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第一部
15.久しぶりの夢
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朝になると、お腹の痛みは随分と引いて、わたしは普通に動けるようになった。
せっかくもらった魔石は、大事なものばかりをしまってある宝石箱に入れておくことにした。お祖母さまにもらったブローチやお母さまに頂いたネックレスの横にしまう。この箱自体もお祖母さまにもらったものだ。
魔石は本物の宝石と比べても遜色ないぐらい、輝いていてきれいだった。
「ちゅん、ちゅん」
小さな小鳥が窓際で鳴いている。窓は閉まっているのに、どこから入ってきたんだろう。
手のひらに乗るぐらいの大きさで、銀色の翼がきれいだった。くりっとした小さな目が青く、頭にとさかのようなふわっとした白い毛が生えている。
小鳥は、咥えていた花を机の上に置いた。ピンクの花びらがきれいな花だった。
それから、小鳥は毎日朝にやって来て、色とりどりの花を置いていくようになった。小鳥が持ってくる花を小さな花瓶に生けると、部屋の中が明るくなった気がした。どこかの魔術師も見習ってくれたらいいのに。
何もお礼にあげられるものがないので、わたしは朝食のパンをこっそり持ってくることにした。ちぎってあげると、小鳥は翼をぱたぱたさせて喜んだ。あんまりにも美味しそうに小鳥がパンを食べるので、わたしもちぎりながら一緒に食べるようになった。
毎朝一つしか食べられなかったパンをわたしが二つ食べられるようになったので、料理長がとても嬉しがっていたとコルネリアが教えてくれた。
*
女はそそり立つ男のそれに手を添える。赤黒く筋の浮いた凶悪な大きさの肉棒。
そのままそれを握りしめると、上下に動かし始めた。脈打つように女の手の中でびくびくと肉棒が震える。
「もっと強く握るんだ…そう、いい……次はそれを咥えて」
女は大きく口を開けると、ぱくりと男根を咥えた。
「あ……ああ……上手いね………気持ちいいよ」
滲み始めた先走りを舐めとるように、女は赤い舌を伸ばしちろちろと舐める。筋張ったところを舌でなぞると、男がさらに悩まし気な吐息を漏らした。男の呼吸が荒く、速くなっていく。
「……くっ……我慢できない」
男は腰を動かし始める。女の頭を鷲掴みにし、喉奥をめがけて鋭い突きを繰り出す。その度に女が嘔吐き、生理的な涙が女の目に浮かぶが、男の抽挿は止まらない。
「もう……出るっ。ああ、全部飲み干すんだよ、一滴残さずに」
男の怒張がどくんと大きくなり、女の口内に精を吐き出した。何とも言えない苦味とむせ返るような青臭さが口の中に広がるが、女は涙を流しながら、精を飲み下す。
男は女を、満足気に眺めた。
目覚めの気分は最悪だった。
久しぶりの淫夢だ。最近はめっきり見る回数が減っていたのに。
「おはようございます、姫様。朝食はいかがされますか?」
いつものようにコルネリアが尋ねてくれる。寝起きのぼんやりした頭でわたしは答える。
最近は朝食を食べられる日が増えてきたけど、今日は無理そうだ。
「今日はいいわ。何か簡単なものだけ持ってきてくれる?」
「かしこまりました」
コルネリアは完璧なお辞儀をして、一旦下がった。
しばらくして、コルネリアはわたしの軽食を持ってきてくれた。
銀の盆に置かれた、果物の盛り合わせ。
いつもなら、なんとも思わずに食べられただろう。ただ、今日はよくなかった。今日に限っては。
半分に切った皮を器にして、食べ易いように細かく切って並べられたバナーヌ。圧倒的な存在感を放っている。
まるで……その、淫夢でみたのと、同じ。
「姫様、どうかされましたか?」
どうもこうも、説明することはできない。
「なんでも、ないわ」
わたしは小さく切られたバナーヌにフォークを刺し、一つ口に運んだ。
