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78.あなたのもの ※
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「ひゃっ」
指とは違うあたたかな感触が這う。濡れた舌が、潤み始めた秘裂を舐めていく。閉じようとした足を、ぐっと押さえつけられてじゅるりと吸い上げられた。
「っあん」
淫欲の証のように染み出してくる蜜を、無心でシャルルは舐めとっていく。
「やめっ……あああっ」
引き剥がそうと手を伸ばしても、やわらかな金髪は指の間を通り抜けていくばかりだ。響く水音の合間に、荒い呼吸が混じる。
「お前はただ、感じていればいい」
そんなところで話さないで欲しい。その度にかかる吐息に、おかしくなりそうだ。
尖らせた舌先が、蜜壺に抜き差しされる。その度に奥が蠢いて、腰が揺れる。
「あっあっ……んンっ」
浮かび上がる腰をぎゅっと押さえられて、与えられる刺激に頭の中が塗りつぶされていく。自分でも触れないようなところに、美しい悪魔が舌を這わせている。その事実にとんでもなく恥ずかしくなるのに、いつの間にか、その金色の頭を強く押し付けてしまっていた。聞こえる嬌声の甘ったるさ。けれど、もう止まらない。
だめだ、こんなの。ただただ自分だけが快楽を得ている。駄々を捏ねるように首を振っても、熾火のように会快感は降り積もっていく。この、感覚の先を、アネットは知っている。
「いいよ、アネット」
静かな声が宣言をしてから、かりっ、とやわく食まれた。それでもう、だめだった。
「あっああああっ」
一際高い声が、自分の喉から漏れる。背中が一人でに反っていて、眼前に眩しい光が明滅する。高まった糸がぷつんと切れる様に、弛緩した体はどさりとカウチに沈み込んだ。
「はあっ……はあっ……」
いつの間にか覗き込んできた紫色の瞳と目が合った。大きな手が張り付いた髪をそっと払ってくれる。たったそれだけで、達したばかりの敏感な体には震えがくる。
整わない息のまま、怜悧な相貌を見上げる。視線が絡み合えば、彼の望みは否応なく分かる。
「シャルル」
意味が欲しいのなら、ここにある。
「あなたのものにして」
あなたの為に生まれてきたのだと、わたしも思いたいから。
「ああ」
短く返事をした後、彼は纏っていた衣服を全て脱ぎ捨てた。現れた男の体に目を奪われる。シャルルは細身の方だが、よく鍛えられている。生来の生真面目さが体つきにも出ているような気がする。
惹かれるままにぺたりと裸の胸に頬を寄せる。
「あんまり煽らないでくれ。どうしていいか分からなくなる」
強く抱きすくめられれば、大して大きくもない胸が胸板の上で潰れる。
「好きにして」
「まったくお前ってやつは」
またシャルルが困ったように笑う。彼が幾重に纏っていた貴族としての振る舞いの鎧を剥ぎ取っていった本当の姿がこちらなのだろう。肌を合わせれば伝わるものがある。
指とは違うあたたかな感触が這う。濡れた舌が、潤み始めた秘裂を舐めていく。閉じようとした足を、ぐっと押さえつけられてじゅるりと吸い上げられた。
「っあん」
淫欲の証のように染み出してくる蜜を、無心でシャルルは舐めとっていく。
「やめっ……あああっ」
引き剥がそうと手を伸ばしても、やわらかな金髪は指の間を通り抜けていくばかりだ。響く水音の合間に、荒い呼吸が混じる。
「お前はただ、感じていればいい」
そんなところで話さないで欲しい。その度にかかる吐息に、おかしくなりそうだ。
尖らせた舌先が、蜜壺に抜き差しされる。その度に奥が蠢いて、腰が揺れる。
「あっあっ……んンっ」
浮かび上がる腰をぎゅっと押さえられて、与えられる刺激に頭の中が塗りつぶされていく。自分でも触れないようなところに、美しい悪魔が舌を這わせている。その事実にとんでもなく恥ずかしくなるのに、いつの間にか、その金色の頭を強く押し付けてしまっていた。聞こえる嬌声の甘ったるさ。けれど、もう止まらない。
だめだ、こんなの。ただただ自分だけが快楽を得ている。駄々を捏ねるように首を振っても、熾火のように会快感は降り積もっていく。この、感覚の先を、アネットは知っている。
「いいよ、アネット」
静かな声が宣言をしてから、かりっ、とやわく食まれた。それでもう、だめだった。
「あっああああっ」
一際高い声が、自分の喉から漏れる。背中が一人でに反っていて、眼前に眩しい光が明滅する。高まった糸がぷつんと切れる様に、弛緩した体はどさりとカウチに沈み込んだ。
「はあっ……はあっ……」
いつの間にか覗き込んできた紫色の瞳と目が合った。大きな手が張り付いた髪をそっと払ってくれる。たったそれだけで、達したばかりの敏感な体には震えがくる。
整わない息のまま、怜悧な相貌を見上げる。視線が絡み合えば、彼の望みは否応なく分かる。
「シャルル」
意味が欲しいのなら、ここにある。
「あなたのものにして」
あなたの為に生まれてきたのだと、わたしも思いたいから。
「ああ」
短く返事をした後、彼は纏っていた衣服を全て脱ぎ捨てた。現れた男の体に目を奪われる。シャルルは細身の方だが、よく鍛えられている。生来の生真面目さが体つきにも出ているような気がする。
惹かれるままにぺたりと裸の胸に頬を寄せる。
「あんまり煽らないでくれ。どうしていいか分からなくなる」
強く抱きすくめられれば、大して大きくもない胸が胸板の上で潰れる。
「好きにして」
「まったくお前ってやつは」
またシャルルが困ったように笑う。彼が幾重に纏っていた貴族としての振る舞いの鎧を剥ぎ取っていった本当の姿がこちらなのだろう。肌を合わせれば伝わるものがある。
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