わたしを殺そうとしてきた王子様から溺愛されて逃れられません!

藤原ライラ

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4.はじめての

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 連れて行かれたのは、仮にも王子の部屋だというのに華美な飾りのない、落ち着いたものだった。寝台の上に下ろされたかと思うと、着ている意味があるのか分からない透けるような服を脱がされていく。

 これから何が行われるのか、分からないわけがない。村からここに連れて来られてから、わたしはそのことだけ教え込まれてきたのだから。

「ネージュ」

 低く這うような声が、わたしの名を呼ぶ。その響きに確かな欲を感じるのは思い上がりだろうか。
 次に大きな手はわたしの胸に触れた。やっぱりこの手は熱い。

「白いな」

 興奮しているのか荒い呼吸が乳房にかかる。寒くもないのに鳥肌が立つような不思議な心地がした。
 わたしの肌は抜けるように白い。別に大して美人でも何でもないけれど、それだけはちょっとした自慢だった。

 その白い肌を、舌が這う。立ち上がってきた頂きを口に含まれたら変な声が漏れた。

「ちょっと、いやっ」
「大人しくしていろ」

 ぶっきらぼうだけど、その声はさっきほど冷徹には聞こえなかった。肉厚の舌が尖りを執拗に嬲る。女を知らないという割には、的確で丁寧に彼はわたしに触れてくる。

「っ…ぁ……ひゃっ……ああっ」

 甘ったるい声が自分の口から上がる。まぎれもない、女の声だった。

 そっと脇腹をなぞって、最も秘めてたる所に彼は触れる。

「ちゃんと濡れるんだな」
「やっ、そんなところ、だめっ」

 電気のような快感が、頭の先からつま先まで流れる。びくんびくんと独りで揺れる腰を大きな手で押さえつけられる。ゆっくりと、蕩かすように彼の手が恥骨を撫でた。

「ンああ……っ……ぁあん」

 そんなところまで舐めなくてもいいのに、執拗に彼は花芯を舐め始めた。蜜壺にちろちろと舌が抜き差しされる度に、わたしのうちが別の生き物のように蠢く。

 仮に抱かれるとしても、もっと無理やり犯されるのだと思っていた。前戯もなく、痛みに体を切り裂かれるのだと。
 けれどこれはなんだろう。
 まるで愛し合う恋人同士のようだ。青い瞳に見つめられたらそれだけで体温が上がって、とろりと蜜が溢れてくる。

「甘い」
「うそっ……あああっ……ひっ」

 そんなはずがないのに。まるで甘露でも啜るように彼は何度も吸い付いてくる。その度に腰が跳ねて、足を閉じようと思うのに彼の逞しい体がそれを許さない。わたしはいつの間にか、金色の髪を押し付けるようにして喘いでいた。

 舌が届かないところ、最奥が疼いている。

 かりっ、と歯を立て強くそこを刺激されたら、もうだめだった。体が硬直して、目の前に白い光が明滅する。

「あっ、あっ……ああああっ!」

 思わず伸ばしてしまった手を繋がれる。宙に投げ出されたように震える体をぎゅっと受け止められた。
 はじめての絶頂だった。強い快楽にまだ頭が追い付かない。
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