とろりとした甘みが口の中に広がったけれど、わたしはなんだが複雑な気分だった。
せっかくもらった魔石は、大事なものばかりをしまってある宝石箱に入れておくことにした。お祖母さまにもらったブローチやお母さまに頂いたネックレスの横にしまう。この箱自体もお祖母さまにもらったものだ。
魔石は本物の宝石と比べても遜色ないぐらい、輝いていてきれいだった。
「ちゅん、ちゅん」
小さな小鳥が窓際で鳴いている。窓は閉まっているのに、どこから入ってきたんだろう。
手のひらに乗るぐらいの大きさで、銀色の翼がきれいだった。くりっとした小さな目が青く、頭にとさかのようなふわっとした白い毛が生えている。
小鳥は、咥えていた花を机の上に置いた。ピンクの花びらがきれいな花だった。
それから、小鳥は毎日朝にやって来て、色とりどりの花を置いていくようになった。小鳥が持ってくる花を小さな花瓶に生けると、部屋の中が明るくなった気がした。どこかの魔術師も見習ってくれたらいいのに。
何もお礼にあげられるものがないので、わたしは朝食のパンをこっそり持ってくることにした。ちぎってあげると、小鳥は翼をぱたぱたさせて喜んだ。あんまりにも美味しそうに小鳥がパンを食べるので、わたしもちぎりながら一緒に食べるようになった。
毎朝一つしか食べられなかったパンをわたしが二つ食べられるようになったので、料理長がとても嬉しがっていたとコルネリアが教えてくれた。
*
女はそそり立つ男のそれに手を添える。赤黒く筋の浮いた凶悪な大きさの肉棒。
そのままそれを握りしめると、上下に動かし始めた。脈打つように女の手の中でびくびくと肉棒が震える。
「もっと強く握るんだ…そう、いい……次はそれを咥えて」
女は大きく口を開けると、ぱくりと男根を咥えた。
「あ……ああ……上手いね………気持ちいいよ」
滲み始めた先走りを舐めとるように、女は赤い舌を伸ばしちろちろと舐める。筋張ったところを舌でなぞると、男がさらに悩まし気な吐息を漏らした。男の呼吸が荒く、速くなっていく。
「……くっ……我慢できない」
男は腰を動かし始める。女の頭を鷲掴みにし、喉奥をめがけて鋭い突きを繰り出す。その度に女が嘔吐き、生理的な涙が女の目に浮かぶが、男の抽挿は止まらない。
「もう……出るっ。ああ、全部飲み干すんだよ、一滴残さずに」
男の怒張がどくんと大きくなり、女の口内に精を吐き出した。何とも言えない苦味とむせ返るような青臭さが口の中に広がるが、女は涙を流しながら、精を飲み下す。
男は女を、満足気に眺めた。
目覚めの気分は最悪だった。
久しぶりの淫夢だ。最近はめっきり見る回数が減っていたのに。
「おはようございます、姫様。朝食はいかがされますか?」
いつものようにコルネリアが尋ねてくれる。寝起きのぼんやりした頭でわたしは答える。
最近は朝食を食べられる日が増えてきたけど、今日は無理そうだ。
「今日はいいわ。何か簡単なものだけ持ってきてくれる?」
「かしこまりました」
コルネリアは完璧なお辞儀をして、一旦下がった。
しばらくして、コルネリアはわたしの軽食を持ってきてくれた。
銀の盆に置かれた、果物の盛り合わせ。
いつもなら、なんとも思わずに食べられただろう。ただ、今日はよくなかった。今日に限っては。
半分に切った皮を器にして、食べ易いように細かく切って並べられたバナーヌ。圧倒的な存在感を放っている。
まるで……その、淫夢でみたのと、同じ。
「姫様、どうかされましたか?」
どうもこうも、説明することはできない。
「なんでも、ないわ」
わたしは小さく切られたバナーヌにフォークを刺し、一つ口に運んだ。
とろりとした甘みが口の中に広がったけれど、わたしはなんだが複雑な気分だった。
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