頼はどれも理不尽な環境と、強大な魔物の相手が強いられるからな」
ユズリアがローブで全身を隠したことを確認すると、俺もその場に座り込んだ。常に張り巡らせていた神経と強張らせた筋肉を緩めると、どっと疲れが湧いてくる。
「でも、結局魔素がキツくて、たまたま見つけたこの魔素がほとんどない空間で休んでたわけ。おまけにのこのこ来た変態のS級冒険者にコテンパンにされるし。本当、最悪な一日ね」
「頼むから変態はやめてくれ……。魔素がキツいなら、人気のあるところまで送っていこうか? この辺りは魔物も特に強いから」
確かにユズリアはS級と言われたら納得のできる強さだった。そこら辺のA級なんか話にならないだろう。ただ、S級としては彼女の言った通り、高い位置にいるとは言えない。
A級とS級の壁は厚く、S級の中でも似たような壁は存在する。なぜなら、S級以上のランクが存在しないからだ。S級の冒険者が全員、等しい強さを持ち合わせているわけではない。
「森を抜けるくらい、ロアの力を借りなくても何とでもなる。それより、ロアはどうしてこんな辺鄙な場所にいるのよ。依頼?」
「何って、それはここに住むためだよ」
「……何、言ってるの?」
「だから、移住してきたんだよ。冒険者は引退したんだ」
ユズリアが心底怪訝そうに顔をしかめる。こいつ馬鹿なんじゃないのか、とでも言いたげだ。
「冒険者になって十年、働きづめで疲れちゃってね。肩の荷も下りたし、人の来ない場所でしばらくゆっくりしようと思ってさ」
「なんだかエルフみたいなこと言うのね。ただのエルフはこんな魔素に塗れた森は選ばないと思うけれど」
「だからこそ、ここを探していたんだ。聖域なんて噂されていたけれど、どうやらただの濃度が高い魔力溜まりの土地のようだね」
立ち上がり、魔力溜まりを覗き込む。透き通った濃い蒼の水。温かく、触れた先から魔力が浸透してきて心地が良い。
色々と合点がいった。なぜ、薄暗い魔素の森にこんな瑞々しい若草と雲花が咲き誇っているのか。そして、ここに近づくにつれて魔物の気配がどんどん減っていったのか。
良質な魔力の塊が、一帯の魔素を浄化して、新たな生命をもたらしているのだ。また、この辺りの魔物は魔素を好むがゆえに棲み着いている。つまり、魔素を浄化するような強い魔力をめっぽう嫌う傾向があるのだろう。
それにしても、光を放つほどの魔力溜まりなど見たことがない。軽く触れただけで、先ほどユズリアと小競合って使った魔力がほとんど補充されてしまった。聖域という表現もあながち間違いじゃないのかもしれない。
「確かにここなら普通の人はまずたどり着けない……。それに、とんでもなく辺境だからS級冒険者も依頼ではあまり訪れないんじゃないかしら」
「どんなもんか、見てから判断しようと思ってたんだけどね」
人が寄り付かず、魔物も嫌う辺鄙な場所。まさに想像していた理想の地だ。
「よし、決めた。俺はここに住むとしよう!」
俺の一人スローライフはこの土地から始まるんだ!
「……そう。じゃあ、私も一緒に住む」
「そうか! 独り占めは良くないもんな、うん。……うん?」
今、彼女なんて言いましたかね。すむ? 澄む? 済む?
「そうなると、住居に衣類、食料とか色々必要になるかな。やっぱり、一度帰るべき……? いや、でも……」
「え? 本当にここに住むのか……?」
「そうだけど? 何か問題でも?」
「いや、問題は……無い」
無いけど! あるわけもないんだけど! いや、あるかも!?
誰の土地でもない場所に、たまたま一人暮らしを決めた人間が二人いるだけだ。幸い、魔力溜まりを中心に広がる聖域は十分な広さがある。過度な干渉をしないように彼女から十分に距離を取って生活をすればいいだけだ。
まだ、俺の一人スローライフは潰えていない!
