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番外編:シルヴィオ視点
1.茶色の瞳 ※
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「リリィ」
呼びかけると、潤んだ茶色の瞳が見上げてくる。
自分が選んだ執着の権化のようなドレスを脱がせて、乳白色の肌に触れる。同じように何も身に纏っていない己の肌にしっとり吸い付くようで、体が熱くなる。
肩も腰も華奢で、どこもかしこもやわらかい。勢いあまって壊してしまわないかといつも心配になる。
やさしくしようと何度も何度も心の中で考えて、結局少しやさしくしきれない。
乳房に触れれば、それはシルヴィオの手の中でいともたやすく形を変える。ふわふわとしたその感触を堪能しながら、色づいた頂きを摘まんだ。痛みがないように、そっと。
「シルヴィオ……っ……さま」
落ち着いた彼女の声の中に上擦りが混じる。上気し始めた頬が薔薇色に染まっていくのがいい。思わず凝ったそれを口に含んだ。
「……あっ…んッ……っ…」
転がすように舐め上げれば、びくびくとリリアーナが震えた。官能から逃れる様に首を振る。反応は悪くない。
くびれた腰に手を這わせる。足を閉じようとしたところに体をねじ込んで、最も秘めたる場所に触れた。指先でなぞって、そこがじっとりと濡れ始めていることに安心する。昂る体を持て余しているのは自分だけではないのだと。
「……っ……やっ……」
こういうことをするようになってしばらく経つのに、リリアーナは全く慣れないようだ。いつも最初に抱いた時のような顔をする。
待ちわびたように綻んでいく蕾に舌で触れる。零れた蜜を執拗に吸い上げたら、まるですすり泣くかのようにリリアーナが嬌声を上げた。
「そんな、ところ……っ……あああっ」
花が蜜を宿すのは何の為だろう。
それは誘い、捕らえるためにほかならない。その証拠にシルヴィオはこの花に心を奪われてやまない。
滴るほどのこの蜜を余すことなく飲み干してしまいたい。跳ね上がる腰を抑えつける。じゅっと音を立てて啜り、ただただその甘さを堪能した。
この蜜の溢れる源に辿り着きたい。最奥を目指して舌先を差し込めば、じっとりと熱い裡が蠢いている。
リリアーナの手がシルヴィオの髪に触れる。最初は引き離すようだったその手が、次第に押さえつける様になってくる。ああ、彼女もそう、望んでいるのだ。
「んあっ……っく……はっ……あッ」
丸い爪先が敷布の上を滑って、何もない空間を蹴出す。
弓なりに背を反らせたリリアーナが達する。どっと力の抜けた体は寝台に沈み込んで、絶頂の余韻に打ち震えていた。
これを目にすることができるのは、花を手折る者だけの特権だ。ぎゅっと抱き締めれば、細い腕は応えるようにシルヴィオの首に手を回してくる。
隙間ないほどぴたりと合わされば、嫌でも分かる。硬く張り詰めた己の欲望が、もうずっと叫んでいる。その熱さに、柔らかさに包まれたい。
この身はもう、その快楽をよく知っている。限界だった。
猛り切った己を宛がう。蕩けきった蜜口はひくひくと締め付ける様にシルヴィオを迎えた。
呼びかけると、潤んだ茶色の瞳が見上げてくる。
自分が選んだ執着の権化のようなドレスを脱がせて、乳白色の肌に触れる。同じように何も身に纏っていない己の肌にしっとり吸い付くようで、体が熱くなる。
肩も腰も華奢で、どこもかしこもやわらかい。勢いあまって壊してしまわないかといつも心配になる。
やさしくしようと何度も何度も心の中で考えて、結局少しやさしくしきれない。
乳房に触れれば、それはシルヴィオの手の中でいともたやすく形を変える。ふわふわとしたその感触を堪能しながら、色づいた頂きを摘まんだ。痛みがないように、そっと。
「シルヴィオ……っ……さま」
落ち着いた彼女の声の中に上擦りが混じる。上気し始めた頬が薔薇色に染まっていくのがいい。思わず凝ったそれを口に含んだ。
「……あっ…んッ……っ…」
転がすように舐め上げれば、びくびくとリリアーナが震えた。官能から逃れる様に首を振る。反応は悪くない。
くびれた腰に手を這わせる。足を閉じようとしたところに体をねじ込んで、最も秘めたる場所に触れた。指先でなぞって、そこがじっとりと濡れ始めていることに安心する。昂る体を持て余しているのは自分だけではないのだと。
「……っ……やっ……」
こういうことをするようになってしばらく経つのに、リリアーナは全く慣れないようだ。いつも最初に抱いた時のような顔をする。
待ちわびたように綻んでいく蕾に舌で触れる。零れた蜜を執拗に吸い上げたら、まるですすり泣くかのようにリリアーナが嬌声を上げた。
「そんな、ところ……っ……あああっ」
花が蜜を宿すのは何の為だろう。
それは誘い、捕らえるためにほかならない。その証拠にシルヴィオはこの花に心を奪われてやまない。
滴るほどのこの蜜を余すことなく飲み干してしまいたい。跳ね上がる腰を抑えつける。じゅっと音を立てて啜り、ただただその甘さを堪能した。
この蜜の溢れる源に辿り着きたい。最奥を目指して舌先を差し込めば、じっとりと熱い裡が蠢いている。
リリアーナの手がシルヴィオの髪に触れる。最初は引き離すようだったその手が、次第に押さえつける様になってくる。ああ、彼女もそう、望んでいるのだ。
「んあっ……っく……はっ……あッ」
丸い爪先が敷布の上を滑って、何もない空間を蹴出す。
弓なりに背を反らせたリリアーナが達する。どっと力の抜けた体は寝台に沈み込んで、絶頂の余韻に打ち震えていた。
これを目にすることができるのは、花を手折る者だけの特権だ。ぎゅっと抱き締めれば、細い腕は応えるようにシルヴィオの首に手を回してくる。
隙間ないほどぴたりと合わされば、嫌でも分かる。硬く張り詰めた己の欲望が、もうずっと叫んでいる。その熱さに、柔らかさに包まれたい。
この身はもう、その快楽をよく知っている。限界だった。
猛り切った己を宛がう。蕩けきった蜜口はひくひくと締め付ける様にシルヴィオを迎えた。
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