季節をめぐって魔王討伐!~無能力者から最強魔導師に!

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1-7 疲れた!寝る!

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「ハハハ!そうか良かった!明日から忙しくなるぞ?だが、今日はもう休んでくれ。今から急いで部屋を用意させるが2人の部屋は分けない方が良いか?」
「どうする?レイ」
「とりあえずは一緒でも良いだろう。どうせ俺がクレハに起こしてもらわなきゃいけないのは変わらないんだ。」
「そうだね!じゃあ一緒でお願いします!」
「あぁ分かった。少し待っていてくれ」

そういうと四季王はどこかへ行ってしまった。
いや、正確には四季王が離れた後に周りで拍手を送っていた人々からの質問攻めにあったせいで四季王を見失ってしまったのだ。

「今のはどうやったんだ!」
「今の魔法は一体!?」
「そもそもなぜ生還できたんだ!」

様々な質問を食らい顔が引き釣っているクレハを見てこの部屋に最初に入ったときに思ったことを思い出した。

「はぁ……すげぇ逃げたい」

10分くらいしてから四季王が帰ってきた。
四季王の姿が見えてから俺は周りの人を強引に退けて一直線に四季王の元へと向かった。きっと俺達の疲れ切った顔を見て四季王も察してくれたのだろう。急いで部屋へと案内してくれた。

「ここが用意した部屋だ。2人用の部屋だが、もし狭かったら言ってくれ、すぐに他の部屋を準備する。」

四季王はこう言ってくれたが、部屋の大きさは広いなんてもんじゃない。バカみたいに広い。

「これ、4、5人様な気がするんだが」
「うん。けっこう広いね。でもとりあえず私は疲れたから寝ちゃう。四季王。今日はありがとうございました。明日からもよろしくお願いします。それでは、おやすみなさい。」

きっと、俺以上に疲れているんだろう。声に力がない。四季王に軽く頭をさげるとベッドへと向かいそのまま倒れこんだ。しかし、一度に3つの挨拶を済ませているあたり、やはりクレハだ。侮れない。

「俺も疲れたので少し休みます。今日はありがとうございました。ダンジョンの攻略の件はクレハと考えておきます。俺としてもクレハとしても、お互い今日の様にどちらかが傷つくのが嫌なので、もしかしたら約束できないかもしれません。」
「そうなったらその時じゃ。しかし今日は私も驚かされたよ。まさかあの様な魔法が存在するとはね。明日は魔法や能力のことを実戦で使える様にするトレーニングでも出来たらなと考えている。
おっと、レイ殿は疲れているんだったな。引き止めてしまってすまない。では、ゆっくり休んでくれ」

俺も軽く頭を下げると、四季王がドアを閉めながら廊下へと出て行った。

「それでは」
「あぁまた明日な、楽しみにしているぞ」

四季王が何を楽しみにしているのかは、俺達の能力や魔法についてなのか、ダンジョン攻略の返事のことなのか何かは分からなかったが、今の俺にそんなことを考える余裕はなかった。

「寝よう」

ドアについている鍵の様なものをかけると、俺はクレハの寝ているベッドに向かった。
改めてクレハを見て思い出したが、俺たちの今の姿は……制服だ。

「そりゃ、この世界にない服装なんだから、あの部屋に入った時に変な目で見られるよな。しかし、普段の私服で来るよりは、まだ良かったのか?」

そう考えるとカバンがない。きっと俺たちがこの世界に来る時においてきてしまったのだろう。そういえば俺たちは今、神隠しにあっているが他の周りの奴があっている神隠しとは違う。

俺達の場合の神隠しは、四季王による神隠しで、魔王を倒すための大事な戦力だ。しかし、他の奴の場合は、魔王による神隠しで、魔王の魔力の供給用とかの物で、簡単に言えば魔王のエサだ。

俺たちも下手をしたら魔王に召喚されて、ただのエサになってしまっていたかもしれない。さらに言えば、日本で神隠しにあった人や、この世界で攫われた人は今、生きていると言える確証はない。という事でダンジョンを攻略しに行ったとしてもまだ助かる人がいるとは限らない。

ある意味、四季王には命を救われたと言っても過言ではない。命を救ってもらった恩を仇で返すわけにもいかない。しかし、恩返しのために命を失うかもしれないところへ行き、もし命を失ってしまったら意味がない。

正直に言うと、よく分からなくなってきた。きっと頭が疲れているせいもあって思考が停止し始めているのだろう。こういう時にするべき事はただ1つ。

寝る。だ。

ベッドの端で倒れているクレハを真ん中に転がし、しっかりと布団をかけてやってから、俺はもう1つのベッドへと倒れこむ。 このベッドも他の世界のものを真似て作っているのだろうか…

「寝よう。」

この世界に転移して、四季王に会い、兵士さんにこの世界の事を少し教えてもらい、デカイ肉を食べて、幻を見せられ少し倒れて、目覚めたらクレハが泣いていて、少しキレて生まれて初めての魔法を使って……散々な1日を振り返っていると自然に眠くなってくる。

明日はどんな1日になるのだろうか。少しの期待を込めて眠りにつく。
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