「じゃ、取り急ぎ二人の家をつくらないとね」
ユズリアがさも当たり前のように言う。
「二人?」
「えっ? 違うの?」
「一人で住むんじゃないのか? なんていうか、ご近所さん的な感じで」
「そんなわけないじゃない。ロア、私の裸見たんでしょ?」
「どうして今、その話が――」
そこまで口にして、ユーニャが以前話していたことを思いだした。えっと、何だったか。貴族には掟みたいなのがあって、その中の一つに――
「貴族は婚前に異性へ全てをさらけ出すことを禁ずる」
ユズリアがぼそっと呟く。
「それって、つまり……」
駄目だ。悪寒が止まらない。
「ロア、あなたは私のは、伴侶になりなさい……!」
真っ赤になりながら、とんでもないことを口走るお貴族様。まっすぐに指差される二十二歳無職。
こうして、俺の一人スローライフは始まることすらなく、終わりを迎えた。
聞くまでもない。たとえ、この状況がほとんど事故のようなものだとか、いつ少女が文字通り光速で剣を突き立ててくるか分からないから目が離せないとしてもだ。
「いや、もう俺が悪かったよ。とりあえず、これ着てくれ」
脱いだローブを少女の肩にかける。
「……私が悪いの」
「そんなことはない。事故だよ。あんな状況じゃ、敵意だって出るさ」
「いいえ、私が弱いから。裸を見たあなたを殺せなかった」
「そっち!?」
ため息が白く零れて、空へ昇っていく。
「とりあえず、落ち着いて話さないか?」
俺の問いかけに少女はうつむきながら静かにうなずいた。剣を手から離したところを見るに、もう戦意は無いらしい。そこでようやく、俺は構え続けた二本指をほどく。
「俺の名前はロア。家名はない。あんたは?」
「……ユズリア・フォーストン」
名前を聞いた途端、冷や汗がどばっと出た。
家名持ち。つまり、貴族だ。それもフォーストン家といえば、十年暮らしていたパンプフォール国で知らぬ者はいない名家だ。
「き、貴族様でいられましたか」
引き攣る口角を必死に抑える。貴族に手をかけたとなれば、重罪どころの話ではない。即刻、打ち首ものだ。
スローライフ、終わっちゃったな……。あ、始まってすらいなかった……。
ユズリアが不貞腐れたように顔を上げる。
「今さら、そんな扱い意味ないから」
「デ、デスヨネー」
土下座か!? それとも、俺も脱げばいいのか!?
「せめて、妹だけは……」
そうだ、妹だけは何としても護らなければ。兄が貴族様の裸を見たせいで共に殺されたとなれば、あまりに不憫すぎる。ただでさえ、最近はずっと冷たいというのに。死んで地獄でもなお変態と蔑まれたら、きっと俺はどうかしてしまう。
「別にどうもしようと思ってないわよ。それより、私が命乞いする方が正しいでしょ」
確かにこの場所には俺とユズリアの二人だけ。目撃者がいないのだから、ここでユズリアをどうにかしてしまえば、事件は闇に葬り去られるというわけだ。
赤くした鼻をすんっと鳴らし、彼女は潤いの残る瞳で俺を見つめる。
「そんなこと、出来るわけないですよ。こんな精霊のように美しく、可愛らしい貴族様に」
「なっ……! とりあえず、敬語やめて! あと、その貴族様ってのも!」
温情か、照れ隠しか、ユズリアは顔を真っ赤に染めて顔をそらす。
とりあえず、お咎めなしということでいいのだろうか。
「それでは失礼して。この森にいるってことは、ユズリアもS級冒険者なのか?」
自分のギルドカードをユズリアに見せながら問う。
「……そうよ。といっても、S級になったのはつい最近。今回だって、依頼を受けてここに来たわけじゃないの。ちゃんと自分にその資格があるのかどうか、試しに来たのよ」
「なるほど。自分の力を過信しないのは良いことだ。S級の依頼はどれも理不尽な環境と、強大な魔物の相手が強いられるからな」
ユズリアがローブで全身を隠したことを確認すると、俺もその場に座り込んだ。常に張り巡らせていた神経と強張らせた筋肉を緩めると、どっと疲れが湧いてくる。
「でも、結局魔素がキツくて、たまたま見つけたこの魔素がほとんどない空間で休んでたわけ。おまけにのこのこ来た変態のS級冒険者にコテンパンにされるし。本当、最悪な一日ね」
「頼むから変態はやめてくれ……。魔素がキツいなら、人気のあるところまで送っていこうか? この辺りは魔物も特に強いから」
確かにユズリアはS級と言われたら納得のできる強さだった。そこら辺のA級なんか話にならないだろう。ただ、S級としては彼女の言った通り、高い位置にいるとは言えない。
A級とS級の壁は厚く、S級の中でも似たような壁は存在する。なぜなら、S級以上のランクが存在しないからだ。S級の冒険者が全員、等しい強さを持ち合わせているわけではない。
「森を抜けるくらい、ロアの力を借りなくても何とでもなる。それより、ロアはどうしてこんな辺鄙な場所にいるのよ。依頼?」
「何って、それはここに住むためだよ」
「……何、言ってるの?」
「だから、移住してきたんだよ。冒険者は引退したんだ」
ユズリアが心底怪訝そうに顔をしかめる。こいつ馬鹿なんじゃないのか、とでも言いたげだ。
「冒険者になって十年、働きづめで疲れちゃってね。肩の荷も下りたし、人の来ない場所でしばらくゆっくりしようと思ってさ」
「なんだかエルフみたいなこと言うのね。ただのエルフはこんな魔素に塗れた森は選ばないと思うけれど」
「だからこそ、ここを探していたんだ。聖域なんて噂されていたけれど、どうやらただの濃度が高い魔力溜まりの土地のようだね」
立ち上がり、魔力溜まりを覗き込む。透き通った濃い蒼の水。温かく、触れた先から魔力が浸透してきて心地が良い。
色々と合点がいった。なぜ、薄暗い魔素の森にこんな瑞々しい若草と雲花が咲き誇っているのか。そして、ここに近づくにつれて魔物の気配がどんどん減っていったのか。
良質な魔力の塊が、一帯の魔素を浄化して、新たな生命をもたらしているのだ。また、この辺りの魔物は魔素を好むがゆえに棲み着いている。つまり、魔素を浄化するような強い魔力をめっぽう嫌う傾向があるのだろう。
それにしても、光を放つほどの魔力溜まりなど見たことがない。軽く触れただけで、先ほどユズリアと小競合って使った魔力がほとんど補充されてしまった。聖域という表現もあながち間違いじゃないのかもしれない。
「確かにここなら普通の人はまずたどり着けない……。それに、とんでもなく辺境だからS級冒険者も依頼ではあまり訪れないんじゃないかしら」
「どんなもんか、見てから判断しようと思ってたんだけどね」
人が寄り付かず、魔物も嫌う辺鄙な場所。まさに想像していた理想の地だ。
「よし、決めた。俺はここに住むとしよう!」
俺の一人スローライフはこの土地から始まるんだ!
