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12.物語の続き
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幼い子供の声がする。
ぱたぱたと部屋を駆けていくのは二人の子供。一人は青色の瞳の女の子で、もう一人は赤い瞳の男の子だった。
「だめよ、二人とも。きちんと靴を履きなさい」
「かあさまー。いやだー」
「どうして靴を履かなきゃいけないの?」
駄々をこねる二人に母は微笑んだ。
「お父様のお部屋に行くまでのところに石が敷いてあるでしょう? それをね、裸足で踏むととても痛いのよ」
だからちゃんと靴を履きましょうね、と母は言い聞かせる。
「おかあさまはいつも裸足なのに?」
「おかあさまは、おとうさまが抱っこしてるからー!!」
わたし達も抱っこしてとせがむ二人の頭を母は優しく撫でて。そうして揃いの靴を履かせた。
「ほんとうに痛いのかな?」
「さあ。それはお父様に聞いてみましょう」
やがて父と呼ばれた人が、母と子を迎えに来る。いつものように母を抱き上げて、慈しむような視線を向けた。
その目は、片方は金。もう片方は青。
今の王には二人の弟がいる。下の弟は、妃を大変溺愛しており、彼女が地に足を付けているところを見たことがないとの、城中の噂だった。
明るい光が差し込む中を、四人は歩き出す。
もらった靴は飾ってある。あれから一度も履いたことはない。
どこにだって行ける。けれどここにいたい。
わたしが望んで、選んで、ここに居るのだ。
だから、もう靴は必要ない。
ぱたぱたと部屋を駆けていくのは二人の子供。一人は青色の瞳の女の子で、もう一人は赤い瞳の男の子だった。
「だめよ、二人とも。きちんと靴を履きなさい」
「かあさまー。いやだー」
「どうして靴を履かなきゃいけないの?」
駄々をこねる二人に母は微笑んだ。
「お父様のお部屋に行くまでのところに石が敷いてあるでしょう? それをね、裸足で踏むととても痛いのよ」
だからちゃんと靴を履きましょうね、と母は言い聞かせる。
「おかあさまはいつも裸足なのに?」
「おかあさまは、おとうさまが抱っこしてるからー!!」
わたし達も抱っこしてとせがむ二人の頭を母は優しく撫でて。そうして揃いの靴を履かせた。
「ほんとうに痛いのかな?」
「さあ。それはお父様に聞いてみましょう」
やがて父と呼ばれた人が、母と子を迎えに来る。いつものように母を抱き上げて、慈しむような視線を向けた。
その目は、片方は金。もう片方は青。
今の王には二人の弟がいる。下の弟は、妃を大変溺愛しており、彼女が地に足を付けているところを見たことがないとの、城中の噂だった。
明るい光が差し込む中を、四人は歩き出す。
もらった靴は飾ってある。あれから一度も履いたことはない。
どこにだって行ける。けれどここにいたい。
わたしが望んで、選んで、ここに居るのだ。
だから、もう靴は必要ない。
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