「……そう。じゃあ、私も一緒に住む」
「そうか! 独り占めは良くないもんな、うん。……うん?」
今、彼女なんて言いましたかね。すむ? 澄む? 済む?
「そうなると、住居に衣類、食料とか色々必要になるかな。やっぱり、一度帰るべき……? いや、でも……」
「え? 本当にここに住むのか……?」
「そうだけど? 何か問題でも?」
「いや、問題は……無い」
無いけど! あるわけもないんだけど! いや、あるかも!?
誰の土地でもない場所に、たまたま一人暮らしを決めた人間が二人いるだけだ。幸い、魔力溜まりを中心に広がる聖域は十分な広さがある。過度な干渉をしないように彼女から十分に距離を取って生活をすればいいだけだ。
まだ、俺の一人スローライフは潰えていない!
「じゃ、取り急ぎ二人の家をつくらないとね」
ユズリアがさも当たり前のように言う。
「二人?」
「えっ? 違うの?」
「一人で住むんじゃないのか? なんていうか、ご近所さん的な感じで」
「そんなわけないじゃない。ロア、私の裸見たんでしょ?」
「どうして今、その話が――」
そこまで口にして、ユーニャが以前話していたことを思いだした。えっと、何だったか。貴族には掟みたいなのがあって、その中の一つに――
「貴族は婚前に異性へ全てをさらけ出すことを禁ずる」
ユズリアがぼそっと呟く。
「それって、つまり……」
駄目だ。悪寒が止まらない。
「ロア、あなたは私のは、伴侶になりなさい……!」
真っ赤になりながら、とんでもないことを口走るお貴族様。まっすぐに指差される二十二歳無職。
こうして、俺の一人スローライフは始まることすらなく、終わりを迎えた。
849
お気に入りに追加
1,541
あなたにおすすめの小説
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
平凡令嬢は婚約者を完璧な妹に譲ることにした
カレイ
恋愛
「平凡なお前ではなくカレンが姉だったらどんなに良かったか」
それが両親の口癖でした。
ええ、ええ、確かに私は容姿も学力も裁縫もダンスも全て人並み程度のただの凡人です。体は弱いが何でも器用にこなす美しい妹と比べるとその差は歴然。
ただ少しばかり先に生まれただけなのに、王太子の婚約者にもなってしまうし。彼も妹の方が良かったといつも嘆いております。
ですから私決めました!
王太子の婚約者という席を妹に譲ることを。
旦那様、愛人を作ってもいいですか?
ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。
「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」
これ、旦那様から、初夜での言葉です。
んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと?
’18/10/21…おまけ小話追加
【完結】初夜の晩からすれ違う夫婦は、ある雨の晩に心を交わす
春風由実
恋愛
公爵令嬢のリーナは、半年前に侯爵であるアーネストの元に嫁いできた。
所謂、政略結婚で、結婚式の後の義務的な初夜を終えてからは、二人は同じ邸内にありながらも顔も合わせない日々を過ごしていたのだが──
ある雨の晩に、それが一変する。
※六話で完結します。一万字に足りない短いお話。ざまぁとかありません。ただただ愛し合う夫婦の話となります。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載中です。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
3歳児にも劣る淑女(笑)
章槻雅希
恋愛
公爵令嬢は、第一王子から理不尽な言いがかりをつけられていた。
男爵家の庶子と懇ろになった王子はその醜態を学園内に晒し続けている。
その状況を打破したのは、僅か3歳の王女殿下だった。
カテゴリーは悩みましたが、一応5歳児と3歳児のほのぼのカップルがいるので恋愛ということで(;^ω^)
ほんの思い付きの1場面的な小噺。
王女以外の固有名詞を無くしました。
元ネタをご存じの方にはご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。
創作SNSでの、ジャンル外での配慮に欠けておりました。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる